10月10日
「卒業公演に向けて A」

卒業公演に向けての練習、第2回です。
「聞く」ということ が今回の練習の中心です。
「見えないものを見る」というのは
演劇のとても不思議な力の一つですが、
同じように「実際には聞こえない音を聞く」ということを
やってみたいと思います、というお話がありました。
ウォームアップ

まずはウォームアップです。
伝言ゲームをして、
「聞きとる」感覚をウォーミングアップします。
ウォームアップ

みんなで大笑いしてしまうような
全く違う言葉になってしまった時もありましたが
次第に聞き取ることに集中していきました。

「耳は口の上にあって、2つある」という言葉を教えてもらいました。
聞くことは話すことより大事なのだ、ということです。
「聞くこと」への集中

次は青井陽治さんが集中力や想像力を
鋭くするエクササイズをして下さいました。

目をつぶって床に寝転びます。
「この部屋の壁、床、天井を思い出してください。。
まず、天井が、どんどんせまってくるのを想像します・・。」

シーンと静まっている全員の様子から
かなり集中して想像していることが伝わってきます。
「聞くこと」への集中

壁や床や天井がめいっぱい縮んできたり、
めいっぱい広がったり、などを時間をかけて想像することで
周囲への感覚が研ぎ澄まされてきました。

次に、周囲から聞こえるありとあらゆる「音」に
耳を澄ませました。
「どんな音が聞こえてくるだろう。」
一番遠くから聞こえる音、自分の身体から聞こえる音など数えていくと
20種類以上の音を聞くことができました。

心臓の音を聞いてみる

作品に出てくる大切な仕掛けである
「心臓の音」について考えました。

研ぎ澄まされた耳で、
友達の心臓の音を実際に聞いてみました。
心臓の音を聞くためには、こういう風に
触れていないとだめなんだな、などのこともわかりました。
台本を使っての練習

台本を使っての練習をしました。
子供たちが塾の帰り道に、
ある子どもが倒れているのを発見する場面です。
呼びかけても返事がなく、心配になった子どもたちは
心臓が動いているか確かめますが・・。
という場面です。
台本を使っての練習

繰り返し、心臓の音を聞く場面までを練習します。
心臓の音を聞くことに、少し照れくささを感じることが
わかりました。
あまり経験のないことを、繰り返し演じていくことで次第に
慣れてきたりもしました。
台本を使っての練習

心臓の音が何か違う、「怖くないよ、聞いてごらん」という
場面までなのですが、
思わず「その続きが知りたいんだよ。」という呟きが
観ている子どもの中から聞こえてきました。

どんな音が聞こえてきたのでしょうか。
聞こえるはずのない音を聞く練習

山本健翔さんが演技の助けになる練習をして下さいました。
例えば、転校した大好きな友達から届いた白紙の手紙から、
友達の声が聞こえたとして、それを聞いてみました。

音の出る手紙から聞こえる声を聞く練習、つまり
聞こえるはずのないと思っていた音を聞く練習です。
聞こえるはずのない音を聞く練習

「ほぉ。」「あれっ。」「へっ。」など手紙を耳を当てて、
驚きと、不思議な気持ちを想像しました。

「聞こえないはずの音が聞こえた時にどうなるんだろうということ
を考えてみてください。」
と健翔さんから投げかけがあり、この練習は終了しました。
ふりかえり

「いつもは、話すことが中心だったけど、
聞くことがとてもおもしろかったです。」
などの感想がありました。

青井さんから「今日の感覚を忘れないうちに、
家でもやってみてください。」という話がありました。

次回の授業はオーディションです。
それまでに準備を進めましょう、という予告があり、
今回の演劇の授業は終了しました。