12月5日
「オーディション」

12月に入り、どのような役があるのかの配役表と
オーディション用の台本とが配られました。

子どもたちやその家族、転校生に、警察隊、科学者の集団など
自分がどの役をやろうか、どの役になるのだろうか、
真剣な表情で先生の話を聞きます。

「六年生の締めくくりにふさわしい劇にしましょう。」
と長崎先生の言葉でオーディションが始まりました。
「今日のオーディションでは、色々な役にどんどん挑戦してもらいます。
やってみようかな、という役に遠慮なく手を挙げてください。」
「この場には観る人がいて、演じる人がいる。
このオーディションも第一回目の公演だと思ってやってみよう。」

関根さんや山本さんからお話があった通りの心構えで
全員が真剣に取り組みました。
音楽室の場面です。
子どもたちの希望を聞いて、何人も、同じ1つの役を演じます。
ここでは3回、同じ場面の同じ役を、違う役者が演じました。
話し方や動きだけではない、その役者が持つ雰囲気でも
同じ場面の同じ役が、全く違って見えるので不思議です。
役者の個性や、存在感というものでしょうか。
プロの演出家でもある山本さんや関根さんが
子どもたちの個性を、熱心なまなざしで
見つけようと必死になってくれています。
演劇の先生方に負けないくらいの真剣なまなざしで、
子どもたちも友だちのオーディションを
見守っていました。
第一希望、とかそういうのだけで、役を決めるわけではない、
一番輝くことのできる場所を見つけるのがオーディションなんだ、
という説明がありました。
演じる人も、観ている人も、役を決める演出家も、全員で
役について、劇について、自分について考えました。
最後に
第一希望が通るとは限らない、
思ってもみなかった役になるかもしれない、
という説明を山本さんからありました。

「その人が『よい悪い』『上手下手』などで配役は決めません。
全体のバランスを見て、一番よく見える方法を考えます。
私たちはその専門家だから、安心して任せてください。」

甚野先生の弟役を決めるとしたら誰か、という話で分かりやすく
教えてくださいました。
最後に台本を作って下さっている関根さんから、

「一人で頭の中で考えて書いていた世界が
みなさんの声と身体でやってくれて嬉しくなりました。
素晴らしい、いきいきした形になって、今日見えました。
今日は、ちょっと嬉しい未来が見えました。」
とうれしい言葉をかけていただきました。

子どもたちの公演にかける思いが
この日の真剣なオーディションの様子に表れていました。