トップ > 園長の話

 園長の話

2013年11月
秋の夜長に  ・・・大人も子ども・・・ ---- 園長 五十嵐 美緒子
  あの暑かった夏もずいぶん前のことようですね。季節は“霜降”露が霜となって降りはじめる頃、唱歌『もみじ』で♪松をいろど〜る かえで〜や つたは〜♪と歌われているように、そろそろの木々も色づき始める頃となりました。

運動会では、“スポーツの秋”が展開されました。そして、秋の夜長には“読書の秋”をお勧めしましょう。

杉並区では、「子どもたちが、言葉を学び、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけるため、子どもたちに読書機会を提供し、地域や保護者など、子どもの読書活動を支える組織や人材を育成・支援する」ために杉並区子ども読書活動推進計画を策定しています。

そこには、基本的な考えとして「子どもが本と親しむことにより、思考力を高め、表現力を学び、創造力を身につけ、豊かな人間性と社会性を育むことができるよう、読書環境の整備を図る」とあります。

本を読むって、すごいことなんだな!と感じます。でも、自分で本を読むようになり、それを自分で楽しむようにならないと、そうした力を育てることにつながっていかない、ということも読み取れます。小学校に進学し、絵本の読み聞かせから、自分で本を読むようになるところの壁がとても高いそうです。

本に自分から手を伸ばして、自分で読書を楽しむようになるには、今、たくさんおうちの人に読んでもらい、絵本の楽しさにふれることが、やっぱり一番です。

そして、もうひとつ!周りの大きな人たちが、本、新聞、雑誌などを楽しそうに、時には真剣に読む姿を見せてあげてください。子どもたちは、まねっこが大好きです。周りの大きな人がしていることは、なんでも真似します。一緒に楽しむことが大好きです。

ちょうど昨年も11月に同じ表題で絵本の読み聞かせをお勧めしましたが、ぜひ、大人も読書の楽しさを!テレビやパソコンの電源を切って静かな秋の夜長を楽しみましょう。

2013年10月
水となかよし---- 副園長 石床 美穂子
   9月13日は、プール納めでした。今年の夏は、本当に暑い日が続きました。大人は、子供たちの元気についていくのがやっとのことでしたが、子供たちは、水遊びをたくさん楽しむことができて大喜びでした。

 この夏、お子さんは、水遊びが、大好きになりましたか?夏の間に、プールや海、川に行ったご家族もあれば、涼しい場所で夏を過ごし、水遊びにあまり縁のなかったご家庭など様々だったと思いますが、子供園のプールでは、みんなの笑顔をたくさん見ることができました。

うさぎ組は、初めてのプールでしたので、小さいプールで、一人一人が、ゆっくり自分のペースで水遊びを楽しみました。9月には、みんなで大きいプールにも入り、広々としたプールでも怖がらずに楽しむことができました。

 ぱんだ組は、大きいプールで、カニやワニやイルカになって遊びました。宝さがしやぐるぐるプールにも挑戦して、友達と一緒に入る楽しさも感じることができました。

 きりん組は、どの子も水への抵抗感が少なくなり、「顔がつけられるようになったよ。」「見て見て!もぐれるよ。」「あそこまで、行くからね!」と自分から次々とあれこれやってみせてくれました。挑戦した後には、「先生見てた?」とちょっと誇らしそうにたずねてくる子供たちに「見てたよ。できたね。」と答えると、とても嬉しそうな笑顔でした。

 来年の夏が楽しみですね。体で覚えたことは、ずっとずっと体が、覚えていてくれます。
 さて、力がついたのは、技能的な面だけではありません。水着に着替える、濡れた水着の始末をする、タオルで体を拭くなど、全て自分一人でしてきました。実は、水着の着替えは、とても難しいのです。うさぎ組の子供たちも先生に教えてもらいながら、少しずつ覚えて自分でやっていきました。

 また、もぐって水の中の宝を拾う時に出す勇気。顔にかかる水をがまんする強さ。プールを見学している友達に「はやく風邪が治るといいね」と声をかけたり、頑張っている友達を応援したりする優しさなど・・・。子供たちは、プールでの体験を通して、それぞれにたくさんの力をつけました。

 この力が、これからの生活の大きなエネルギーとなることでしょう。楽しみですね。
2013年9月
楽しく体を動かそう! ---- 園長 五十嵐 美緒子
  8月も元気に通ってきた☆ほしグループの子供たちは、蝉採りや水遊び、そして、ちょっと日が陰るとおに遊びやリレーなど暑さに負けず、元気いっぱい遊んでいます。?おひさまグループの子供たちも、おうちの方々と夏ならではの生活を満喫したことと思います。園庭では、蝉たちがにぎやかに鳴いていますが、暦の上ではすでに秋。「?おひさまグループ」と「☆ほしグループ」での2学期がいよいよスタートします。
先日、東京都の研修会で、平成24年3月に文部科学省によって策定された「幼児期運動指針」について、お話を聞く機会がありました。園だより7月号で、石床副園長の巻頭言にもありましたので、せっかくの機会ですから、その中身をご紹介します。 
指針は、幼児期から、身体活動(体を動かすこと)の習慣を作ることが必要である、と訴えています。身体活動(体を動かすこと)で期待されることは、身体的な側面だけではありません。様々なよい影響があります。

「丈夫で健康な体」…健康を維持するための生活習慣つくり、バランスのとれた体つくり 
「体力・運動能力の向上」…運動を調整する力、危険回避の基礎となる力を培う  
「意欲の向上」…やる気や集中力を育て、自己有能感を形成する
「社会適応力」…コミュニケーション能力や協調性を育む
「認知的能力」…脳の発達を支える、創造力豊かになる   など。

小さい頃に体を動かす楽しさをたくさん味わい、運動の習慣をつけることは、将来の体つくり、そして、生活への意欲、ひいては、学習意欲にも影響するとのお話でした。そのために“幼児は様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しく体を動かすことが大切です”という「幼児期運動指針」が示されました。

様々な遊びを中心に…いろいろな遊びの中で多様な動きを体験し自分の体を自分が思った通りに動かすことができるようにしましょう。

幼児期の発達に即した、様々な遊びを工夫しましょう。

毎 日… 身体活動に休日はありません。園でも、家庭でもその機会を作りましょう。
合計60分以上…60分のトレーニングメニューを作るのではなく、いろいろな動きをあわてせ60分以上になるように
楽しく…“もっとやってみたい”“またやってみよう”という気持ちを持つことで、関心も広がります。単一の運動ばかりにならないように工夫しましょう。
体を動かすことが大切…幼児にとっては、体を動かすことの中心は遊びですが、お手伝いや散歩など、様々な活動をすることも大切です。

それぞれ下線で示した部分には意味があります。
子供が楽しく体を動かす習慣を作るためには、子供と生活を共にする身近な大人が “遊びの仕掛け人・遊びの伝道師・遊びの研究者そして遊びの同士”として、一緒に楽しみながら体を動かすことが大切です。まだまだ暑い日が、とばかり言っていては、せっかくのチャンスも逃げてしまします。園でも、いろいろな活動を計画し、取り組んでいます。まずは、歩いて登園、家のいろいろなお手伝い、休日には散歩・・・。お子さんと一緒に、遊びの同士として、できるところから、工夫してみませんか。
2013年8月
人と人の中で 〜あいさつは 地域づくりの 第一歩〜 ---- 園長 五十嵐 美緒子
  先日、PTA会長の中川さんと一緒に、大宮中学校の地域教育連絡協議会に参加してまいりました。地域教育連絡協議会は、大宮中学校区内の町会の役員の方々、民生・児童委員さん、児童館、ふれあいの家、図書館、こすもす生活園、郷土博物館等の施設の方々、そして大宮小学校・済美小学校・済美養護学校・堀ノ内保育園の先生方やPTAのみなさんが、一同に会して行われます。講演会やいろいろなお祭り、地域音楽交流会など、地域で子どもたちをはぐくみ、人と人とをつなぐために様々な活動を計画、実施してくださっています。

 朝9時の開門の時間に、門に立って登園してくる子どもたちや保護者の皆さんとあいさつをしている中、通勤や通学で、地域の皆さんが何人も通られます。「おはようございます」とお声をかけると、「おはようございます」と元気におこたえくださる方、会釈をして通られる方など、さまざまですが、毎日続けている中で、少しずつ笑顔が増えてきていると感じているのは、手前味噌でしょうか。

登園してくる子どもたちのあいさつも、とても素敵になってきました。入園や進級したばかりの頃は、ドキドキしたり、恥ずかしかったりして、大きな声が出なかったり、目と目を合わせることが苦手だった子もたくさんいました。この頃は、登園してくると私の前でまっすぐに立ち、目と目を合わせて気持ちよく「おはようございます」とあいさつしてくれる子がどんどん増えています。きりん組が、かっこよくあいさつする姿を見て、うさぎ組やぱんだ組の子も素敵なあいさつをしてくれます。

いろいろな人と出会い、ふれあったり交流したりすることは、人とかかわる力を育てるために欠かすことができません。「身近な人と親しみ、関わりを深め、愛情や信頼感を持つ」と、幼稚園教育要領や保育所保育指針の中のねらいに示されています。その第一歩があいさつです。「親しみをもって日常のあいさつをする」と、先の教育要領・保育指針の中の言葉の領域の内容(身につけていくことが望まれるもの)に書かれています。いろいろな人との出会い、身近な人とのかかわりを大切にし、あいさつをかわすことによって、互いに親しさが増します。そして何よりも気持ちがいいです。

表題の 〜あいさつは地域づくりの第一歩〜 は、今年度の地域教育連絡協議会のサブテーマです。地域の中の子供園として、やはり第一歩は、あいさつですね。

地域の皆さんに見守られながら、堀ノ内子供園は、幼稚園の頃から、40年近く暮らしてきました。いろいろな行事にお手伝いをいただいたり、時にはお騒がせすることもあったりしながらも、いつもたくさんの方々が、にこやかに見守ってくださっています。ぜひ、皆さんも子どもたちと一緒に地域の方々と、たくさんあいさつを交わしましょう。ほんとうに、気持ちがいいものですよ。
2013年7月
走るの大好き ---- 副園長 石床 美穂子
  「みんなで、鬼ごっこしましょう!」「わーい!!」
保育者の声掛けに、きりん組の子供たちは、いつも大喜びで、答えます。「今日は、鬼をやろう!」「つかまらないように頑張ろう!」などみんなやる気満々です。少し走ると汗ばむ季節ですが「もっとやろう!」と張り切っている子供たちの姿は、頼もしく感じられます。ぱんだ組やうさぎ組も、広い庭を走ったり、踊ったりして、体を動かして遊ぶことが大好きです。先生や友達と一緒にする楽しさも感じているようです。
 
 平成24年3月に、文部科学省から『幼児期運動指針』が、出されました。
どうして『幼児期』に『運動指針』が必要なのでしょうか?

社会環境や生活様式の変化から、現代の幼児は、体を動かして遊ぶ機会が減少していると考えられています。そのため、多様な動きの獲得の遅れや体力・運動能力の低下だけでなく、運動への意欲の低下、対人関係などのコミュニケ―ションをうまく構築できないなど、子供の心身の発達への影響も懸念されています。
幼児期に、身体を十分動かして遊ぶことで、幼児の身体機能や頭脳の発達が促されたり、様々な活動への意欲や社会性、想像力が育まれたりします。

お子さんの生活を振り返ってみて、体をたくさん動かしていると思われますか?少ないと感じられる方も多いと思います。
幼児にとっての運動は、楽しく体を動かす遊びを中心に行うことが大切です。公園の遊具で遊んだり、走ったりすることは、もちろんですが、散歩や手伝いなどの生活の中での様々な動きも含みます。自転車を使わずに、歩くことに変えるだけでもいいのです。毎日積み重ねることが大切です。
ぜひ、おうちの方も一緒に体を動かすことを楽しんでください。きっと、子供たちも大喜びだと思います。

本園では、今年度から、“すぎなみ体づくりキャラバン”の井村浩明先生を講師にお迎えして、運動遊びを計画しています。5月、6月は、きりん組とぱんだ組が、井村先生と一緒に体を動かして遊びました。子供たちは「井村隊長!!」と呼び、はりきって動いていました。
30分があっという間に思えるほど楽しみながら、体を動かし、様々な動きを体験しています。9月からは、うさぎ組も始まります。
今後も、子供たちが、楽しみながら体を動かす機会を大切にしていきます。

2013年6月
芒 種 (ぼうしゅ) ---- 園長 五十嵐 美緒子
  木々の緑が色を増してきました。日差しの強い日も、緑豊かな堀ノ内の園庭では、木々の下を元気に走り回る子供たちの明るい声が響き渡っています。暦の上で、6月5日は「芒種」。稲のように『芒‐のぎ‐』のある植物の種をまく季節ということから芒種というそうです。 *芒とは、稲科の植物の花にある小さな針のような突起のこと。

園でも、畑や花壇を耕し、野菜や花の苗を植えたり、種をまいたりしています。畑作りでは、ボランティアの方々のお手伝いありがとうございました。子供たちは、おいしい野菜がたくさんできるように、と毎日一生懸命水をあげています。きりん組が3月に植えたジャガイモも大きく葉を伸ばしてきました。植物の世話は、種をまいたり、苗を植えただけでは終わりません。よく日があたるように工夫したり、他の草に栄養を取られないように草取りをしたり、時には肥料をあげたり、不要な枝葉を取ったり、受粉を助けたりなどなど、多くの手間をかけて大きく育てます。

子供園では、子供たちの育ちを見据えて、いろいろな種まきをし、手入れも欠かしません。たとえば、「服を着る」ためにも、“どっち向き?”“頭が出ないね、ここを持って。ぎゅっとひっぱって!”といった手順を知らせることも“着替えをして気持ちよかったね!”といった感覚を言葉にしてあげることも小さな種まきです。できなくて困ったりする姿や自分でしようとする姿を、見守り励ますといった肥料も忘れません。また、その過程での気持ちに共感したり、言葉に表したり・・・。遊びの種まきは、もっと複雑です。遊びのイメージ、仲間とつながるためのコミュニケーション力、自分の気持ちを表すための表現力、がんばろうとする意欲などなど。さらに環境を整え、材料を考え、提示の方法も魅力的になるようにと工夫しています。

子供園では、子供たちが自分の力で生活を展開できるようになることを大切にしています。“子供たちがやってみたい”と思い、“自分でやろう!”とし、“楽しかった!”“できた!”“またやろう!”と感じることができるように、日々努めています。でも、手のかけ過ぎは禁物!野菜でも肥料をあげすぎて枯れてしまったり、葉っぱばかりが大きくて、実りが小さかったりします。必要な時に必要なだけ、ちょっと足りないくらいが、植物の本来持つ力を引き出すともいわれています。加減は難しいのですが、手間暇かけ、心を傾けた分、愛情も増し、ますますかわいくなること間違いなしです。

保護者の方と一緒に大きく育てていきましょう!
2013年5月
一緒にいると楽しい!! ---- 副園長 石床 美穂子
  ピカピカの新しいバッジを付けて、入園・進級を喜んでいた子供たちの新しい生活も、☆ほしグループは3週間、?おひさまグループは今日で、2週間が過ぎました。

おうちの人と離れて、寂しいと泣いたり、どうしたらよいか困って動けなかったりという姿もありますが、先生と一緒に遊ぶうちに、少しずつ気持ちがほぐれ、笑顔もみられるようになってきました。先生と友達との関わりや遊びを通して、子供園の楽しさを感じられるようになっていくと思います。

今年度、本園の教育目標として、次の3つを掲げています。
○ 遊びを楽しむ子供
◎ 人との関わりを楽しむ子供
○ 感じたり考えたりする子供
  (特に今年度は、人との関わりを大切に考えています。)

入園式や新しく迎える仲間(弟や妹たち)のことを、年長のきりん組の子供たちと話をしていた時のことです。「子供園、初めてだから、ドキドキしているかもしれないね。」「子供園は、楽しいよって教えてあげようよ。」「泣いていたら、大丈夫だよって言ってあげよう。」「一緒に遊んであげたらいいよ。」と次々と子供たちから考えがでてきました。
自分たちより小さい子に何とかしてあげたいという気持ちが感じられ、嬉しく思いました。子供園で一番のお兄さん、お姉さんという気持ちをもっているのですね。そして、その気持ちは、今まで自分たちが大きい組の子供たちに優しくしてもらった経験の中で、育ってきたものです。

先生と、友達と、違う年齢の子と、そして、家族と・・・いろいろな関わりの人との中で、嬉しい・楽しい・悲しい・寂しい・・でも一緒にいると楽しい!!という気持ちを感じられる体験や経験をたくさんしていかれるようにしたいですね。子供のありのままの姿を大切にしながら、関わりを楽しめるように努力してまいります。
2013年4月
春が来たんだ ---- 園長 五十嵐 美緒子
  園庭の桜が、春の風にはなびらを散らしています。花壇の花々も日に日に彩りを増してまいりました。
命が輝く春がやってきました。春が来たことを体全身で感じ、元気いっぱい園庭を走り回る園児たちの姿があちこちで見られるようになります。

 この3月、34名の園児を送り出しました。そして平成25年4月。うさぎ組18名、ぱんだ組は16名を加え33名、きりん組35名、全園児86名で新しい1年がスタートします。長時間保育の★ほしグループと短時間保育の?おひさまグループが3学年そろって2年目となり、いよいよ子供園の生活が充実してまいります。
また、新しい先生方もお迎えしました。副園長に石床美穂子(いしとこみほこ)先生。きりん組の担任としてもお勤めいただきます。もう一人きりん組担任に橋本道代(はしもとみちよ)先生。ぱんだ組担任に海老原咲子(えびはらさきこ)先生。うさぎ組担任に小川裕介(おがわゆうすけ)先生。そして午後の保育補助に田中理英子(たなかりえこ)先生です。新たなメンバ-を迎えた新生堀ノ内子供園です。そして私、この春より、大好きな堀ノ内子供園で、前任の寺井茂樹園長の後任として、園長を務めさせていただくこととなりました。あらためまして、五十嵐美緒子(いがらしみおこ)です。どうぞよろしくお願いいたします。
 平成24年度杉並区は、杉並区基本構想及び杉並区教育ビジョン2012を策定しました。それらをふまえ「就学前教育振興指針」が策定されました。生涯にわたる人間形成の基礎を培う大切なこの時期に、家庭、地域、子供園(幼稚園や保育園も含め)などが共に手を携え、力を合わせて、それぞれが主体的かつ積極的に役割を果たしていかなければならないと、指針には述べられています。

 堀ノ内子供園では、その役割を果たすため、平成25年度の教育課程で、次のように教育目標を設定し、一人一人の子供たちの就学前の大切な時が充実した日々となるように日々努めてまいります。
 基本的生活習慣を身に付け、心身ともに健康で、人間性豊かな幼児の育成を目標とする。
   ○ 遊びを楽しむ子供   
   ◎ 人との関わりを楽しむ子供(重点目標)
   ○ 感じたり考えたりする子供

♪春のかぜがぁ〜 ♪吹いてきたらぁ〜 と子供たちが歌う『春がきたんだ』の歌のように、子供も先生たちも春が来たことを 一緒に喜び、新たな芽生えを期待し、笑顔がいっぱいです。
本年も保護者の皆様と共に手を携え、互いに深い信頼関係を築き、温かな人間関係の中で、一人一人の子どもたちを心豊かに、そして元気に育てていきたいと願っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2013年3月
きりん組の修了に向かって ---- 園長   寺井 茂樹
 善福寺川の清い流れに水鳥が遊び、花開く春が待ち遠しいこの頃です。
 いよいよ、年長きりん組は、修了式まであと2週間ちょっとになりました。モルモットのお世話当番や誕生会の司会などを年中ぱんだ組に引き継いで、修了に向けての自覚が出てきたように感じます。
 2月の誕生会で見せてくれた合奏もこのクラスらしく力強く、演奏を楽しんでいたように思います。「友達と一緒に」歌う楽しさを感じて自信をつけてきた音楽活動や、のびのびと自分を表現していた堀ノ内劇場などを積み重ねてきたきりん組。小学校に入ってから、みんなの前で発表したり、歌を歌う機会があったときには、ドキドキする気持ちを克服して自己を発揮してくれると信じています。修了までもうちょっとです。がんばろう、きりん組!
 
きりん組だけではなく、本園のすべてのクラスでは、これまで、家庭と子供園とがコミュニケーションを図りながら、協力して子育てや教育をしてきています。また、保護者の方が手本を示しながら、丁寧に子供にかかわっているように感じます。小学校に入っても、家庭での教育が大切だということに変わりはありません。園や学校任せではなく、家庭での教育や子育てに家族が協力して当事者意識をもって取り組んでいくということが大事だと思います。

 さて、「村の祭りのために、村人がぶどう酒を少しずつ持ち寄って、大きな樽(たる)に集めていた。祭りは最高潮、樽から栓を抜いてぶどう酒を飲んでみると、なんと水だった。」というフランスの小話があります。日本でもよく引用される話ですが、「自分ひとりくらいなら大丈夫、と思って酒の代わりにこっそり水を持ってきたら、みんな同じことを考えていた。人間なんて所詮、そんなものさ!」フランスでは、そんな意味の笑い話のようです。しかし、日本で引用される際には、日本流の道徳的な解釈がついていることが多いようです。大勢の中の1人だからバレそうにないからといって、ズルをするとみんなが困ってしまう。一人一人が大事な役目を負っているのだ、というような意味です。叱られなければ悪いことをしてもいい、ということではなく、人が見ている、見ていないにかかわらず、自分で判断して善い行いができるようにと。

 子供園の子供たちは、大人が「静かにしなさい」などと声を張り上げなくても、自分で静かにできる子供たちになります。大人が見ているからではなく、その場の状況がわかって自分で行動できます。この力が、いつも受け身ではなく、当事者意識をもって自分で判断し行動する大人につながっていくのではないでしょうか。そして、自分で夢と未来を切り拓く「独立自尊」の精神につながっていきます。

  お父さんもお母さんも、子供たちの生きる力(の基礎)を育てるために、これからも
地域や学校や子供園と一緒にがんばっていきましょう!
  今年度の本園の活動にご理解とご協力いただき、ありがとうございました。
2013年2月
表現する楽しさ ----副 園長   五十嵐 美緒子
 区立子供園・幼稚園では毎月1回、6園の先生方が集まり研究会を行っています。小学校、中学校と共に行っている杉並教育研究会という会です。今年度、幼稚園・子供園部会では、「幼児理解部」と「表現部」の二つに分かれ研究をすすめてきました。「幼児理解部」では、子供たちの遊びや生活の様子を撮影したビデオを見ながら、一人一人の子供たちをていねいに読み取り、一人一人がいきいきと生活をすすめることができるように、指導の方法について、協議を進めています。「表現部」では、歌う活動を取り上げ、表現する楽しさを感じることができるようにするための指導方法について研究しています。
 
歌に限らず、話す、絵を描く、身体を動かすなど、子供たちは、感じたこと・考えたことを様々な方法で表しています。「チューリップの芽がでたよ」とうれしそうに友達に知らせるうさぎ組。その言葉にも表情にも走る姿にも、発見の喜びが表れています。 
雪の降った次の日、雪で基地を作るぱんだ組。雪の塊を両手で運ぶ姿にも、いくつも積み重ねて壁を作る様子にも、どんどん作るぞ!という気持ちや壁がすこしずつなっていく喜びが表れています。
大好きな歌をクラスの皆で声を合わせて歌うきりん組。歌詞のイメージも感じながら、身体全体で歌う姿には、仲間と声だけでなく、気持ちがつながっていることをしっかりと感じていることがその歌声や姿から感じられます。どれも子供たちなりの素直な表現です。困った時に涙が出てしまうことも、いやなことがあった時に怒ったり、喧嘩になったりすることも、心の中で何かが動きそれを表に現している姿です。

子供園の基本となる幼稚園教育要領と保育所保育指針では、園生活で身につけていくことが期待される姿を発達の側面から五つの領域―「健康」「環境」「人間関係」「言葉」「表現」―にまとめ、示しています。その中の、感性と表現に関する領域の「表現」には、『感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、想像性を豊かにする。』と示されています。

子供たちは、生活の中で、いろいろなことに出会い心を動かしています。それらの心の動きを子供なりの方法で表しています。その表現は、時にとてもわかりにくいこともあります。それでも、表現したことを、周囲の仲間や大人に受け止めてもらうことで、表現する喜びは増し、さらに表現したいという気持ちにつながります。こうした経験の積み重ねが感性や創造性を培っていくことにつながります。

子供たちは心の動きを、素敵な方法で表現しています。暮らしの中で、いくつ見つけ、いくつ共感できますか?共感できたと感じることができたら、成功です。今度はそのことをおうちの方も表現してみてください。発見や成功の喜びが伝わると、きっととっても嬉しいはずです。表現する楽しさは、子供も大人も同じです。
2013年1月
初春に初心を ---- 園長   寺井 茂樹
新年明けましておめでとうございます。

「初心」―(初春から連想したわけではありませんが、)昨年、iPS細胞の研究者である山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞した際に色紙に記した言葉です。
権威のある賞を受賞し、称賛されても「研究者を目指した最初の日に戻って、またやりたい」という謙虚な言葉に驚くとともに、その実直で前向きな気持ちには敬服するしかありません。

山中教授の「初心」には、一つの山を越えて、次を目指す出発点という意味があったように思いますが、通常は、「初心に帰る」必要があるのは、慣れきってしまって慢心してしまいそうな時です。慢心してしまうことの危険性は、車の運転を例に考えてみると実感しやすいと思います。長年慣れてしまったことや得意だと思っていることでも、時折、初心に帰ってみることも大事ではないでしょうか。

「慣れ」といえば、子どもが大きくなるに連れて、子育てにも慣れがでてくるようです。私は、最初の子供の子育てが始まったとき、子供がどうして泣いているのか分からず途方に暮れたことが何度もありました。経験のない中で、少しでも赤ちゃんの心の声を聞き、理解しようとあれやこれやと努力したことを思い出します。今、子供が育ち、わが子のことは大方分かるような気になっていても、やっぱり初心に帰り、子どもの繊細な心の動きを理解し、考えてあげなければ、と反省を込めて思います。そして、些細なことで怒ってしまいそうな時など、一番の初心である、子供に出会って最初に思った「産まれてきてくれて、ありがとう」という気持ちを思い出して、子どもの人格を大切にしてあげたいと思います。

子供園の子供たちは毎日が初心のようなものなので、まだ初心に帰ることは少ないでしょうが、大きくなってから、今抱いている夢や希望に帰ることがあるかもしれません。小学生になったらやりたいと思っていることや、将来の夢など、今の気持ちを大切にして、努力していってほしいですね。

 さて、堀ノ内子供園は、地域の皆さまや保護者の皆さまに支えられて、今年で4年目を迎えます。現状に慣れてしまうことなく、時に初心に帰り、子供園としての教育や保育の質を高め、地域の園としてより信頼を深められるように努力していきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2012年12月
幼児のつぶやきに耳を傾けよう ---- 園長   寺井 茂樹
「区歌」をご存知でしょうか。杉並区歌は、昭和57年に区制施行50周年を記念して作られました。杉並区のホームページでは歌手の橋幸夫さんが歌った区歌を聴くことができます。杉並区教育委員会は今年度の区制施行80周年を記念し、区歌の楽譜を新たに編曲し、区立学校等で普及を図っていきます。今後、区の催しや小中学校の行事などでお耳にする機会があると思いますので、区歌に注目して親しんでいただければと思います。

区歌の歌詞
(1番)
♪杉の木立にひめつばき   光りかがやく文化のまちよ
♪心ふれあう人がいる    笑顔を見かわす人がいる 
♪手を取りあって和を広げ  共に栄える杉並区


近年の社会では、インターネット上のツイッターやフェイスブックなどのコミュニティネットワークを活用した様々な「社会」が確立して、和(輪)が広がっています。
それでも、区歌にあるような、笑顔を交わして心がふれあう地域の関係・・・その濃淡には好みがあるでしょうが・・・困ったときに助け合うことができる関係、子育てや家庭のことについて相談したり共有したりできる関係もある方が望ましいのではないでしょうか。子育てが思いどおりにいかずにイライラしてしまう・・・こんな気持ちは、決して特別なことではありません。子育てに悩んでいるような時は、親族の他にも地域の中、子供園や学校の保護者同士などで共有し相談できると良いですし、子供園の保育者に相談することも良いと思います。また、杉並区の「子ども家庭支援センター」の「ゆうライン」という専用窓口に相談するという方法もあります。

子ども家庭支援センター
《所在地》〒166-0004 阿佐谷南1丁目14番8号 電話03-5929-1902
◎相談専用窓口『ゆうライン』03-5929-1901

さて、先日私は八国山緑地という都立公園へ散歩に行きました。映画「となりのトトロ」の七国山のモデルになった森は、コナラやケヤキなどの豊かな木々を中心とした武蔵野の明るい雑木林です。森に入るとすぐに、トトロがばら撒いた大量のどんぐりを発見しました。約2kmの歩きやすい尾根道は、幼児を連れた散歩や猫バスの路線に丁度よく、遊具などは何もありませんが、子供ならワクワクしながら、冒険を楽しむことでしょう。このような自然の中で、しばらくツイッターやフェイスブックは忘れて、ゆるく、やわらかな心で、子供の小さなつぶやきに耳を傾けてあげたい、と感じました。話を聞いてもらう喜びが伝える意欲をはぐくみ、森の中での様々な感動からイキイキとした言葉が生まれます。家庭、地域、子供園で、子供たちの心に響く豊かな体験を積ませてあげたいですね。そして、幼児のつぶやきに耳を傾け、会話を楽しみましょう。
さあ、いよいよ堀ノ内劇場(4歳児、5歳児)や学期末に向けて活動を充実させていく12月です。今月も本園の活動にご理解とご協力をお願いいたします。

※八国山緑地は西武線の西武園駅から徒歩2分。国分寺駅で乗換えると、永福町からは約1時間、方南町からは1時間ちょっとです。
2012年11月
秋の夜長に・・・ ---- 副園長  五十嵐 美緒子
 スポーツの秋。運動会を終えると、いよいよ秋も深まり、芸術の秋、読書の秋にぴったりの季節になりますね。

 子供たちは、絵本が大好きです。毎日、先生に絵本を読んでもらうのを楽しみにしています。クラスの本棚の本を手にして見たり、絵本コーナーで友達と一緒にみあったりする姿もよく見られます。毎週の絵本の貸出も楽しみにしていて、お気に入りの本を繰り返し持ち帰る子もいます。

「絵本を読んで何になるの?」「何の本を読んだらいいかわからない」「うまく読めない」そんな疑問や不安をおもちの方もいらっしゃるかもしれません。でも、心配はいりません。大好きなお母さんやお父さんの声、ぬくもり、笑顔などに包まれているだけで、お子さんは幸せをからだ全体で感じることができるでしょう。

絵本の読み聞かせを大切にしましょう。
? 自己肯定感を育む⇒親子の絆が深まるのはもちろんですが、安心できる人のそばで、心地よい声で話しかけてもらうことで、自己肯定感や自己信頼感が育ちます。
? 想像力を育てる⇒絵本の中で繰り広げられるお話の世界に入ることで、想像力が育ちます。想像力が育つことで、これから先に起こることを予測したり、イメージを広げて遊ぶことができるようになります。
? 感性を育てる⇒登場人物の喜怒哀楽といった心の変化を感じとり、共感することで、
子供自身の心情が育ちます。また、相手の気持ちを感じ取ったり、思いやりの気持ちを育むことにもつながります。
? 本が好きになります⇒いろいろな絵本に親しみ、なじんでいくことで、本への抵抗感もなくなり、本が好きな子になります。
? 言葉の世界が広がる⇒絵本の中の美しい日本語の響きやリズミカルな表現にふれるなど、言葉を知る、語彙を増やすといった面だけでなく、豊かな言葉の世界を広げます。
 
 その他にも、いろいろなことが絵本の世界を通して体験することができます。

読み聞かせに特に決まった方法はありません。まずは、一緒に楽しむことをお勧めします。大切なのは、お話の楽しさや物語の優しさ、感動といったものを一緒に感じることです。その繰り返しから、知識や教養を身につけていきます。子供に無理に読み聞かせをすると、本嫌いになるおそれもあります。もともと絵本が大好きな子供たちです。興味を持つまで気長に待ちましょう。絵を楽しみながら、子どもが言葉を聞き取ることができるくらいのゆっくりとしたスピードで読みましょう。肩の力をぬいて「また明日」、そんな気軽さで続けていきましょう。
2012年10月
つなげよう、未来へ ---- 園長  寺井 茂樹
 ようやく涼しくなって来ました。様々な活動に適した秋が子供たちの「充実の季節」となるよう、子供園では力を入れて取り組んでいきます。
大人たちの心では、オリンピックとパラリンピック(以下、オリンピックとします。)は過ぎ去った夏の出来事かもしれませんが、子供たちの心には、生まれて初めての夏のオリンピックがまだ残っているのかもしれません。その余韻を生かして、運動会の準備をすすめています。運動会では、様々な競技や演技の中で力を出し切り、友達と一緒にがんばる取り組みです。是非、保護者の皆様、地域の皆様もご参加いただき、ご声援をお願いします。子供たちは当日まで、ミニ運動会を繰り返し、幼児期の階段を一段ずつ上って、大きくなっていきます。ご期待ください。
さて、今年の10月1日、杉並区ができてから80年を迎えます。キャッチフレーズは「80年の歩み つなげよう、未来へ」です。式典は10月1日に挙行されますが、お子さんを連れて行くなら、10月13日(土)14日(日)に開催される「杉並区80周年まつり」をおすすめします。桃井原っぱ公園(桃井3丁目)という大きな公園を会場にして、子供向けの企画も多数行われますので、お子さん連れで杉並区の80歳の誕生会に出かけられてみては、いかがでしょうか。(催しの詳細は杉並区のホームページ等をご覧ください。)大宮小学校の135周年と比べるとまだ若い杉並区ですが、それでも80年の道のりは、短くはありません。園の子供たちには、まだ難しいですが、地域に親しむ経験を積み重ねることで、大きくなってから、先人に感謝し、その歩みを未来につなげる、そのような気持ちが湧いてくるといいですね。
地域といえば、東京都では平成25年度に国民体育大会(国体)が開催されます。そのキャンペーンということで、9月21日、東京国体のマスコットである「ゆりーと」が子供園に来てくれました。ペンギンみたいで丸い顔をしたゆりーとは都の鳥であるユリカモメがモデルです。一緒に体操したり、写真を撮ったりすると、うさぎ組もぱんだ組もきりん組も、みんな「かわいい!」と大喜びでした。まだ幼い子供たちが、この秋の充実した活動でどのように成長していくか、楽しみにしています。
この秋の子供園の活動にご理解とご協力をお願いいたします。
2012年9月
いざ、済美山運動場へ ---- 園長   寺井 茂樹
昼間は蝉たちがにぎやかに盛り上がっていますが、暦は9月になりました。転入する新しい仲間を含め、「おひさまグループ」と「ほしグループ」が、そろって2学期がスタートします。
夏の間、子供たちは大人とたっぷり関わったり、自然に触れたりすることが多かったと思います。子供たちは、様々なことに気付き、自分の世界を広げたことでしょう。保護者の方は、短い期間にどんどん成長していく子供の姿をたのもしく感じたでしょうか。あるいは、長い時間子供と一緒にいて、わんぱくぶりなどに少し手を焼いたこともあったかもしれません。子供たちは夏を越えることで、内面も外面も大きくなり、2学期はさらに充実した活動ができることでしょう。(・・・と期待しています。)10月の運動会が楽しみですね。
さて、夏に海や山、川などに出かけた方も多いと思います。そのような自然は大人にとっても重要なものですが、幼児にとっての意味は特に大きく、自然と触れることで、豊かな感情や好奇心や思考力などたくさんの力の基礎が培われます。四季折々の自然の中でたくさん遊んで様々な体験をして欲しいと思います。
ところで、堀ノ内子供園の周辺では、9月30日(日)に「済美山運動場」(堀ノ内1丁目・旧みずほ銀行グランド跡地)が開園します。(開園日には、地域の運動会があります。)都立和田堀公園の一部として、一般に広く開放されるということなので、子供と体を動かして遊んだり、花や木々と親しんだりと、家族等の憩いの場となるのではないでしょうか。幼児が遊べる場所もできるようなので、クラスの先生たちは、子供たちと散歩に行くことを楽しみにしています。
子供のいる家庭にとって、広い公園は大きな味方です。学校、保育園、児童館など教育・子育て施設の多いこの地域に、一つの大きな魅力が加わります。本園は、このような恵まれた環境を生かして、保護者や地域の皆様の期待にしっかりと応えて行きたいと思います。2学期もどうぞよろしくお願いいたします。
2012年8月
早寝 早起き 朝ごはん…副園長  五十嵐 美緒子
 5月の園だよりで、「生活習慣は、一人の自立した人間として生活していくために、いつでも当たり前にできるようになることが必要です。」と書きました。
 8月号も生活習慣の話の続きです。先日、保育の研修会で、「子供の睡眠と生活」について、和洋女子大学教授 鈴木みゆき先生のお話を伺いました。
 その中で、早寝早起きの科学的根拠について、分かりやすく解説してくださいました。以下は、その研修会で、先生からも、ぜひ保護者の皆さんに伝えてください、といわれたお話です。

 睡眠には、ノンレム睡眠(夢を見ない深い睡眠)と、レム睡眠(夢を見る浅い睡眠)があります。ノンレム睡眠の最も深い睡眠時に“成長ホルモン”が多く分泌されます。特に、深夜0時以前のノンレム睡眠時に分泌量が最大になることも明らかにされています。この時に、記憶が定着します。成長ホルモンは骨を伸ばし、筋肉を増やし、傷んだ組織を修復します。眠っている間に分泌されるので、眠らないと子どもは大きくなれません。ですから、幼い子ほど早寝早起きをして、睡眠時間を多く取る必要があります。
 幼児期の子供の睡眠は、起きている時の活発な活動と深い関係があり、活発な活動が、質のよい睡眠を促し、さらにまたその睡眠が次の日の活力を生むことになります。しっかりと遊び込み、楽しい経験をかさねることで、脳の育ちが促されます。
人の脳は、はじめに“脳幹”から作られます。ここは「生きるため」の脳です。建物にたとえると1階にあたります。睡眠や食欲、呼吸や心肺機能といった、生きていくために欠くことができない機能を司っています。次の段階で、2階の脳、“大脳辺縁系”が育ちます。ここは「感じる」脳です。感情や古い記憶を司っています。最後に“大脳皮質”新しい記憶や思考する力を司る脳=「考える」脳が発達します。
生活のリズムを整え、建物の1階=土台をしっかりと作りましょう。きちんと眠ることができなければ、脳は育たず、2階部分の優しい心や3階の賢い頭は育てることができません。
そして、朝ごはんは、眠っている間に腹ペコになった脳のごちそうです。脳のゴールデンタイムは、午前中ですから、その時間にしっかり遊び込むことが脳の発達をさらに促します。そのためにもしっかりと朝ごはんを食べ、体温を上げて元気に遊びましょう。

お子さんは、何時に寝ていますか?寝るための部屋の中はどんな様子ですか?
幼児期の子供ではだいたい午後8時頃に眠り、翌朝園に向かう最低1時間前には起きたいものですね。起こさずに目覚めるのが理想です。「うーん。難しい!」という声が聞こえてきます。「日本ほど、幼児の睡眠時間の短い国は世界に類を見ない」そうですよ。
2012年7月
興味をもって知りたがる ---- 園長  寺井 茂樹
 中は蒸し暑く雨の多い日が続きますが、夜はまだ涼しいこともありますので、寝冷えなどにお気をつけください。
さて、梅雨が明ければいよいよ夏の到来です。家族でお出かけになるご家庭も多いと思います。ついつい、たくさん出かけたくなりますが、子供にはお出かけの余韻が大切なようです。子供園では行事などの後は、その経験の余韻を生かした遊びをしたり、次の活動につながるようにしたりしています。例えば、遠足に行けば、子供の心に余韻が残るうちに、その経験を絵や工作、歌、ごっこ遊びなどに繋げていきます。一つ一つの活動が心に鮮やかに映り、その余韻が残っているから、次の活動につながっていきます。
水面に落とした水滴が作る波紋が広がっていくように、充実した体験が子供の心にもたらす影響は、決してその場限りのものではなく、どんどんと広がっていきます。ところがその波紋が消えないうちに次の水滴が落ちて波紋を作ると、前の波紋と打ち消しあってしまい、前の体験も次の体験も心に残るものが少なくなってしまうか、あるいは混じりあってしまいます。お父さんたちは(私もそうですが)、連休があると連日子供を連れて遊びまくってしまいがちですが、大きな体験は、ちょっと間隔を置くことで、一つ一つが後に生きてくるようです。
幼児のうちは遠出しなくても、近くの公園やプールなどで十分に遊びを楽しむことができますから、この夏に一つは「夏の思い出」を作ってあげたいですね。

話は変わりますが、今年の3月に「杉並区教育ビジョン2012」が策定されました。(区のホームページから見られます。)「共に学び共に支え共に創る杉並の教育」が杉並区の目指す教育であり、目指す人間像として次の2つを掲げています。

○夢に向かい、志をもって、自らの道を拓く人
○「かかわり」を大切にし、地域・社会・自然と共に生きる人

 立派な人間像ですが、そこに至るまでには、自信をもてずに志が折れてしまうことや、人とうまくかかわれずに自分の殻に閉じこもりたくなることなどは、普通にあることです。きっと何度も失敗して、そこから学んでいくことで、段々とこのような大人になっていくのでしょう。このような大人の姿を目指して、家庭と地域と園などが連携・協力して、幼児として育むべき力を培っていきましょう。子供園の子どもたちも、できないことがあって失敗しても、そこから学んでいけばよいと思います。

 今月も園の活動にご理解とご協力をお願いいたします。
2012年6月
体を動かして楽しむこと---- 園長  寺井 茂樹
 日頃から、園の行事にご協力をいただき、ありがとうございます。

 風が気持ちよい、出かけたくなるような暖かい日が多くなりました。そんな気候の中、先日、年長のきりん組は電車遠足で井の頭公園にでかけました。井の頭公園駅から木々の中を池の端の道を歩き、象の花子さんがいる自然文化園まで歩きました。動物を見たり、「新幹線」に乗ったりと、広い公園をたくさん歩き回りました。いつもよりたくさん歩いたり、遊んだりした子供たち。さすがに、帰りは疲れた様子の子や眠くなった子もいたようです。つまづいて転んでしまったり、道々で虫を捕まえようとしたりと、ある意味「珍道中」でしたが、それでも「きりん組は結構、体力があるな」とうれしくなりました。幼児のころから体を激しく鍛える必要はないと思いますが、体を思いっきり動かすことの気持ちよさを体験して、運動することを好きになってほしいと思います。

 また、5月には餅(もち)つきをしました。家庭用のお餅製造機で簡単にお餅ができる時代ですが、わざわざ杵(きね)と臼(うす)で餅をつくことに大きな意味があります。伝統的な行事を伝統的な様式で楽しんで体験することは、子供たちにとってとても貴重な体験です。子供園の行事には、それぞれの行事のねらいの他に、できるだけ良質の体験を楽しみながらさせたい、そういった保育者一人一人の思いが込められています。ですが、ご家庭でもどうぞ、杵でお餅をついてください、などと気軽には言えません。餅つきの準備はとても大変です!子供園でも児童館の先生やボランティアのご協力をいただきながら、なんとか形になっている状況です。ご家庭でもお子さんと一緒に、様々な体験を出来る範囲で、無理せずに楽しんでみてはいかがでしょうか。

4月からまだ2か月ですが、新しく園の仲間になった子供たちは、どんどん大きくなって、できることが段々と増えていっています。子供の様子をきめ細かく見て、ご家庭でも過保護・過干渉にならないように、自分でできることを増やしていっていただければと思います。

今月も園の活動にご理解ご協力をお願いいたします。
2012年5月
大人も子供もご一緒に----副園長 五十嵐 美緒子
 入園式から、二週間たちました。☆ほしグループのお子さんは、3週間が過ぎました。登園して先生とおはようのあいさつをしたあと、自分からとかばんをロッカーに置き、コップやタオルを自分で出し、支度をしています。まだ、「やって」と先生に差し出す子。ぽいと置く子。背負ったまま遊び始める子もいます。何もかも自分でする生活が始まったのです。

 年長のきりん組は、遊びや手伝い、歓迎会などで、ぱんだ組、うさぎ組とのかかわりで、できなかったり、分からなかったりする子の存在に戸惑いながら、自分はできている、分かっているということに気付き大きくなったことを感じているようです。身に付いている生活習慣が、年齢や経験で随分違うと実感する時期でもあります。

 生活習慣は、一人の自立した人間として生活していくために、いつでも当たり前にできるようになることが必要です。そのことにより生活が広がり豊かになり、園生活でそして社会生活で、みんなが気持ちよく生活していくことができるようになる基本のことです。習慣になっていく過程では、できることが増えていく喜びと意欲の育ちがあり、自分への自信につながっていきます。家庭においてはしつけ、園においては指導が重要になります。しつけというと、ともすると厳しく言葉で何回も注意しがちです。大人がモデルを示すこと、子どもが自分からやってみようと思える方法を考えてみるなど、子どもなりに必要感や納得いくしつけ方ができるようにすることが大切です。できたときは共に喜び、認めてあげることです。子どもと身近に生活を共にする私たち保育者や家族などの大人は、自身の生活ぶりを振り返り、幼児が見て学ぶことのできる生活をしていかなくては、ならないと考えます。

さっそく明日の「おはようございます」から親子でご一緒に。
2012年4月
ご入園、ご進級おめでとうございます ---- 園長  寺井 茂樹
ご入園、ご進級おめでとうございます。

 子供たちは新年度が始まるのを楽しみしていたことと思います。新しく入園した子供たちは、園での生活は初めてのことばかりで、戸惑うことが多いと思いますが、あせらずに子供たちの気持ちを感じながら少しずつ慣れてくれればいいと思います。そのうちに、子供園は先生や友達と遊べる楽しいところだと感じて、園が大好きになってくれるでしょう。
 進級した子供たちは、あこがれていた大きな組になったことを感じて、はりきって頑張ってくれると思います。こちらも頑張りすぎず、一歩一歩の歩みを確かめながら進んでいきたいと思います。

堀ノ内子供園の教育目標は、「心身ともに健康で、人間性豊かな幼児を育成する」ことであり、具体像として次の3つの姿をめざしています。

◎遊びを楽しむ子供 
○人とのかかわりを楽しむ子供 
○感じたり考えたりする子供

 ◎がついているように、まずは子供にとっての重要な学びである「遊び」を楽しむことが大切だと考えています。また「感じたり考えたり」という言葉には、目的語がありませんが、例えば、友達の気持ちが感じられるようになったり、どうしてだろうと考えたり、遊びの中で、自分で考えて工夫ができるようになるなど、豊かな人間性につながっていく子供の姿を表しています。入園してすぐこの3つができるようになるわけではなく、子供たち一人ひとりの育ちを把握しながら、急がずに一歩一歩を大切にしながら経験を積み重ねていきます。

 とはいえ、園だけで子供が育つわけではありません。幼児の教育は家庭教育が一番大切とされています。ご家庭の状況は様々ですが、家庭での教えや、親が立派な背中を見せることで子供は学び育っていきます。「最近の若者は・・・」という前に、家庭と地域と子供園とが手を取り合って、目の前の子供たちを手を抜かずに、しっかりと育てていきましょう。それはとても楽しくやりがいのあることだと思います。

 本年度も本園の活動に皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。




杉並区立堀ノ内子供園
〒168-0071 東京都杉並区堀ノ内1-9-26 電話:03-3313-3437/FAX:03-3313-3490


このページは、以下で最適化してあります。
「InternetExploler6(for Windows) 800×600 文字サイズ中」


copyright © 杉並区立堀ノ内子供園 2010