中学部卒業式 学園長式辞

神田川沿いの桜もいつもより早く、開花の時を迎え、春の息吹が和泉の街全体に満ち溢れる中、本日ここに中学部の全課程を修了し、晴れの日を迎えた六十五名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

また、常に温かい愛情をもってお子様をここまで育ててこられた保護者の皆様、立派に成長されたお子様の姿に、あらためて喜びをかみしめておられることと存じます。心よりお祝い申し上げます。

さて、卒業生の皆さん、私は、三年前の四月、皆さんが中学部に入学することを祝う式「入学式」の中で、皆さんに「小中一貫教育校である本学園において、小学部の児童や中学部の後輩から、先輩は『やっぱりすごい。』と信頼され、尊敬される人に成長してもらいたい。」というお願いをしました。今、壇上から皆さんを見ていると正にその実現された若者の姿がここにあり、心から感動しています。

三年間、しっかりと学び、仲間とともに、喜びを分かち合う行事や失敗・つまずきを克服する経験などを通して、よりたくましく、より豊かな心を獲得したのだと思います。

心身ともに大きく成長した皆さんの門出に当たり、シドニーオリンピック・パラリンピック競技大会の女子マラソン競技に出場し、金メダルを獲得した 高橋 尚子(たかはし なおこ)さんの「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。」という言葉を送ります。

今から三週間前の二月二十八日金曜日、皆さんに全校放送で新型コロナウィルス感染症が広がらぬよう、卒業式まで学園を休校とする事をお伝えしました。つまり皆さんの残りの学園生活を閉ざしてしまいました。同じ頃、この卒業式も下級生を同席させたり、式歌を歌ったりすることのない、規模を縮小したものとする事をお知らせいたしました。きっと全員が、悲しく、やり場のない思いをされたのだと思います。

皆さんは義務教育修了のこの式だけではなく、九年前、義務教育の始まりの日である新泉小学校、和泉小学校、それぞれの「入学式」でも、東日本大震災の被災地を気遣い、紅白幕のない自粛モードの会場で式が挙行されました。つまり、自分の人生の節目の時に、二度までも、国の安全・安心を揺るがす重大事態に見舞われ、残念な思い、悲しい思いをすることになってしまいました。

皆さんの長い人生においては、この二度だけではなく、努力したのになかなか成果が出ず悲しくなってしまったり、今回のように我慢を強いられる辛い時を過ごさなければならなかったりする事が何度か訪れることと思います。

そのような時にこそ、高橋尚子(たかはし なおこ)さんの「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。」という言葉を思いだし、悲しい出来事、辛い経験などが、土の中でしっかり根を伸ばし、大きな花を咲かせる準備、つまり、夢を実現するための底力を蓄えている時であると考え、その時を力強く乗り越えていっていただきたいと思います。皆さんには乗り越えるために必要な「クリエイト」「コミュニケイト」「チャレンジ」という三つのCのつく底力・学園魂が、三年間、中学部で学ぶ中で、しっかりと身に付いています。大丈夫、自信をもってください。

結びになりますが、本日、ご参列いただきました保護者の皆様、小学部から数えて五年間にわたり、皆様のかけがえのないお子様をお預かりして、我々教職員一同、精一杯、愛情を注ぎ、教育に当たってまいりました。中には至らぬ点あったかとも存じますが本学園の教育に対して温かいご理解とお力添えをいただきましたことに、心より感謝申し上げます。合わせて、今回、このような形で卒業式をしなければならなかったことをお詫び申し上げます。

それでは、卒業生の限りない前途を祝して本日の式辞といたします。

令和二年三月十九日

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