令和4年度 園だより

5月 自分でできることの喜び   副園長 原 麻弓

 つい先日の水曜日、年長ぞう組の食後の様子を見ていました。ぞう組では、弁当箱をバンダナのような大きな布で包むことに挑戦し始めています。

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 片付けがなかなか進まずにいるAさん。何かに困っているのか
な、と近くで様子を見ていると、バンダナ包みに苦戦しているようでした。
 しばらくすると、私のところに弁当箱と食具入れの容器、包むための布を持ってきて、「包めないの。」と言いました。そこで、バンダナ包みの合言葉を伝えながらやってみせると、Aさんは「おぉ!」と言ってにっこりしました。私は、自分で結んだ布をほどいて、一緒にやってみることを提案しました。Aさんは、「こう?こうかなぁ?」と度々聞きながら、合言葉を口ずさみ、自分の手でバンダナ包みを成功させました。「やった!できた!!」と共に喜び、これで弁当の片付けが終わって、Aさんも遊べるぞ、と思い、一安心しました。
 ところがAさんは、せっかくできた結び目を自分でほどき、「もう1回やってみる!」と言っては、何度も何度もバンダナ包みを繰り返していました。(ついに、降園前の集まる時間のギリギリまで…)

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 自分でできることの喜び、できなかったことができるようになることの喜びを、そのような姿で見せてくれたAさんに、私はとてもうれしい気持ちになりました。合言葉を忘れないようにと私がかいた紙を、自分のロッカーの引き出しにきちんとしまっていることを担任から聞き、さらにうれしくなりました。
 「小さいから無理でしょ?」「まだ、できないのでは?」と大人が思っていれば、子どもたちの「やってみたい」気持ちや「できる」経験を、減らしたりなくしたりしてしまうかもしれません。子どもたちが、今どんな「できる」を求めているのかを見極めながら、子供園では、様々な遊びと生活の中で、子どもたち一人ひとりの「できた」という経験を重ね、自信につなげていくようにしています。
 くま組では、少し手を加えるだけでできる望遠鏡作りを楽しんでいます。“自分で作れる”“友達や先生と同じ”望遠鏡は、自分の好きな色の画用紙を巻き付けたり、好きな色のリボンを選んで付けたり、カラーシールで模様を付けたりできるようになっています。 
 うさぎ組では、靴箱、ロッカー、ハンガーの場所が“自分で分かって、自分でしようとする”ことを大切にしています。やってみようとする姿を十分に認め、生活の一つ一つにおいて、安心と自信がもてるよう職員が関わっています。

(バンダナ包みができるようになる合言葉、ぜひお尋ねください!!)

4月 みんなのしあわせを創る 園長 五十嵐 美緒子

 神田川沿いの桜が満開となり、園庭のまめ桜もきれいに咲いています。木々の芽吹きが日ごとに彩りを増し、子どもたちは、春が来たことを体全身で感じ、心が弾み、一つ大きくなった喜びに満ちていることと思います。
 コロナウイルス対応がいまだに続き、皆様には多くのご心配をおかけしております。この2年余り、多くのご理解と様々なご協力を頂き、ありがとうございました。

 令和4年4月からの下高井戸子供園は、3歳児うさぎ組23名、4歳児くま組23名、5歳児ぞう組28名です。今年度は、職員体制が変更となり、園長 副園長 担任の幼稚園教諭4名、担任補佐として子供園保育職5名、介助員4名、保育補助そして朝夕等に5名 栄養士 看護師 調理師3名 用務3名。併せて28名での運営となります。子どもたちのしあわせを創るために、より一層努めてまいります。よろしくお願いいたします。

 下高井戸子供園の教育目標は以下の通りです。
「人権尊重の精神に基づき、多様な生活経験を通して互いを尊重する心や、規範意識の芽生えと豊かな感性を育み、生きる力の基礎を培うため、次の幼児像を掲げて教育を推進してまいります。」

【教育目標】
〇自分で考えて行動する子
○自分も人も大切にする子
○心身ともに健やかな子
 
 遊びは学びです。遊びの中でたくさんのことや人やモノと出会い、ドキドキわくわくしながらいろいろなことを見つけたり、楽しんだりすることができます。そのことがまさに学びです。 
 遊びを楽しむことで、やった!おもしろい!もっとやりたい!と感じることができるようになれば、自信がわき、自ずと自分が好きになり、自分を大切にできる人になります。そんな生活を楽しめるようになれば、その子は自分でいろいろと考えて暮らすことを楽しむことができるようになります。
 自分が好きな子は、自分を大切にします。そして、自分を大切にできる子は、人も大切にすることができます。楽しい暮らし、やりがいのある生活は心と体の健康には欠かせません。こうしたことの繰り返し、積み重ねが育ちに繋がります。そのためにも、自分が好きと言える人になってほしいと願っています。共にちがいを認め合い、それを分かち合い、共に暮らすことを目指していきます。
  
 下高井戸子供園の教育目標は、こんな姿を目指しています
新しい年度を迎え新たな気持ちで、子どもたちのすこやかな育ちとしあわせを創るために取り組んでまいります。保護者の皆様、地域の皆様との絆を一層確かなものとし、共に進んでいくことができますよう、あらためてお願い申し上げます。

 杉並区の新しい教育ビジョン2022の「みんなのしあわせを創る杉並の教育」の実現を目指し、下高井戸子供園では、“私もしあわせ、あなたもしあわせ、みんなしあわせ”・・・そうした暮らしを創っていきます。



参考文書: 

資料リンク: