学校紹介

  

平成23年度学校便り

わたしたちの国 ニッポン

校長 三上はるひ

子曰く、学びて時に之を習う、また説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)有り、遠方(えんぽう)より来る、また楽しからずや。」
2年生が朗々と、この論語の一節を校長室で暗唱しています。2年生の「言葉の教育」の6月の課題だからです。
7月には、1学期に学習した「言葉の教育」の中からお気に入りのものを校長室で暗唱する、という取り組みをしました。ちゃんと暗唱できたら、校長室前に貼ってある「言葉の野原」にキラキラシールを貼ることができます。子どもたちは、はりきって取り組んで、100以上のシールが貼られました。
この論語の詠っている「学問に対する喜び」を、2年生の子供たちがどれだけ理解できるの?という疑問がわきますが、新学習指導要領に新設された小学校での伝統的な言語文化の学習は、中学校の古典や漢文の学習とは全く異なります。古典にふれることによって、私たちの今使っている言語が長い日本の歴史の中で育まれてきた文化であると感じることや、昔の人の考え方にふれながら古典を楽しむ素地づくりをしていくことが大切なことになります。ですから、まず音の違いを感じ、古典を音やリズムで楽しむことが大切で、中学校のように遂語的な訳をするのではなく、全体の意味を感じ取れればいいのです。
一昨年の学芸会で5年生が「じゅげむ」を
演じた時、学校中の子が、意味はわからないけれど「♪じゅげむじゅげむ ごこうのすりきれ〜♪」とみんな覚えてしまっていました。そんな風に古典を楽しめればいいのだと思
います。
 そこで、今年の9月17日(土)の音楽集会では、「音楽」と「古典の音(おん)」を楽しむ会を予定しています。震災後、高く評価された日本の国民性を育んできた日本文化に目をやり、震災の復興を共にがんばろうという思いを新たに「わたしたちの国 ニッポン」というテーマで取り組みます。杉八自慢の歌声と、古典の音(おん)がうまくコラボするでしょうか。是非お越しください。
 本年度杉並第八小学校は杉並区から「『言葉の教育』研究推進校」の指定を受け、伝統的言語文化を継承する子を育てるべく研究を重ねています。9月には昔話集会を行ったり、落語家の方にも登場していただく「江戸しぐさ」の授業を行ったり、たくさん日本の古典に触れてもらおうと思っています。12月には全区に向けて公開授業も行います。ご家庭でもぜひ、美しい日本語の環境作りにご尽力ください。


地域の力を活かした学校教育の推進

副校長 小長谷 典敬
杉並区の井出隆安教育長は、会合で、「今や学校教育は、教員だけで行うのではなく、地域の人や地域の教育財産を大いに活用して、子どもたちの力を更に引き上げるのである。」というお話をされました。確かに、教員だけの力で、これ以上の教育力を高めるのには限度があります。そのためにも、本校でも多くの方のお力をお借りして、様々な教育活動に取り組んでおりますので、以下に紹介します。
 1・2年生は、岩手県雫石町から、農協の職員の方に来校していただき、サツマイモやトマトの栽培についてご指導をいただきました。また、愛媛県八幡浜市から、地域農業室の方に来ていただき、みかんの栽培などについてご指導いただく予定です。
3年生は、社会科見学で、区内の農家の方のお宅を訪問させていただき、農作物の種類や栽培方法を学びました。これからの社会科の授業では、高円寺商店街のお店の方をゲストティチャ―としてお招きし、お店ではどんな工夫をされているかのお話を伺います。
4年生は、東京ガスの方をお招きして、環境教育の出前授業を行いました。また、総合的な学習の時間として、電化製品をつくる会社の方をお招きして、ソーラーパネルを使った体験的な授業を行いました。
5年生は、建築学会(東大、横国大、早大、千葉工大の先生や学生)の方から、環境教育の指導・支援をしていただきました。牛乳魚(風向・風力計測器)を作成して、学校の建物の中の窓の開閉による風の通りを調べることで、快適に暮らせることを学びました。また、社会科の農業の学習で、先の雫石町の方から稲作についてご指導をいただきました。工業の学習として、学区域にある自動車販売店へ伺い、お店の方から、自動車づくりについて学ぶことができました。
6年生は、キャリア教育の一環として、東京大学を訪問して、大学は小学校と比べてどのようなところなのか、大学の「研究職」は、どのような仕事をしているのかを学んできました。また、環境教育では、建築学会の方から、日本の森林資源の現状と対策について、小学校としては高度な内容をわかりやすく教えていただく予定です。
また、身近なところでも、PTAの方々や学校支援本部の方々による広報誌の発行や環境美化、防犯パトロール、自転車安全教室の実施、毎週金曜日には、保護者の方による本の読み聞かせなどをしていただいています。「親&児の会」の方々は、子どもキャンプ村、ペットボトルロケット、ヤゴの飼育などで子どもたちを大変喜ばせてくれています。生花教室や箏教室も外部の方が講師をしてくださり、好評で充実しています。早朝にはサッカークラブが、土曜、日曜は少年野球に地域の方が指導してくださっています。
 このように、現在の本校は、大変多くの方々のお力で、教育活動が成り立っております。
 本校の児童は「一人一人がたからもの」です。児童の健全な成長と育成を図るために、今後とも皆様のお力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
 
杉並区学力調査の結果と今後の取り組みについて



参考文書: 杉並区学力調査の結果