学校紹介

  

平成24年度学校便り

学校便り3月号

地域のコミュニティの核に


 私の友人が、以前雑談の中で、「ヨーロッパの国々は、町の中心に教会がある。日本は町の中心に学校がある。・・・」と話していたことがありました。その頃、私はその言葉に興味がありませんでしたが、確かに、杉八小学校は、住宅地の真ん中にありますし、私の母校である堀之内小学校も地域の真ん中に位置しています。正に、町の中心に学校があり、学校に向かって子どもたちは登校してきます。選挙の時は、学校の体育館が投票会場となり、地域の方が投票にでかけてきてくれます。また、休みの日になると、学校の校庭や体育館が解放され、学校が地域の子どもたちや大人の集まりで賑わっています。現在、学校は地域住民の震災等の避難所の役割も担っています。日本の学校は地域の文化施設として、学習や社会教育などのコミュニティの中核を成しています。友人のさりげなく放った言葉に「全くその通りになっている。」と、改めて先の言葉に感心していました。
 本校は、今年度創立80周年を迎え、タイムカプセルを掘り起こしや運動会や記念式典などの記念事業を実施してきました。30年前に埋めたタイムカプセルを掘り出した際には、150名ぐらいの卒業生が集い、ガラス瓶に保管された宝物を手にするとともに、再会を喜び合いました。運動会では、高円寺中学校の生徒が阿波踊りを一緒に踊ってくれました80周年記念式典・祝賀会では、本校の卒業生が「連」を作ってアトラクションとして阿波踊りを披露してくれました。高円寺駅の開業90周年記念フェスティバルでは、本校の音楽教室の子どもたちが金管バンドで演奏し、駅の掲示板には、図工の時間に描いた絵画を、年間を通して展示させていただいています。学校が地域的に町の中心にあるとともに、地域コミュニティの中核を成している感じがしました。
 今年は、28名の6年生が卒業していきます。6年生は、全員キャリア教育の一環として、高円寺の商店街でお店のお仕事を経験させていただきました。地元の商店街の方々から、学校の中では学ぶことができない貴重な体験をさせてもらうことができました。
 今、学校は、地域の方々と力を合わせて子どもたちを育てています。
 そして、杉八小を卒業する子どもたちは、高円寺地域や本校を愛着をもって心の故郷として巣立っていくのだと思います。


参考文書: 杉八だより3月号

学校便り2月号

平成24年度教育調査の結果から


 昨年末に実施いたしました教育調査の結果を別紙にてご報告いたします。回収率は87.5%でした。今年度も保護者の皆様には肯定率平均が94.4%という高い評価をお寄せいただき、ありがとうございました。
 昨年度と評価項目に違いはありますが、昨年の肯定率平均92.2%よりもさらに高い評価となり、学校にとっても今年の頑張りを認めていただけた、来年もさらに頑張ろうという励みになります。
 子供たちの評価(無記名)を見ましても、ほとんどが100%、平均98.4%という非常に高い結果となりました。子どもたちが満足した学校生活を送ってくれていることを誇りに思うとともに教員も元気づけられます。
 とはいえ、否定率だけに目を向けるのではなく「どちらでもない」と「回答不能」の数や「肯定」と「やや肯定」の質の違いにも目を向け、否定のご意見を大切にして課題意識をもって分析し、来年度に活かしていきたいと考えています。

 最も評価の低かった項目が「小中一貫教育」で、残念ながら全く昨年度と同じでした。昨年度より率は上がっていますが、今年度も他の項目と比べると特に落ち込んでいます。
 「小中一貫教育」に関しては区の施策でもあり、毎年新しい試みを行っています。今年度は年間を通して4・5年生の社会と6年生の算数に高円寺中の先生が、1・2年生の英語に高南中の先生が、科学クラブにも両中学校の理科の先生が教えに来てくれています。7月には杉八小は全クラスの授業を杉四小と高円寺中の先生方に公開し、小中合同研究会を開きました。夏休み中には高円寺地域6校の小中学校の先生が一堂に集まって研究会も開きました。小中合同清掃やあいさつ運動も一緒にやっています。運動会やこどもまつりに中学生が参加してくれる、中学校の行事に小学生が参加する、という形も当たり前の光景になってきて、少しずつ一貫した教育が見えてきた感じがします。しかし、「どちらでもない」「回答不能」も44人と、十分な広報と成果の情報発信が不足していたと反省しております。

 もう一つ「どちらでもない」「回答不能」が多かったのが「特別支援教育」です。特別支援コーディネータの頼實養護主任教諭を中心に、学習支援教員・スクールカウンセラー・教員等が支援方法について日常的に対応しておりますが、こちらも情報発信の不足を感じます。これについては保護者の方との連携がカギになります。連携を密にとりながらすすめていきたいと思います。
 このアンケートの結果と皆様からいただいた貴重なご意見をもとに、学校教育をさらに見直して、25年度に向けてよりよい学校づくりの方針をたててお示ししていきます。来年度もよろしくご支援のほどをお願い致します。


参考文書: 杉八だより2月号(平成24年度 教育調査添付)

学校便り1月号

総力を挙げて育てる


 明けましておめでとうございます。新しい年を気持ちよくお迎のことと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 ところで、昨年末、本の編集者である(株)童話屋の田中和雄さんを講師にお招きし、全児童に詩の授業をしていただきました。彼は、まず、全員に詩を書きとめる縦罫線の入ったノートを購入してくださいました。一人一人が自分の詩集を作るノートです。そして、授業で、そのノートの表紙に「詩集」と書き、ページをめくって、最初に目次を書くのでした。その後、田中さんが板書した詩を書き写ししました。そして、その詩を読み、詩の内容についてお話してくださいました。その中で、「詩を読む人は、詩人になれる。詩を書く人は、もっと詩人になれる。詩を創る人は、もっともっと詩人になれる。」という言葉を紹介してくれました。授業が終わって、子供たちは、そのノートを持って図書室に行き、詩集を探して、借りたり、ノートに写し書きしたりしました。「詩を書く人は詩人になれる。」まさに子供たちは詩人になっているのです。田中さんは、子供たちに、詩人になれるための扉を開いてくれたのでした。後からお話を伺うと、田中さんが歩んできた「この道に入るための第一歩」が、詩を書くための専用ノートを作ったことなのでした。詩集としてこのノートが詩人になれる扉であり、道筋でした。これは、詩人になった人にしか教えることができない御指導であったように思いました。

 また時を同じくして、元オリンピック競歩日本代表の園原健弘さんをお迎えして、走り方教室を開きました。歩き方や走り方の基本の実技指導をしていただきました。とくに走る基本は、スキップの要領でバネを使うことでした。これだと、長距離を走っても疲れを感じることが少なくなり、楽に走ることができるのです。腕の振り方やトレーニングの方法も体験することができました。今年度から実施した持久走大会で自己ベストを出した児童の感想に、「園原先生から腕の振り方を教わったことが速く走れたことにつながりました。」といった言葉に表れるように、専門家からの指導が子供たちにとても大きな財産を残してくれたように思います。

 本校では、これまでにも、岩手県雫石市の農協の方をお招きして、稲作の授業をしていただいたり、理科の時間に、建築学会の方々から環境教育をしていただいたり、各分野の専門の方を招いた授業を実践してきました。その道の専門家の何気ない言葉や心のこもった指導が子供たちの感性を刺激し、新しいことに興味・関心を高めさせ、学習好きの児童を育んでいます。

 本年も本校の職員のみならず、保護者、地域の方はもちろんのこと、大勢の方の力を結集して、杉八の児童を大きく育てていきたいと思います。どうか、よろしくお願い致します。


参考文書: 杉八だより1月号