学校紹介

平成30年度学校便り

学校便り11月号

「読書のススメ」

校長 黒川雅仁


 奥山に 紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき  猿丸太夫

★作者の猿丸太夫は三十六歌仙の一人であり、日光東照宮にも歌仙絵が掲額されていたことを覚えています。しかし、その存在は謎が多く、柿本人麻呂説があるとか滋賀県にお墓が実在するとか、智慧を授かった覚えもあります。読書が進む秋の夜長に、もう一度探ってみようと思います。

★さて、本校では読書に親しんで欲しいと考え、毎年読書週間を設定しています。子供たちが多くの本に触れることにより、読み広げるきっかけとしています。その取り組みとして今年度も「読書郵便」を行いました。読んで欲しいと思う本を紹介することやされることで読書の幅がずいぶんと広がってきたと感じます。どの子も必ず友達からの読書郵便を受け取っているので、見せてもらってほしいと思います。

★読書の大切さは昔から言われており、よくご存じのことと思います。本から多くの知識を得たり、いろいろな世界を疑似体験したりすることができるからでしょう。学習場面においても、読書によって語彙力や読解力、思考力、表現力などが身に付くことが知られています。これは、楽しく学力を向上させることにもつながっていきます。ご家庭でもぜひ本を読むように声かけをしていただけたら幸いです。


★そこで、ご家庭での 読書についていくつかポイントを紹介します。

 ◆無理強いしないで、一緒に書店や図書館で選ぶ。
 ◆読書で得た知識や感動を子供に伝える。心に残る本との出会いを伝える。
 ◆読み聞かせをして興味を高め、読書へ誘う。
 ◆家庭内に読書の雰囲気をつくる。家族全員による「読書タイム」はどうでしょう。
 ◆家族で同じ本を読み、感想を語り合う。初めは教科書の作品でもいいですね。


★「読書は人をより賢くし、歳を重ねても鋭敏な感性を保ってくれる。」と言われています。読書をしないで生きれば自分だけの体験に終わってしまいます。しかし、いろいろな本を読むことで自分以外の様々な人生を味わうことができます。その中で経験する多くの事象を通して、人生や自分自身に対する考えを深められることと思います。秋の夜長、家族でじっくりと本を読んでみてはいかがでしょうか。



参考文書: 杉八だより11月号









学校便り10月号

「稲妻と西進の台風から思うこと

副校長 中澤郁美


★雷が多い年は豊作だと言われています。空気中の窒素が、稲妻によってもたらされる雨に溶け、それが地中に吸収されて肥料の役目を果たすそうです。「稲妻」という言葉も、雷には稲をはらませる力があると考えた昔の人が名付けたそうです。古代では妻も夫も「つま」と呼んでいたので、「稲の夫」という意味で「いなつま」と名付け、それが濁って「いなづま」、そして江戸時代に間違った「妻」という字があてられたそうです。

★今年は落雷も多く、下校時刻に空が黒くなることは心配の一つでした。現在のガイドラインに従えば、稲妻が光るか、雷が鳴るかしたら建物内に避難し、光と音のどちらもが収まってから15分経過しないと安全ではないと考えられています。本校においても時差下校を行ったことを記憶されているかと思います。

★また、今年7月28日、伊豆諸島に近づいた台風12号は上陸した後、西に向かい、四国、九州に大雨を降らせました。これまでなら角度は違いこそすれ、台風は時計回りの弧を描きながら日本列島北東方面に抜けていきました。理科の教科書にもそう載っています。「台風は南西から北東に移動する」とテストの解答に〇を付けたこともあります。ニュースを見ながら「これまでの常識が通じない時代に入っている」と強く思いました。新聞の見出しで強烈な印象を残したのは「逆走台風」という言葉でしたが、新聞スタンドの各紙には「迷走台風」「西進台風」といくつかの表現がありました。通常とまったく違うことを強調すれば「逆走」に、どこへ向かうかわからない点に注目すれば「迷走」に、そして「西進」は事実をそのまま伝えています。

★これまでにない強風の影響は学校生活の中でも様々な所に出ています。5年生はバケツで稲を育てていますが、実りかけの穂を食べられないようにかけたネットの支柱が下の重りごと風で倒されてしまいました。あまりに強風の日は西玄関の中に避難させていますが、あと少しで収穫できるところまできています。

★晴れれば熱中症、降れば豪雨と極端な気象の中、子供たちの安全を守るためには、変化に対応する速さと身軽さと備えが必要です。平常時に、災害モードを加えた学校生活をイメージしていった時、何を無くし何を備えなければならないのか、これまでの概念にとらわれることなくありのままの自然の姿をとらえ、事実を伝える言葉で保護者・地域の皆様と共に考えていきたいと思っています。
丹精込めて育てた稲を5年生が味わって食べられる日とその感想を心待ちにしています。

参考文書: 杉八だより10月号









学校便り9月号

「切り替え」

校長 黒川雅仁



★夏休みが終わり、子供たちの元気な声が学校に戻ってきました。夏休みだからこその経験や体験をしたのでしょう。どの子もたくましく見え、2学期の活躍が大いに期待されるところです。今朝の始業式では 「スイッチを切り替え、学校生活を」という話をしました。この切り替えがうまくいかないとなかなか学校モードに復帰できず、学習に集中できない状態が続きます。

★「プロフェッショナル 仕事の流儀」というTV番組をご存知でしょうか。各業界の「仕事人」の仕事振りやその信念などが紹介されるドキュメンタリーです。見ていると「仕事人」と呼ばれる人達は「集中モード」に入る決まり事を皆持っているように見えます。人間の脳が働くときには「集中モード」や「リラックスモード」といったその場に応じたモードに切り替わります。このモードの切り替えは、自分の意志ではコントロールが難しいと考えられています。しかし、プロフェッショナルたちは必要に応じて脳のモードを切り替えるための方法を持っているようです。いわゆる「自分で自分のスイッチを切り替える」という行動です。共通していることは、行動する前の決まり事を持つことだそうです。イチロー選手の打撃前のしぐさなどが有名です。ある行動のあとに本番に突入する、集中モードに切り替えるという繰り返しが、脳に信号を与えているのです。

★子供たちが、夏休みモードから学校モードに切り替わるには、規則正しい生活を送るということになるでしょう。特に脳に栄養を与える「朝食」は欠かせません。朝食を摂らなかった場合、体温が低いことはよく知られています。そのため冬眠状態の動物と同様の身体で一日がスタートすることになります。さらに、脳はブドウ糖をエネルギー源にしていて、起きている時はもちろん寝ている時もブドウ糖を消費します。つまり、前日の夕食で摂った分は朝目覚める頃にはほとんど残っていない状態にあるのです。朝食を摂ることは、脳を活性化させ身体を「学校モード」に切り替える大切なスイッチになります。

★子供たちが学校モードに戻ったとたん、季節も秋に切り替わります。スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋。人の活動が活発になるときです。心と身体をしっかり切り替えて 2学期も充実した学校生活を送れるよう教職員全員で支援していきたいと思っています。ご協力の程お願いいたします。


参考文書: 杉八だより9月号









学校便り7月号

「幼保小交流会」

副校長 中澤郁実


★5、6年生が移動教室で学校を留守にしている期間に、幼稚園・保育園と交流会を行っています。今年は6月19日に聖心幼稚園と2年生が、20日に高円寺南保育園と1年生が交流を行いました。

★低学年の子供たちは、交流会の前には園児と何を一緒にやりたいかを話し合い、「ゲームで一緒に遊びたい。」「杉八小のことを教えてあげたい。」という思いや願いを込めてプログラムを決めました。ゲームの最中、保育園児が同じ園出身の1年生に駆け寄って手をつなぐ姿や、司会の子を見つめる姿から、再会を通じて小学校生活への憧れが生まれていると感じました。

★入学してまだ3か月の1年生も、遊びや給食の様々な場面で園児のお世話をしました。1年生は園児からの「ありがとう。」のお礼の声に笑顔で答えていました。このように1年生が、小さい子たちのお世話をする機会はとても貴重です。小学校で身に付けたことを基に優しく接する姿からは、小学生としての自覚と思いやりの心が育まれていることを確信しました。

★杉並区教育委員会では、5歳児の10月から小学校1年生の7月までを接続期と捉え、子供の発達や学びの連続性を踏まえ、接続期に経験させたい内容や幼保小連携の方策等について明らかにした「杉並区幼保小接続期カリキュラム・連携プログラム」を策定しています。杉八小では、年間指導計画に「幼保小交流会」年間3回を位置付け、両園と協力して実施し、子供同士の交流の中でそれぞれの発達段階に応じた活動を行っています。7月土曜授業での幼・保・子供園年長児対象のオープンスクールや、低学年担任による保育園保護者会への参加等、相互の交流を更に進めていきます。園児が入学後の環境の変化に戸惑わず、学びの連続性を確保することで一人一人がすくすくと伸びていくことを目指しています。


参考文書: 杉八だより7月号






学校便り6月号

「考えることは・・・」

校長 黒川 雅仁


★遡ること二週間、爽やかな空の下、運動会を盛大に実施することができました。ご参会いただいた多くの方々に見守られ、子供たちは日頃の成果を存分に発揮することができました。長時間にわたり温かな拍手とご声援を送ってくださったご来賓・保護者・地域の皆様に、また、早朝からテント張り、運営や校庭の復元にご協力いただいたPTA及び親&児の会の皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。子供たちは運動会のような大きな行事を通して大きく成長していきます。運動会に全力で取り組んだことで多くのことを学んだのではないでしょうか。運動会で学んだことを生かし、今後も充実した学校生活にしたいと考えています。

★さて、おもしろい問題を見つけたので紹介します。一見クイズのように見えて難しそうに感じますが、視点を変えて考えるとそう難しくはありませんでした。

★例えば、適当に数字を当てはめてみるのも一つの手ですが、一番下から考えてみましょう。9を引くことができるのは9しかないので9−9=0です。同じように□−7には8か7しか入りません。0はもう使ったので7を入れるわけにはいかないので8−7=1となります。また、同じように□−5=□には7か6しか入りません。1は使ったので6を入れるわけにはいかないので7−5=2となります。
★本校の子供たちは、計算や授業で学習した問題に対して意欲的に取り組んでいます。だた、自力で解決したり新しい問題にチャレンジしたりすることは総じて苦手としているように感じています。そこで本校では、算数の学習において今まで学習したことを基に筋道を立てて考えられるよう、対話的なペア学習を取り入れたりICT機器を活用したりして、授業の工夫を行っています。考えることは楽しいことだと思えるよう、楽しさや感動を与えられる授業にしていきたいと考えています。授業についてはいつでも参観できますので、お時間のある時に一度ご覧ください。その際、ご意見やご感想を聞かせていただき、今後に向けて改善していきたいと考えています。








学校便り5月号

「かかわりとつながりの中で育つ」

副校長 中澤郁実



★気温が25度を越え夏日となった4月20日(金)、1〜3年生低学年の遠足で和田堀公園ワンパク広場に行きました。往復路では3年生が1年生と手をつないで励ましながら歩き、広場では縦割り班遊びの合間に「水飲む?」「トイレ行く?」と1年生を気遣っている声がよく聞こえてきました。3年生は木陰を遊び場所に選び、2年生もリーダーに協力して遊びを盛り上げ、異年齢のつながりを深めていました。
★杉四小・杉八小・高円寺中3校の全教職員は、新校開校に向けて毎月合同研修会で様々な事項を検討しています。4月17日は済美教育センターの高槻義一先生を講師に、教員自身が実際に対話をベースにした授業を体験しました。学習指導要領では「わかる・できるように指導する授業」から、一人一人の個性を大切に「資質・能力、よりよい生き方を育む授業」へ転換しています。変化の予測の難しいこれからの時代を生きる子供たちに他者と協働で問題を解決する力を身に付けるためには、対話的に学ぶことはとても重要です。
★校内を回ると各クラスの授業で対話をよく取り入れた授業を行っています。5年生では「人権」とは何か、まず自分なりの考えをもった後に他の人の考えを聞き、イメージを広げ次の時間の学びにつなげていました。6年生では「高円寺阿波おどり」を運営する阿波おどり振興協会の方へのインタビューを振り返り、学習を通して自分が取り組みたいことをまとめた後に高円寺阿波おどりが抱える問題に目を向け、対話を通して新たな観点を広げながら取り組みたいことを考えていました。
★対話が成立し深い学びが実現することと、いじめのない安全で安心できる人間関係を維持することは車の両輪です。技術の進歩や気候変動等による状況への対処に正解はなく、最適と考えられる答えを周囲の人と共に導き出す時代に向かって、一時間一時間が子供たちの生きる力になっていくことを目指していきます。保護者の皆様、地域の皆様には様々なところでお世話になると思います。どうぞご理解ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。


参考文書: 杉八だより5月号








学校便り4月号

「年度初めにあたって」

校長 黒川 雅仁


★「校庭の桜が満開となり…」と書き出したいところですが、今春は3月に咲いたこともあり、4月を迎えた時にはほぼ散っていました。とはいえ年度初め、気持ち新たになることには変わりありません。

★本日、新一年生23名を迎え、平成30年度をスタートさせることができました。全校児童159名、6学級での始まりです。子供たちの瞳の奥からは力強い意志や勇気、やる気がみなぎっており、気高さを感じるとともに大変嬉しく思いました。

★さて、本校では今年度においても学校教育目標として     
○思いやりのある子
◎よく考える子(重点)
○たくましい子 を掲げています。

劇的に変化する時代において、どの子も主体的に、自分らしく生きていけるよう、目標達成に向かって力強く踏み出していくことを教職員全員で確認しました。また、本校は平成32年4月に新しい学校として生まれ変わります。2年後に「高円寺学園」へ滑らかに移行できるよう子供たちに自信と誇りを持たせるべく、精一杯教育活動を展開していきたいと考えています。

★相対性理論を提唱した物理学者、アインシュタインの「学校で学んだことを一切忘れてしまったときになおも残っているもの、それこそ教育だ」という言葉があります。学校教育を否定しているようにも取れますが、私はそうは受け止めていません。確かに、学校で学んだことは役に立たないこともあるかもしれません。しかし、学校での学びは体験や経験を通し感覚として身に付いたものであり、言い換えれば「体験・経験に基づく記憶」ではないでしょうか。安直な知識ではなく意識の中に刻み込まれた記憶を土台にした思考や実践こそ、時代の変化にも対応できる能力の一つであると確信しています。子供たちにたくさんの体験や経験を積ませ、真の学力を身に付けさせたいと考えています。今年度におかれましても、保護者及び地域の皆様の変わりないご理解、ご協力を賜りながら一年間の教育活動を進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。


参考文書: 杉八だより4月号