11月

平成29年度 読書で育てる言葉と心

 台風の通過とともに、秋が一気にやってきました。木々の色が変わり、澄んだ少し寒い空気が新しい季節を感じさせています。この詩は、子供たちの心に残るたくさんの童謡を書かれた詩人の言葉です。

『雨がふるとき かぜひいて すきな遊びができぬとき 子供よ、書物を読みなさい
 書物はあなたをつれていく、海山こえて 
いく千里 知らない国や とほい国
 見たこともない人たちや、めずらしい動物が
 あなたと遊び、話する
 書物を読めば、友達はいつも出てくる、眼のまへに
 どんなに大事にしまっても、万年筆やカメラなど、
 なくしてしまふことがある
 書物はいっぺん読んだらば、
 あなたの心の奥ふかく じっとそのまま残っている
 書物がくれる財産は、一生消えない、なくならない』
              (西條八十全集 より)

 高井戸小学校でも、秋の読書週間が始まります。子供たちの日常を見ると、スマートフォンやコンピュータ、ゲーム、テレビなど電子機器があふれていて、いつも映像や音声に囲まれています。そのため、文字をしっかり読んでそこから想像して考えることがしにくくなっています。
 読むことは、言葉を広げるだけでなく、心も耕していきます。夢中になってそのお話の世界に入ったときに、何とも言われぬ新しい世界が広がり、わくわくしたり、ドキドキしたりします。そうした経験をたくさんさせたいものです。そこで培った想像力は、子供たちの言葉を耕し、心を育てていきます。
 私も、子供の時、エルマーの冒険や赤毛のアンから始まり、シャーロックホームズの冒険など、夢中になって読んだことがあります。
 高井戸小学校では、学校司書の田中淑子先生が、いつも子供たちの読書の相談に乗ってくださっています。また、読み聞かせボランティアの方による朝の読み聞かせや、図書ボランティアによる読みたくなる図書室の環境づくりや本の管理など、本当に多くの方々に支えられ、子供たちにとって素晴らしい図書室になっています。
 秋の夜長、ぜひ、テレビやゲームを消して、子供たちがゆっくりと本に親しむ時間を作っていただければと思います。また、子供たちと大人も一緒に本を読む時間を作ってみませんか。


平成28年度 人生で出会う出来事に真剣に向き合うという生き方

 10月27日(木)28日(金)全国小学校国語教育研究大会が開催されました。27日(木)には、杉並公会堂で大蔵流山本東次郎様はじめ狂言方による狂言「柿山伏」「附子」を保護者や子供たちにも見ていただきました。人間国宝の山本東次郎先生の「言葉はことだま」の話の中では、言葉の中にはことだまがあり、心の中でしっかりと温めた言葉を外に出していくことを大切にしてきたことや、日常の中にある出来事を笑いに変えていくことなど感動するお話でした。

 27日(木)は、高井戸小で研究授業や講演が行われ、沖縄から北海道まで、全国の先生方がいらっしゃいました。研究授業では、どの学年の子供たちも、進んで発表したり話し合ったりしていました。いらした先生方からは、「子供たちの目が輝いていた。」「主体的に発表していてとてもよい授業でした。」「どの授業も子供たちが意欲的に参加していて、素敵だと感じた。」子供たちの姿に多くの先生方が感動し、よい感想をいただきました。

 午後の講演の元NHKアナウンサー山根基世様の話の中で心を引く言葉がありました。『先生は、子供の命を預かっているとともに、生涯どういう言葉で生きていくのかという責任を預かっている』『ものごとをきちんと見ることは、人生で出会う出来事にきちんと向き合うという生き方につながる』です。改めて言葉を通して人間を育てる使命を痛感しました。受付や案内にご協力いただきましたPTAの皆様、ありがとうございました。

 出来事にきちんと向き合うということは、すごいことです。先日行われた連合運動会では、6年生が大活躍しました。長縄跳びでは、クラスで毎日練習し、話し合い本番に臨みました。練習で出した記録は日ごとに伸びていき、どの学級も素晴らしい記録でした。本番、緊張もあり、練習よりつかえてしまうことがあっても、全員が「はい はい」「どんまい」と声をかけ、最後まで頑張りました。どんなにつかえることがあってもだれも責めず、励まし合い、真剣に頑張る姿は、本当に素晴らしかったです。精一杯努力する中で出てくる言葉は前向きで、子供たちの心の成長を感じるものでした。連合運動会の次の日、休み時間に楽しんで長縄をしている子供たちがいました。授業に真剣に向き合っている子供たちがいました。

 山根基世アナウンサーの話が子供たちの姿と重なります。真剣に出来事に向き合うとき、子供たちの言葉は素晴らしい生き方につながる言葉となってきます。大人である私たちが、子供たちとしっかりとかかわり、これからも言葉と心を豊かに育てていきたいと思います。  校長 鶴巻景子

H27年度 創立140周年を終えて

 10月から高井戸小学校の副校長を務めることになり、初日には赴任早々、地域の挨拶まわりをしました。学校のまわりを少し歩くと、東京なのに畑や緑があふれ、豊かな自然と素晴らしい環境に驚かされました。地域の方々と話を重ねる中で、140年の歴史と伝統を肌で感じました。

 地域の方との話で、気づいたことはそのほとんどが、高井戸小学校の卒業生だということです。
「今は、5代目の孫がお世話になっています。」
「140周年の仕事を手伝っていますが、私も高井戸小の卒業生です。前の周年の時は在校生でした。」
など、何世代にも渡って、この地域に住み、高井戸小学校を支えてくれている人たちが実に多いことにも驚きました。

 私の前任校は、中央区の有馬小学校というところです。東京のど真ん中にあり、高井戸と同じように140年以上の歴史があります。長い歴史と伝統があるというのが同じだけでなく、地域の学校を愛する心意気も高井戸の地域ととてもよく似ています。私がこの時期に、高井戸小学校に呼ばれたことにも、不思議な縁を感じています。

 140周年という大きな行事を経験することができた子供たちは、とても幸せだったと思っています。この1年間に行われた多くの周年行事や授業の中で、地域への理解が深まり、高井戸のことがさらに好きになったことでしょう。また、地域の方や先輩達との交流を通して、これからの自分たちの生き方について考えることができた児童もいました。子供たちの式典の呼びかけのからも
「地域を大切にしたい。」
「地域にいつか貢献したい。」
という思いが伝わってきました。今の在校生の中からもきっと、150周年、200周年の行事に携わる人たちが必ず出てくるだろうと思います。

広々した教室とオープンスペース、広くて緑豊かな校庭、その中で前向きに学習する素直で明るい子供たち、そして学校を支えてくれている温かい保護者と地域、本当にすばらしい学校に赴任することができたと思っています。新天地での不安を感じる暇もない程、忙しい一月でしたが、早く地域を知って慣れるという意味ではとても有意義だったと思います。少しでも皆様のお役に立てるように全力で努力して参ります。  副校長 吉岡 光弘

H26年度 土曜日のかかわりの中で育つ子供たち

 文化の秋、スポーツの秋、実りの秋です。
 9月に行われた土曜授業では、多くの学年で電子黒板を活用したり、実物を提示したりして、自由研究の発表会が行われました。子供たちの発想は素晴らしいです。多くの保護者の皆様に参観いただき、熱心に聞いていただきました。また、10月の土曜授業の、5年生が行ったビブリオバトル(自分のおすすめの本を3分で紹介する競技)では保護者の方も参加し競い合ってくださいました。終了後、子供たちの発表力に、感動したという感想を多くいただきました。

 地域の中でも様々な取り組みがありました。10月4日は、高井戸地域センター祭りに3年生が参加し、広場でフラフープやボール、リボンを使った表現をしました。校庭で行うのとは違い、子供たちはとても緊張していました。一生懸命な演技に地域の方々から大きな拍手をいただきました。また、10月19日には、杉並障害者福祉会館で行われた福祉会館まつりで、6年生の代表児童が20分にわたる合唱やハンドベルなどの演奏をしました。会場では一緒に歌ってくださる方々もいて、感動の歌声でした。前日の18日には、青少年育成委員会主催のTボール大会(近隣5校との対戦)にも4・5・6年生代表で2チームが参加しました。Tボールは、固定した台にボールを載せて打つ野球型ゲームです。ヒットを打つとみんなで喜び、連携プレーで守り、広いグランドいっぱいに走って楽しんでいました。10月25日には、杉並区主催の長縄グランプリに3年生チーム、4・5年生混合チーム、6年生2チームが参加しました。区内の多くの学校と、5分間の長縄とびを競います。どのチームも素晴らしい集中力と協力で、よい記録が出ました。

 こうした土曜授業や地域行事では、普段の学校生活と違い、多くの大人の方が子供たちの活躍を見てくださいます。その中で普段と違った緊張が、子供たちの中にある力を引き出し、高めてくれています。また、他校と競い合う中で、大きな刺激を受け、次に向けてさらにがんばろうという意欲もわいています。まさに、土曜日という特別な舞台の中で子供たちがさらに大きく成長しているのです。11月8日には、ファミリー会主催の紙飛行機大会、11月14日・15日には展覧会及び土曜日5校時の授業公開があります。12月6日は、高井戸中学校のコンサートに4年生が参加し、合唱と合奏を披露します。

 これからもこうした土曜日を生かした授業や行事に積極的に参加し、子供たちを大きく成長させていきたいと思っています。 校長 鶴巻景子