令和5年度 園だより

5月  「遊びを通して学ぶ」    副園長 大塚 玲華

進級・入園してから3週間ほどが経とうとしています。
らっこ組は先生と毎日一緒に関わる中で、少しずつ園生活を安心して過ごすようになってきました。ぺんぎん組の入園した子どもたちは、先生と関わることを楽しんだり、周りの友達がしている遊びを見て、自分もやってみようとしたりしています。進級した子どもたちも、今までしていた遊びや、友達との関わりを楽しむ中で、新しい環境に慣れていっているようです。いるか組は、年長組になったという嬉しさから、張り切って小さい子どもたちの世話をしたり、友達と一緒に当番活動や遊びを進めたりしようとする姿が見られます。それぞれの学年が、それぞれの経験をしながら、人と関わったり、遊んだりして園生活を送っています。
先日、水族館ごっこをしている、いるか組の子どもたちにお客さんとして招待されました。水族館は、通路の両側に積み木を並べ、その上に水槽に見立てた透明のシートを立て、自分たちでかいた様々な水中の生き物を貼って作られていました。中の通路を通ると、水族館の子どもたちが、水槽の中を泳いでいる魚やイカ、タコ、サメなどの名前や習性を分かりやすく説明してくれます。「このサメはプランクトンを食べるんです!」と、実際の生き物で知っていることを説明することもあれば、「これは幻のイカで、金色に輝くんですよ。」と想像力を働かせた説明もありました。また、生き物にあげる餌と、餌やりのための釣竿のようなものも用意されていて、餌やり体験もすることができました(餌の種類も、色別になっていて、魚によってあげる餌が違うのです!)。年少組の小さな子がお客さんに来た時は、身を屈めて目線を合わせて話しかけたり、餌やりをする時に「こっちの竿のほうが餌やりをしやすいです。」と教えてあげたりと、大人の私とは違う対応をする姿も見られました。
 大人側からすると、水族館ごっこをして「遊んでいる」だけだと捉えがちですが、子どもたちは遊ぶことを通して様々なことを「学んで」います。例えば、友達と一緒に「水族館ごっこをしよう」と同じ目的をもち、一緒に進めていくこと。自分一人で勝手に決めたり、作ったりはできません。自分の思いを出しつつも、時には相手の思いを受け止めたり、確認したりしながら準備をします。水族館の通路や入り口を作るところでは、空間の認識や、構成する力を使っています。魚を作るところでは、かいたり、イメージしたことに近づけるために、紙だけではなく、ビニル素材のものを使ったりと、適した素材も選択して表現しています。大人のお客さんと、自分たちより小さいお客さんとでは、対応を変えたように、相手に合わせて関わっています。
 「水族館」という遊びだけでも、自分の思いを言葉や形にして表現すること、自分の気持ちを調整しながら、友達と同じ目的に向かって取り組むこと、相手に合わせて自分の行動を変えること、構成することなど様々なことを経験し、学んでいることがわかります。
このように、子供園で大切にしている「遊び」にはたくさんの「学び」があります。
 発達段階や、子どもの実態に応じて、経験することや、学ぶことは違いますが、遊びを通してその時期に大切なことがしっかりと学べるように、保育者である私たちは、どんな遊具や素材を出そうか、どのように置こうか、どのような言葉がけをしようか日々考え、準備をしています。
子どもたちが遊びを通して、学び、人と関わる力や、思考力、感性や表現する力などを育み、人として生きていくための基礎を培うことができるように、職員みんなで力を合わせ、質の高い教育・保育を行っていきたいと思います。

4月 「子どもが子どもらしく」自分らしさを発揮しながら育ち合う   園長 齋藤 由美

春です。成田西子供園の園庭では、色とりどりの花々が咲き誇り、草花や虫たちが春の訪れを喜んでいます。新しい一年のスタートです。
お子様のご入園ご進級おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
 令和5年度は、らっこ組22名、ぺんぎん組32名、いるか組34名、全園児88名でのスタートです。
新しく先生方もお迎えしました。ぺんぎん組担任 石川(いしかわ)里奈(りな)先生、保育補佐 ?(たか)橋(はし)葉子(ようこ)先生、保育補助 乙幡(おつはた)三保子(みほこ)先生、保育補助 東海林(しょうじ)美奈(みな)先生、保育補助 前(まえ)田(だ)典子(のりこ)先生、保育補助 松尾(まつお)みゆき先生、朝パート向井(むかい)淳子(あつこ)
先生です。また、昨年度朝パートとして勤務していた?(たか)岡(おか)里美(さとみ)先生が事務員として配置されます。新たなメンバーと共に、ますます楽しく豊かな保育が展開される成田西子供園にしていきます。
 成田西子供園では、心身ともに健康で、自ら考え主体的に遊びや生活に取り組むことができる幼児の育成を目指して、次のように教育目標を設定しています。
「げんきな子 ◎かんがえる子 自分も人も好きな子」
今年度は、昨年度に引き続き「かんがえる子」に重点を置いて取り組みます。
げんきな子・・・一人一人が、体を動かして遊ぶことが楽しい!体を動かすことが気持ちいい!と、伸び伸びと自分を発揮できる子。自ら体を動かし進んで運動しようとする子。自分の体を大切にできる子。
◎かんがえる子・・・不思議だな!やってみよう!おもしろい!と自分のやりたいことに取り組み、もっとやりたい!こうしてみよう!とじっくり遊び込める子。自分で考えることを楽しいと感じる子。
  自分も人も好きな子・・・友達と一緒に過ごすのが楽しい!力を合わせるのが楽しい!と、自分らしさを出しながら友達と互いを受け入れ合い、自分も人も大切にできる子。
幼児は、一人一人が自分のやりたことを見つけて、じっくり遊ぶ中で、周りの様々な事象に興味関心をも
ち、関わりながら、やりたいことを実現するために、考えたり工夫したりしながらいろいろなものや人と関わり育っていきます。子供園では、楽しい経験だけでなく、失敗や葛藤する経験などを重ねながら、自分で考える楽しさや豊かな感性、表現する喜びなどを育てていきます。
「子どもが子どもらしく」一人一人が自分らしさを発揮しながら育ち合うことができる、みんなが笑顔になる園づくりを目指していきます。職員一同常に、❝子どものために❞を第一に考え、力を合わせて取り組んでまいります。保護者の皆様、地域の皆様、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。
 併設の就学前教育支援センターとも連携しながら、協働研究に取り組み、保育の充実を図ってまいります。