杉並・栗駒児童交流会13回目

杉並・栗駒児童交歓会のようす

（1）2007（2） 2006 （3）2005　(4）2004　(5）2003　(6）2002

第１3回目の交歓会～心の交流が続いている～

栗駒交換会に兄弟で参加したり、二度三度と参加したりする子どもたちも増えてきました。その中には、栗駒の友達と文通をしたり、メールを交換したりしながら再会を楽しみにしていた子どもたちも多くいたようです。また、初めて参加する多くの子どもたちや特に四年生は、親元を離れる初めての経験に、少しの不安と多くの期待をもちながら、ドキドキ、ワクワクの心境だったのではないでしょうか。
今年十三回目を迎えた栗駒交換会は、三十八名の子どもたち、引率教員五名、保護者三名、総勢四十六名での出発になりました。
東北新幹線やまびこ四五号で二時間半、栗駒高原駅に着くと、緑の稲穂をわたるおいしい空気と歓迎の横断幕を持った役場の方たちに迎えられました。スクールバスで向かった栗駒高原ファームでは、米作りの話を伺い、米の花を観察、農業機械に乗る等の体験をし、給食でいただいているおいしい米がここで作られていることを初めて知った子どもも多くいました。
続いて、かつて疎開児童の宿泊場所であった円鏡寺を訪ねましたが、毎回お話を伺っていた住職さんが他界されたため、今年は、当時疎開児童であった実行委員長の高具さんが、親元を離れての寂しかった生活、特に食糧難で苦労したことなどの体験談を話してくださいました。
次に、公民館（現役場）で歓迎会があり、栗駒町の町長をはじめ、これからお世話になる関係職員や栗駒の児童に迎えられました。
町長の大関健一様に歓迎の言葉をいただき、杉並代表児童の挨拶の後、杉並区長のメッセージを代読し、町長にお渡ししました。
終了後、バスで駒の湯キャンプ場に行き、グループごとにテントの設営に汗を流しました。青空の下、さわやかな風に吹かれて、
栗駒と高三小の児童は、あっという間に心を通わせ、走り回ったり話し込んだりと、仲のよい風景が見られ、ほほえましく思いました。
森に囲まれた駒の湯で温泉につかった後の夕食は、鉄板焼き。夜は、星を見上げながらのキャンプファイヤー。歌を歌い、フォークダンスを踊り、ゲームを楽しみ、長い一日が過ぎていきました。
　
二日目の早朝、小鳥の声で目を覚ました児童は、全員元気いっぱい。
朝食の後は、ブナの原生林へのハイキング。ふわふわとした感触を楽しみながら全員ブナの神木までたどり着きました。
午後は、ハイルザーム温泉プールで泳ぎ、夕食の後、交流会が行われましたが、栗駒小の児童による鳥舞は圧巻。伝統芸能のすばらしさを実感しました。また、その中に、昨年高三小に泊まった子どもの凛々しい姿を発見し、「お久しぶりです。」と挨拶を受けうれしく感激しました。

三日目、児童は全員元気に起床。早、最終の日となり、力を合わせてテントの撤去。広々となった草原で、栗駒と高三小の子ども
たちが別れを惜しむように、仲良く遊び回る姿が印象的でした。
午後は、風土館を訪問。お別れ会では、栗駒と高三小の児童がそれぞれ挨拶をし、「忘れがたい思い出がいっぱいできました。
友達になったことが何よりうれしいです。来年は杉並で会いましょう。」と、交歓会が続くことを約束していました。
　
学童疎開からすでに六十年が経ちましたが、子どもたちがかつての疎開地栗駒を訪ね、美しい自然の中で二泊三日をともに過ごす中で、心の交流を深めるとともに、平和の大切さを学ぶ交歓会の意義を強く感じます。
今年は、円鏡寺の住職様が他界され、また、この間ずっと交歓会のお世話をしてくださった公民館の阿部様が直前に亡くなられま
した。心からご冥福をお祈りいたします。
　
最後になりましたが、昨年の東北地震で役場が被災され、また、町村合併に向けて大変お忙しい中、村を上げて皆様が温かく迎えてくださいました。栗駒町長大関健一様に心から感謝申し上げます。
また、教育長佐藤光平様をはじめ、教育委員会、公民館、栗駒小学校等多くの皆様には、日々、子どもたちのために心を尽くして
くださいました。本当にありがとうございました。
さらに、後援をいただいた杉並区長ならびに教育委員会、バザーや様々な準備に尽力してくださった高三小栗駒実行委員ならびに諸先輩の皆様に心からお礼申し上げます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　高井戸第三小学校学校長
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大石　禎子