令和6年度 今月の保育の様子

3月 温かい人とのつながりの中で育まれて   園長 齋藤 由美

園庭の木々が芽吹き、春の訪れを感じさせてくれる季節となりました。今年度も残すところあとわずかとなり、子どもたちは、時間を惜しむように毎日、目を輝かせていろいろな遊びに取り組んでいます。
子どもたちは、この一年、遊びを通して様々なことを学んできました。園庭では、砂遊び、鬼遊び、いろいろな遊具や用具を組み合わせたごっこ遊びなど、一人ひとりがじっくり試したり、友達との関わりを楽しんだりしてきました。また、年長児が楽しい遊びを始めると、年中、年少組が遊びに招待され、遊びが園全体に広がっていく姿がたくさんありました。保育者も学級の枠を越えて、園全体の子どもたちを見守り支えてきました。
年少らっこ組は、先日劇遊びの参観を行い、のびのびと表現する楽しさを感じることができました。学級の友達と一緒に楽しい時間を過ごし、保護者の皆様からたくさんの温かい言葉をいただいたことで、自分を表現することの喜びを感じたようです。保育者に見守られながら、学級の中でのびのびと自分のやりたいことに取り組み、泣いたり笑ったり怒ったりと、自分の思いのままに表現できるようになってきています。
年中ぺんぎん組は、友達と関わることが楽しくなり、友達との遊びの中で、自分の思いを伝えたい!伝わると楽しい!そんな気持ちが育ってきました。思いがうまく伝わらない葛藤体験も通して、人とつながる楽しさが感じられるようになってきました。
年長いるか組は、今までの経験を基に、友達とめあてをもち実現に向けて思いを出し合い、試行錯誤したり考えが違ってぶつかりながらも折り合いを付けたりしていく経験を重ね、心の成長を遂げてきました。
最近では、年中組が年長組に見守られながら、当番の引継ぎに取り組んでいます。「自分たちは、年長組になるんだ」という気持ちが芽生え、大きくなることへの意識が高まり、ワクワクした表情を見せています。また、年長組は、引継ぎの中で、年下の子どもたちに優しく関わり、年中組が自分たちで進めていくのを手を出さずに見守る姿があり、その様子から心の成長を感じています。
また、保護者の皆様には、保育ボランティア活動を通じて、子どもたちのために温かいご協力をいただきました。読み聞かせや土づくり、行事の手伝いなど、皆様の温かい優しいまなざしに包まれた子どもたちは、人とつながる心地よさや思いやりの心などを感じることができました。様々なPTA活動の中でも、こどもえんまつりや人形劇、親子体操など、楽しい行事が園の生活に潤いを与えてくれました。園とご家庭が、子どもたちを中心に共に手を取り合い、子どもたちを育てていく喜びを感じています。
いよいよ進級・入学を迎えます。新しい環境に期待や不安を抱えているお子さんもいることでしょう。温かい人とのつながりの中で支えられ育まれてきた成田西子供園の子どもたちです。これまで培ってきた自信と優しさを胸に、一歩ずつ進んでいくことと思います。これからも、子どもたちが自分らしく笑顔いっぱい輝けるよう見守り、応援していきましょう。
一年間、温かいご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。どうぞ、すてきな春をお迎えください。

2月 みんなで育てる  副園長 大塚玲華

 3学期の始業式の日に、地域の 居城(いしろ) ゆみ子 さんに園にいらしていただき、子どもたちに獅子舞とひょっとこ踊りを見せていただきました。獅子舞では、子どもたちは少しドキドキしながらも見入ったり、頭を噛んでもらったりする経験をしていました。年長いるか組はその後、特別に獅子をもっと近くで見せていただき、どうやって獅子を持って動かしているのか、仕組みを知る経験もさせていただきました。
子どもたちは、獅子舞を見てドキドキしたり、ワクワクしたり…様々な気持ちを味わったようです。心を動かされている子どもたちの姿を感じ取って、それぞれの学年の担任の先生も「この体験がきっと遊びとして再現されるだろう」といつでも遊び出すことができるように、発達や経験にあった環境(製作素材や用具、お囃子の音楽など)を事前に準備していました。
 翌日、それぞれの保育室では子どもたちが早速獅子作りをして遊んでいました。
年少らっこ組は、2つの箱に赤い画用紙を貼ったものに、丸いシールを貼ったりクレパスでかいたりして目や鼻を付けたら獅子の出来上がり!自分の獅子を持って歩くことや、口をパクパクさせること、獅子に気付いた他の子が持ってきたクッキーを食べさせてもらうことを楽しんだりしています。
ぺんぎん組は、空き箱にハサミで切り込みを入れ赤い紙を巻いて頭を作ったり、胴の部分をビニールで表現したりするなど、今まで経験してきた技術や素材を使いながら作っています。誰かが作り始めると、すぐに友達も気付き、あっという間に保育室の中は獅子だらけになっていました!作り終わると、友達や先生の頭を噛むことはもちろん、獅子舞を人形のように動かして友達と会話をしたり、お祭りごっこをしたりと遊びが広がっていっていました。
年長いるか組は実物大の獅子を作り、友達と園内を練り歩き、他の学年の子や職員室にいる先生の頭を噛んで厄払いをしています。獅子頭の内側は、前日に本物を見せていただいた獅子の作りとそっくり!また、獅子の顔の細部もよく再現されていました。
各学年、作り方や遊び方は違うけれど、獅子舞という体験は子どもたちの遊びがさらに豊かになる出来事だったようです。
今回、居城さんの獅子舞との関わりを通して遊びが豊かになり子どもたちの育ちにつながっていったように、豊かな遊びや生活は、保育者だけではなく、地域の方や保護者の方にも支えられています。昨年末に行われたお楽しみ会での弦楽器の演奏、小学校との交流、読み聞かせなどの保護者の方のボランティア…この一年だけでもたくさんの方との関わりを通して、子どもたちは様々な心を動かされる直接的な体験をし、遊びや生活が豊かになりました。
子どもたちの育ちを支えていくためには、育ちを共有したり、成長を喜んだり、子供園の教育について知っていただいたりしながら、子どもたちを真ん中に、みんなで考え関わっていくことが何よりも大切だと感じています。保護者の皆様にも、いつも園の教育を理解していただき、また様々な形で関わっていただき、本当にありがとうございます。
あと2ヶ月でらっこ組、ぺんぎん組は進級、いるか組はいよいよ1年生です!これからも子どもたちの育ちを共に考え、支えていけたら嬉しいです。