令和5年度 園だより

5月 下高井戸子供園の保育は、チーム保育! 副園長  原 麻弓

 入園・進級から約一か月が経ち、子どもたちも保護者の皆様も園生活の流れが分かってきたころでしょうか。まだまだ初めての行事や活動もあります。分からないことや不安に感じることがありましたら、いつでも職員にお尋ねください。
 職員も、新年度が始まり、新しい出会いの中で一つ一つの確認を丁寧に行いながら日々の保育を進めています。毎月の職員用行事予定表を作成する時に、今月のテーマとして“今月の子どもたちの心持ち”を書いて配布しています。保育をチームで進めていくために、子どもたちの心情を読み取り、共有することがとても大切です。
“5月の子どもたちの心持ち”の欄には、
「慣れてきたからこそ、( ;∀;)涙。慣れてきたからこそ、けが。いざこざ。」と書きました。
 特に新入園の3歳児は、入園して何だか分からないうちに、楽しい遊びや活動が始まり、教師との関わりを基盤に過ごすことができていました。ところが、次第に周りが見えるようになってきて、ふとした時に保護者の方のことを思い出し、「お母さんに会いたい。」「お迎えはまだ?」と涙ぐむ様子も見られます。登園時、保護者の方と離れがたい様子もまだまだあります。登園時に子どもに泣かれると、お迎えに来るまでずっと心配ですよね。でも大丈夫!子どもたちは、教師や周りの幼児との触れ合いの中で気持ちを落ち着けたり、しばらく泣くとすっきりして遊び始めたりしています。“慣れてきたからこその涙”を教師はしかと受け止め、子どもたちが安心できる場を作っています。
 進級児にとっては、一つ学年が大きくなったことで、自信に満ち溢れています。先日の離任式では、学級の友達と声を合わせて歌をプレゼントするくま組の姿、大勢の人の前で恥ずかしがりながらも堂々と司会の言葉を言うぞう組の姿がありました。「ぼくたちなら、できる!」と張り切っています。だからこそ、少し難しいことにも挑戦してみたい気持ちが芽生えます。職員は、子どもたちのやろうとする気持ちが途切れないように留意しながら、安全に気付けるよう声を掛け、子どもたちと一緒に安全な遊び方や過ごし方を確認しています。
 また、友達との関わり方にも変化が出てきます。今までは何となく一緒に過ごしていたけれど、思いや考えが違う時にはどうしたらよいのだろうと思い悩んだり、強い口調になって相手が泣いてしまったりもします。おうちの方に相談することもあるかもしれません。そのような時には、ぜひ子供園にお知らせください。一緒に考えていきましょう。
 下高井戸子供園では、保護者の方もチーム保育の仲間です!
よろしくお願いいたします!!

4月 生きる力の基礎を培う 園長 五十嵐美緒子

 急ぎ足でやってきた春の息吹を体全身で感じ、子どもたちも新たにスタートする暮らしを楽しみにしていることと思います。

「人権尊重の精神に基づき、多様な生活経験を通して互いを尊重する心や、規範意識の芽生えと豊かな感性を育み、生きる力の基礎を培う」
〇 自分で考えて行動する子 
○ 自分も人も大切にする子  
○ 心身ともに健やかな子

これは、下高井戸子供園の教育目標です。
生きる力の基礎・・・教育基本法第11条には、「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることをかんがみ・・・」とあります。聖心女子大学教授 河邉貴子先生のお言葉をお借りするなら、子供園の教育は「小学校以降、いろいろな服を身に着けていくための、良質の肌着を身に着けさせてあげること」= 人として生きるために、就学前に良質な経験を重ね、学び、様々なことを身につけていくこと、と考えています。


? 幼児の姿〈Subjective Data〉
・だれとだれが、どこで、何をしているのか
・何を使い、どのように関わっているのか
? 読み取り〈Objective Data〉
・何が面白いのだろうか
・どんな経験をしているのだろうか
・何が育っていると考えられるだろうか
? 願い〈Assessment〉
・次に必要な経験は何だろうか
? 環境の構成〈Plan〉
・その経験が満たされる活動、環境は何だろうか
・直接的な援助は必要だろうか

上記の? ? ? ?は、子供園の保育を見直すための手がかりとしての視点です。
?(S)子どもが遊ぶ姿から
?(O)遊びの中で何を身につけているのか分析し
?(A)次のステップにつなげるためにどんな経験が必要かを考え、次の学びへの願いを込め
?(P)計画を立てます。
計画した環境の中で、(S)子どもたちはどのように遊び⇒(O)何を学んでいるのだろうと、日々の保育の振り返りは続いていきます。

子供園では「教育目標を達成する」=「生きる力の基礎を培う」ことができるように、こうした循環を大切にしながら、教育・保育を進めています。

令和5年度の下高井戸子供園は3歳児18名、4歳児28名、5歳児25名、職員22名でのスタートです。
子供園と保護者の方が子どもを真ん中にして、一緒に育ちを願い、支えていくことが、子どもたちのしあわせにつながると考えています。子どもたち一人ひとりが育ちゆく姿を保護者の皆様と共有するために、園だよりや学年だより、保護者会、懇談会、保育参観、個人面談、そして、降園時など、様々な機会を通してお伝えしてまいります。
遊びや生活の姿、大切にしたいこと、経験させたいことなどもお伝えします。
素敵なアイディア、気がかりなことなど、どんな小さなことでも構いません。
どの職員でも構いません。いつでもお声かけください。今年度も保護者の皆様、地域の皆様と、一緒に子どもたちの「着心地のよい肌着」を探していきたいと願っています。どうぞよろしくお願いいたします。