令和6年度 園便り

1月 「共に」   園長 石床 美穂子

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 今年も天候に恵まれ、穏やかな幕開けとなりました。どのご家庭でも楽しいお正月を過ごされたことと思います。
 今年は、十二支の六番目「巳年」です。脱皮をするヘビは「復活と再生」を連想し、強い生命力に繋がる縁起の良い動物と考えられています。また2025年は、「乙巳(きのとみ)」にあたり、「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年になるといわれています。子どもたちが、たくましく成長していく姿に重なります。
 今日から全園児が揃い、3学期が始まりました。どの学年も充実期です。集大成のこの時期に、豊かな体験をたくさんできるようにしていきます。

 2学期には、運動会(全園児)や子ども会(年中・年長)などの大きな行事がありました。保護者の皆様の温かいまなざしのもと、子どもたちが伸び伸びと活動する姿を見ていただくことができました。また、保育参観・懇談会や保護者会、個人面談などで、お子さんの様子を話し合い、共に成長を喜び合うことができました。このことは、私たち教師にとってとてもうれしいことです。
 『子どもの世界では、園と家庭が全く切れてはいない、つながっているんです。園での楽しい体験が家庭で語られ、家庭で嬉しい体験が園で語られる。そうして、子どもが園でも家庭でも私は大切にされていると感じるときに安定していきます。』と共育ての大切さを教育学者の汐見稔幸先生は仰っています。
 高井戸西子供園では、一人ひとりの子どもや保護者に寄り添った子供園でありたいと考えています。お子さんのことで、困っていたり、悩んでいたりするときには、いつでもお声掛けください。園からも、子どもと関わる中で、今何を大切にしているか、私たち教師がどのような願いをもって接しているのかをお伝えしていきます。正解は一つではありませんので、まずは、保護者の皆様と顔を見合わせて、お子さんを真ん中にして一緒に考えていきたいと思います。どの子にも、良さや持ち味があり、伸びていこうとする力もあります。周りにいる大人が、それを信じていくことが、きっと成長に繋がると思います。“共に”子どもたちを支えて、応援していきましょう。

 12月末から、キッズビューを活用して、学年だよりもカラー写真での配信を始めました。日々の生活や遊びの中で育っているもの、行事に向けての経験で育っていること等もタイムリーに、分かりやすくお伝えしていきますので、どうぞご覧ください。

 3学期は大きくなっていく自分を感じる時期でもあります。子どもたちが様々なモノやコトに出合い、考えたり、表現したりしながら、たっぷり遊び、先生や友達との関わりの中で、自己発揮していかれるように努めて参ります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

1月 年少ことり組

 1月は手回しコマや凧揚げなどのお正月遊びや、寒い日に園庭で見られる氷や霜柱などを遊びに取り入れていきます。伝統文化や自然の不思議さに触れて遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。
 またお話の世界に親しみながら、ごっこ遊びで色々な役になって動くことや、学級のみんなと一緒に表現することも楽しめるようにしていきます。遊びや活動の中で楽しんだごっこ遊びを2月の「子ども会」につなげていきたいと思います。また、歌に合わせてリズムを感じながら楽器を鳴らすことも楽しんでいきます。
 戸外では、むっくりくまさんや引越し鬼などをして、友達や保育者と一緒に体を動かす心地よさを感じながら簡単なルールのある遊びを繰り返し経験していきます。

1月 年中うさぎ組

 1月は、カルタやすごろくなどのお正月遊びを繰り返し楽しみ、ルールが分かって友達と遊ぶ楽しさを感じられるように支えていきます。また、子どもたちが、引きコマのひもを巻こうとしたり繰り返し回したりする中で、保育者も一緒に楽しみ、コツを知らせていき、ひもが巻けたりコマが回せたりする喜びを感じられるようにします。
 学級の友達と一緒に歌ったり、楽器遊びをしたりする中で、声や音を合わせる楽しさや心地よさを味わえるようにしていきます。
 寒さに負けず、鬼遊びやボール遊びに取り組み、戸外で元気に体を動かして遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。また、氷や霜柱など、冬ならではの自然を発見したり、みんなで見たりする経験も大切にしていきます。
 3学期は年長組からお休み調べ当番やモルモットの世話などの仕事を引き継いでいきます。ペアの友達と一緒に取り組みながらやり方を教わり、年長児への憧れの気持ちや進級への期待感をもてるように支えていきます。

1月 年長ぞう組

 いよいよ子供園生活最後の3学期が始まります。ぞう組での一日一日を大切にしていきながら、友達との遊びや生活を思う存分楽しめるようにし、一人ひとりの成長を支えていきます。
 今月は、友達とお正月遊びや戸外で体を動かして遊んだりすることを楽しめるようにしていきます。お正月ならではのカルタやトランプ、すごろくなどの遊びを楽しむ中で、文字や数字への興味・関心がもてるようにしていきます。また、投げコマ回しでは、繰り返し挑戦する中で、手先を使ってひもを巻いたり、力の加減をしながらコマを投げたりする経験をし、最後まで諦めずに取り組み、回せた達成感を味わえるようにします。その中で、友達同士で励まし合ったり認め合ったりする姿を大切にしていきます。
 2月には「ミニミニコンサート」があります。様々な楽器に触れて、学級の友達とリズムや音を合わせたり、気持ちを一つにして歌ったりする心地よさを感じられるように支えていきます。

12月 幼児教育から小学校教育への円滑な接続を願って 副園長 大萩 純子

10月から年長組の子どもたちは、進学予定の小学校で就学児健診を受けており、「4月になったら1年生になる」という意識が段々と出てきています。4月から始まる小学校での生活は、広い校舎、6学年まである大勢の人数、子供園のように遊びの中で学ぶスタイルとは違う授業形態等々、園生活とは大きく異なります。そのため、子どもたちは進学時に、戸惑いを感じることがあるかもしれません。

 子供園では遊びを通して学ぶ幼児教育から教科などの学習を中心に学ぶ小学校教育へ円滑に接続し、幼児が滑らかに小学校の生活や学習に移行できるように「杉並区幼保小接続期カリキュラム・連携プログラム」に基づいて、小学校との連携・交流活動を進めています。
本園では具体的な幼保小連携全体計画を、連携校である久我山小学校と共に毎年作成し、幼児が児童への憧れや、小学校生活への期待感をもち、安心して小学校の学習や生活に向かうようになることを願って進めています。その計画の内容には、“保育者と小学校教員の相互理解”、“幼児と児童の交流活動”、“小学校の人・もの・ことに関わる体験”、“保護者への理解啓発”があります。 
9月には久我山小学校1年生の担任の先生を年長保護者会にお招きし、小学校生活についてのお話を伺いました。10月には、幼児教育公開を開催し、小学校の先生方が来園して、幼児教育についてや幼児期の学びをどのように小学校につなげていくか等について子供園と共有する機会をもちました。
今回は“幼児と児童の交流活動”、“小学校の人・もの・ことに関わる体験”の実施内容についてお伝えします。

今年度の年長組は11月に2年生の音楽会リハーサルの鑑賞、5年生とのふれあい遊び交流を体験しました。音楽会リハーサルは、久我山小学校体育館で行われました。合唱の美しい歌声、合奏では木琴や鉄琴、大太鼓、小太鼓などの楽器の大きさや胸に響くほどしっかりとした打楽器の音、そして大勢の児童が演奏するピアニカの音色に、どの子もキラキラとした瞳をして、お兄さんお姉さんの姿に見とれていました。子どもたちからは「きれいな声だね。」「かっこいいね。」の言葉も出て、小学校に入ったら自分もしてみたいな、という憧れの気持ちをもったようでした。
5年生とのふれあい交流の日には、5年生の教室に入りました。そして大きなお兄さんお姉さんと出会うと、初めは戸惑い、表情は硬く、無口になっていましたが、ペアになった5年生が優しく手をつなぎ、教室からふれあい遊び会場の体育館まで誘導してくれるうちに、段々と表情が和らいでいきました。      
体育館では、幼児が楽しめるようにと5年生が考えたプログラムの内容でレクレーション係が進めてくれました。初めはペアのお兄さんお姉さんと一緒に、大きな輪になって座り、ボール渡しをするゲームをしました。ボールを落とさないようにしながら次々と隣の人に渡すことや、進むうちに勢いが増していくスリル感に、子どもたちからは笑顔がこぼれていました。
その後は、じゃんけん列車をしました。5年生とペアになり、曲が流れると一緒に動き、曲が止まった時に、その場で出会ったペアとじゃんけんをする、負けたら、最後尾につながり、どんどん列が長くなっていくという遊びです。5年生は大人ほどの背丈があるので、つながって動くには子どもたちとは歩幅や動くペースに違いがありましたが、遊びながら、お兄さんお姉さんたちが子どもたちのペースに合わせて動いてくれたり「大丈夫?」「さあ、じゃんけんしてね。」と声を掛けたりしていました。つながった子どもたちの手が外れそうになると、そっと手を支えてくれるお兄さんもいましたので、子どもたちは安心して遊び続けられました。最後の先頭同士がじゃんけんをして全員がつながり、長い電車となった時には、体育館中に歓声が上がりました。
これらの経験の中で、子どもたちは小学校は楽しいところ、優しく関ってくれるお兄さんお姉さんがいるところと知り、子どもたちには小学校生活への安心感、期待感が高まりました。

12月は年中組が初めて小学生と交流します。年中組が、無理なく初めての交流を楽しめるように4年生が本園に来園して実施する計画です。年中組が日頃園内で楽しんでいる遊びをしながら、小学生と関われるように内容を精選し、小学生への親しみの気持ちが芽生えるようにしていきます。

12月 年少ことり組

 急に寒くなってきましたが、元気いっぱいに他の幼児や先生と一緒に体を動かして遊んだり、園庭の落ち葉やどんぐりなどを砂場の具材に見立てて料理を作ったりすることを楽しんでいます。また場を作ることも楽しくて、同じ場や近くにいる他の幼児と簡単なやり取りをしたり、関わり合ったりしながら自分のやりたい遊びを見つけて遊ぶ楽しさを感じています。
 今月は、簡単なルールのあるゲームをしたり、表現遊びや楽器遊びをしたりして色々な経験ができるようにします。また少しずつクリスマスに向けた製作にも取り組んでいきます。
 寒くなり上着を着るようになってきたので、裏返しになった上着の袖を元に戻したり、ファスナーやボタンをしたりなども自分でできるようにしていきます。また、寒さが増す時期ですが、戸外で体を動かす遊びも引き続き楽しめるようにしていきます。

12月 年中うさぎ組

 家や車の場の中でイメージをもって動いたり、様々な教材や砂場で料理をつくったり、園庭では氷鬼やリレー、短縄など思い切り体を動かしたりして遊ぶ中で、友達に自分の思いを出しながら一緒に遊ぶ楽しさを感じています。
 今月は、自分の思いを言葉や動きで表しながら、友達とやり取りをして遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。
 子ども会では、動物になりきって動きお話の流れの中で簡単なやりとりをしながら表現する楽しさをたくさん感じられるようにしていきます。また、劇遊びに必要なものを自分たちで作り、学級のみんなですすめていきます。
 友達と遊びたい思いが強くなってきた分、思いがすれ違ったり、言葉でどう伝えてよいか分からずもどかしい気持ちを感じたりと、葛藤する姿も見られるようになっています。自分の思いを出し、友達の思いに気付いていくことができるように友達との関わりを支えていきます。

12月 年長ぞう組

 子ども会に向けて仲間と一緒に劇の取り組みを進めています。大好きな絵本のお話や、みんなで行った楽しかったバス遠足で共通体験した水族館の生き物との出会いからお話作りをしました。大好きな生き物になり、友達と一緒に必要なものを作ったり、自分なりに役の気持ちを考えて表現したりしています。その中で、友達と一緒に考え合ったり、友達の良さに気付いたりする経験をしています。また、自分の登場する場面だけではなく、他の場面でも役割をもつことで自分たちの劇という意識をもって取り組んでいけるようにしています。学級の仲間と一緒に劇を作り上げていく達成感や満足感を味わえるようにしていきます。
 戸外ではドッジボールや短縄など、自分なりにめあてをもって繰り返し取り組む楽しさを感じられるようにしていきます。
 今月は、クリスマスや年の瀬などもあります。行事の意味を知り、季節ならではの遊びや製作を楽しんでいきます。また、生活に見通しをもち、自分たちで生活を進めていく気持ちが育っていくように支えていきます。