令和3年度 園便り

1月 子どもに任せる?大人が関わる?   園長 川嶋 佳恵

 謹んで新春のお喜びを申し上げます。皆様お揃いで、穏やかな新年をお迎えのことと存じます。今年は、寅年です。昨年の丑年は、「蓄え(耐える)の年」であり、「成長に向かって種子がパンパンに膨らんでいる時期」でしたが、寅年は、「成長」や「始まり」の年であり、「芽吹いたものが成長する、目立つ年」なのだそうです。これまで蓄えてきた才能や運気が成長する、発展するということですね。昨年も、新型コロナウイルス感染症が大流行し、世界中が大変な年となりましたが、今年は、感染症が落ち着いて、みんなの蓄えていた才能や運気が芽を出し、希望に満ちた、笑顔あふれる1年になりますよう心から願っています。今年もよろしくお願いいたします。

 さて、12月に入って、園庭開放が再開いたしました。といっても、昨年度は実施できていないので、再開ではなく、開始といった方がいいかもしれません。子どもたちはもちろん、保護者の方も初めての経験になる方もいらっしゃいますね。そこで、今回は、降園後の園庭開放や公園での遊びの様子や保護者の方の関わり方についてお伝えします。
 降園後の園庭開放や近隣公園での時間は、保護者の方に見守られ、学年の枠を超えた関わりがもてるなど、子どもたちにとって園生活とはまた違った楽しさがあります。保護者の方も、「こんな風に友達と関わるんだなぁ。」とか、「こんなことができるようになったんだなぁ」等お子さんの様子を知る機会になります。一方で、園生活では守っているような基本的な生活の決まりが守れていなかったり、友達とのやり取りや遊びの中の関りが行き過ぎではないかという場面に遭遇することがあり悩んでいるという話をよく聞きます。例えば、「行き過ぎていると思う行動をしているお子さんに声をかけたいけれどそのお子さんの保護者の方はその様子を見ていなかったり、遠目で見て、あまり気にする様子が見られなかったりすることがある。」、「気になってはいたけれど、どのように声を掛けたらよいのか分からない。」、「子供園の先生がするように幼児に寄り添った声の掛け方ができず、そのままになってしまっている。」、「危険だったり、やりすぎだったりする基準が分からない。」等の声が聞かれます。中には、「気になったらきちんと声をかけているけれど…それがよかったのかどうか分からない。」という方もいらっしゃいました。
 このように、保護者の皆様の育児感は、かなり違っており、「子どものことだから自分たちで、解決させたい。親が口を出すなんて…」と思う保護者の方もいれば、「いやいや、ちょっとでも危険だと感じた時には、遠慮なく止めるべきだ。」と思う保護者の方もいらっしゃいます。そう考えると、トラブルの場面でも声を掛けたらいいのかどうかも躊躇する気持ちもわかります。しかし、幼児の発達から見ると、危険だったり、やりすぎだったりすることに関して、まだまだ幼児の段階での自己判断は、難しいと言えます。つまり、周りの大人がやっていいことといけないことをその都度、教えていく必要があるということです。園生活の中では、保育者が規範意識や危機回避能力を身に付けられるように指導・援助をする役割を果たしています。子どもたちも「これはやってはいけないことなんだ。」ということを学び、守ろうとします。しかし、園庭開放や降園後の公園では、気持ちが大胆になり、その約束が守られないことも多いのです。降園後の遊びの場面では、保護者の方が見て、やってはいけないことを教える役割を担ってほしいと思います。保護者同士のおしゃべりや情報交換の楽しい時間ではありますが、そこに集中してしまっては、お子さんの危機やトラブルを見過ごしてしまいます。お子さんが遊んでいる近くで、御自身のお子さんの様子や友達とのかかわりの様子をきちんと見て、いざという時には声を掛けようという意識がとても大切だと考えます。見ている中で、「あれ、これはやりすぎ。」「これは、危険。」「こんな言葉を使ってはいけない。」と思ったら、注意をしてあげてください。また、ご自身のお子さんがやりすぎてしまった場面では、保護者の方がお子さんと一緒に謝ることも大切な教育です。

 自由に、のびのびと育てることは、とても大切なことですが、それは、危険や人としてやってはいけないことを見過ごすことではありません。もしもお子さんやその周りの子どもたちが間違っているなぁと感じた時には、子どもたちにしっかり向き合って、正してあげることも大人の責任です。子どもたちのことを一番近くで見ている保護者の方が、共に子育ての仲間となって良いところをきちんと言葉で認めつつ、時機をとらえ、必要なアドバイスをしていくことが子どもたちの成長にはとても大切だと考えます。

1月 年少ことり組

 1月は、コマや凧揚げ、カルタなど簡単なお正月遊びをしたり、氷や霜柱など冬ならの自然に気づき、触れて遊ぶ経験も大切にしたりしていきます。
 2月には「子ども会」があります。自分のしたい遊びの中で、みんなと一緒に色々な役になってお話の中で動いて楽しみます。また、楽器に興味をもち、好きな歌に合わせてリズムを感じながら楽器を鳴らすことを楽しんでいきます。
 積極的に戸外に出てしっぽ取りをしたり、引っ越しゲーム(椅子取りゲーム)をしたりして、友達や保育者と一緒に体を動かしながら簡単なルールのある遊びを経験していきます。

1月 年中うさぎ組

 1月は正月の雰囲気を感じながらカードゲームやすごろくなどをして、友達と共通のルールで遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。コマ回しでは繰り返し取り組む楽しさを味わえるようにしていきます。
 また、繰り返し歌ったり合奏したりする中で、友達と音楽に合わせて楽器を鳴らす楽しさや友達とリズムが合う喜びが感じられるようにしていきます。
 戸外でボール遊びや鬼遊びをして体を動かして遊び、寒さに負けない体づくりをしていきます。また、少しずつ年長組からお休み調べの仕事を教えてもらいます。年長組への憧れを感じ、期待感をもてるように支えていきます。

1月 年長ぞう組

 いよいよ園生活を締めくくる3学期が始まります。一日一日を大切にして、毎日友達との遊びや生活を思う存分楽しみながら、一人一人の成長を支えていきます。
 今月は、友達とお正月遊びを楽しんだり、戸外で体を動かして遊んだりします。カルタ、トランプ、すごろくなどのお正月遊びをしながら、文字や数字への興味・関心がもてるようにしていきます。また、コマ回しでは、繰り返し挑戦する中で、手先を使ってひもを巻いたり、力の加減をしながらコマを投げたりする経験をし、できなくても諦めずに取り組み、回せた達成感を味わえるようにします。

12月 絵本の読み聞かせのすすめ  主査 酒巻 治恵

 街の木々が色づいてきました。園庭にも落ち葉がたくさん落ちてきて、子どもたちは熊手で集めて楽しんでいます。先日の芋ほりでは今までにない程の大きなお芋がどんどん掘れて、みんなの歓声と共に笑顔のあふれる芋ほりとなりました。保護者の皆様から美味しかったとご意見をいただき、お弁当にも様々な調理方法で入れてくださって、子どもたちも「これ内藤さんのお芋だよ」と嬉しそうに報告してくれています。園では園庭で5歳児が植えたサツマイモと内藤さんのサツマイモをふかし芋と甘辛煮に、調理室で調理してもらい食べました。「おいしい!!」「甘いね!!」「おかわり!」と大喜びで食べていました。

 子供園では毎週木曜日に絵本の貸し出しを行っています。ご家庭でどのように絵本と接しているでしょうか。絵が好きで借りてきた、物語を知っているから借りてきた、毎週同じ本を借りてくる・・・など好きな絵本を選んで持ち帰っていると思います。字が読めるようになっても絵本は是非保護者の方に読み聞かせしてほしいと思っています。
 では、絵本にはどのような効果があるのでしょうか。”想像力がつく” ”心が育つ” “語彙力が増す” などいろいろな見解はあると思います。絵本を読んでもらうことで現実では体験できないような世界を旅してみたり、その話を楽しむことで物語の世界に入り込み、なりきってみたり、その世界の中で楽しんだりしながら、感性が育っていくことでしょう。絵を見ながら読んでもらって話を聞くので、聞く力も育つでしょう。もしかしたら、文字に興味が湧くこともあるでしょう。しかし、それは絵本の読み聞かせの最重要事項ではないのです。それでは、絵本の読み聞かせから得られる最も大切なものはなんでしょうか?大好きなお父さん、お母さんが、園では先生が素敵な世界に連れて行ってくれる、優しい声で話をしてくれることで、自分を愛してくれるという確信に変わることだと思うのです。日々の読み聞かせは、和紙を一枚一枚積み重ねるように愛されている体験として子どもたちの心にたまっていきます。愛された体験の積み重ねが自分を大切にする力につながっていくのです。大好きな人の膝で聞いた物語は大人になってもきっと心の中に残っていくことでしょう。(参考文献:こどものとも 平井氏)

 さて、今年も残すところ1か月となりました。年々一年が早くなるのは歳のせいでしょうか・・・
そんなことを思いながら大掃除の時期が来たな〜とぼんやり考えます。子供園でも2学期の終わりには、雑巾を持って自分たちの教室や使った砂場のおもちゃの大掃除を行います。物を大切にするという意味も伝えつつ、お家でも大掃除のお手伝いをしてもらってみてはいかがでしょうか?年末年始はお手伝いをする絶好の機会です。私の田舎の長野では毎年の歳取り(12月31日)には、けんちん汁、お刺身、焼き鮭、ホウレンソウのお浸し、長芋のとろろ、とメニューが決まっていました。さらに言えば、年始、元日は雑炊と御節料理、2日はお汁粉と何故か決まっていました。一緒に大掃除しながら、料理を作り一年を振り返る・・・そんな何気ない年末の風景も子どもの時は漠然としていましたが大人になってみると理に適っていることがたくさんあることに
気づきました。日本の文化を子どもたちに伝えていくことも大人の大事な役目かも
しれませんね。

 今年も子供園の教育にご協力いただきありがとうございました。
コロナ禍の保育では可能性を追求しながら子どもたちの経験を落とさないよう
工夫しながら日々過ごしてきました。できないのではなくどうしたらできる
のかを模索しながら、来年も過ごしていきます。

12月 年少ことり組

 少し肌寒くなってきましたが、元気いっぱい園庭に飛び出し、友達と一緒に走って体を動かすことを楽しんでいます。また、園庭の落ち葉や高井戸西公園で拾ったドングリで、砂場の具材に見立て料理を作っています。2、3人の幼児でウレタン積み木やビールケース、ゴザなどを使って、レストランやお寿司屋、ステージなどを作ることも楽しんでいます。
 今月は、みんなで、体操やリズムをしたり、しっぽとりをしたり、楽器遊びをしたりして、色々な経験ができるようにします。
寒くなり上着を着るようになってきたので、裏返しになった袖を元に戻したり、ファスナーやボタンを自分でしたりできるようにします。
 また、改めて手洗いうがいを徹底して、感染防止をしていきます。寒さに向かう時期ですが、1日1回は外に出て、戸外で体を動かす遊びをしたり、散歩にも行ったりします。

12月 年中うさぎ組

 園庭の落ち葉が多くなってきて、製作したサツマイモを使って焼き芋ごっこをするなど自然物を使って遊ぶことを楽しんでいます。また、園庭や保育室に家を作って、友達に自分の思いを出しながら一緒に遊ぶ楽しさを感じています
 今月は、自分の思いを言葉や動きで表しながら、友達とやり取りをして遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。
 子ども会では、動物になって動いたり、劇遊びに必要なものを自分たちで作りながら表現する楽しさを感じられるようにしていきます。
 友達と遊びたい思いが強くなってきた分、思いの違いや伝わらないもどかしさなどから葛藤する姿も見られるようになっています。自分の思いを出し、友達の思いに気付いていくことができるように友達との関わりを支えていきます。

12月 年長ぞう組

 年長組は、子ども会に向けて仲間と一緒に準備を進めています。お話のイメージが共有されてきて、友達と一緒に必要なものを作ったり、自分なりに役の気持ちを考えて表現したりしています。その中で、友達と一緒に考え合ったり、友達の良さに気付いたりする経験を大切にしていきます。また、学級の仲間と一緒に劇を作り上げていく達成感や満足感を味わえるようにしていきます。
 戸外ではドッジボールや鬼遊びなど、自分たちでルールを守りながら思い切り体を動かす楽しさを味わえるようにしていきます。
 今月は、クリスマスや年の瀬など季節の行事もあります。行事の意味を知り、季節ならではの体験をしたり、製作を楽しんだりしていきます。また、自分たちの生活を自分たちで進めていく気持ちが育っていくように支えていきます。