令和4年度 園便り

11月 まねっこしながら大きくなぁれ・・・  園長 川嶋 佳恵

木の葉が落ち始め、澄んだ空気に秋の深まりを感じる季節になりました。高井戸西子供園は自然環境に恵まれた素晴らしい園ですが、これからの季節は様々な木々の落ち葉が降り注ぎ、落ち葉で埋め尽くされてしまいます。大人にとっては、落ち葉掃きなど園庭整美が大変な季節ですが、子どもたちにとっては、そんな秋の園庭もとても魅力的な遊び場になります。秋の園生活もとても楽しみです。

さて、10月の運動会では、海をテーマに3歳の運動会と4・5歳合同での運動会の2部制で行いました。3歳ことり組は、落ち着いた雰囲気の中、担任の先生や気心の知れたお友達、そして大好きな保護者の方を身近に感じながら、普段通りの元気でかわいい姿を保護者の方に見ていただけたと思います。そして、3年ぶりの異年齢合同の4・5歳の運動会は、とても活気があり、どの種目も一人ひとりの子どもたちが力を発揮する姿に、又は、仲間と一緒に力を合わせ、助け合う姿に、心が躍る気持ちになったのではないでしょうか。保護者の皆様には、たくさんの声援や拍手をいただき、そして、運動会後のアンケートでも、たくさんのお褒めの言葉をいただきました。職員一同、とてもうれしい気持ちで、運動会を終えることができました。ありがとうございました。
その後の子どもたちはというと、しばらくの間、運動会の余韻に浸りながら園生活が回っていました。例えば、年長児のリズムでやった「パイレーツオブカリビアン」や応援団の踊りは、格好よくて魅力的で、うさぎ組にとってもことり組にとっても憧れです。遊びの中で、曲をかけ、見て覚えた振りをまねっこしながら嬉しそうに踊っていました。そして、ぞう組が取り組んだ円形リレーは、うさぎ組の子どもたちにとって最大の憧れであり、ぞう組の子どもたちの真剣な、そして瞬足な走りは、格好良さの象徴のようです。年長が楽しんだ後の円形を少し小さくしたトラックで、年長がやっていたようにリレー遊びをエンドレスで楽しんだり、最近では、年中・年長の自主的に集まった子どもたち混合30人くらいでエンドレスリレーを楽しんだりしています。格好良いフォームで走るお手本である像組がそばにいることで、うさぎ組の子どもたちのは知る姿勢も様になってきました。今から、来年が楽しみです。また、今回の運動会では、3年ぶりに始めの言葉や終わりの言葉係、体操係等年長児全員が何かの係を担って頑張りましたが、その姿を見たうさぎ組の子どもたちの中には、「私は、年長になったら、絶対に○○係をやるんだぁ。」と今から来年度の運動会の係に意欲を燃やしている子どもたちもいます。まねをしたい相手がいることは、憧れる気持ちだけでなく、こうなりたい!頑張りたい!という意欲にもつながり、個々の力を高めます。これらの姿から改めて、それぞれの学年で、年齢に応じた内容を楽しみながら、年齢が下の子どもたちが年上の子どもたちがやっている姿に憧れ、まねしてみたくなる姿がたくさん詰まった素晴らしい運動会であったと自負しています。

このようなまねっこする姿は、運動会に限らず、日常生活の中でもたくさん見られます。そして、それは、異年齢間だけでなく同じ学年の友達同士でも見られます。
遊んでいるうちにけんかになったA児とB児。けんかになった理由を聞くと、A児は、「だって、ぼくがいいこと考えて格好よくしたら、Bちゃんがまねっこするんだもん。何でもまねっこするんだよ。」と話します。A児に、「まねっこされるのは、嫌なの?」と聞くと「うん。まねっこされるのは嫌。」と怒っています。B児に、「まねっこしたの?」と聞くと、「うん。」と元気に答えます。私は、「そうかぁ、Bちゃんは、Aちゃんのことが大好きだから同じようにしたいんだね。」と聞くとB児は大きくうなずきます。私は、A児に向かって「Aちゃん、真似されるってことはかっこいいってことなのよ。だって、かっこよくなかったら、まねっこしたくないでしょ。Aちゃんは、Bちゃんにとって憧れのかっこいいお友達なんだね。」と言うと、A児はまんざらでもない様子で、B児は、にこにこしながらその話を聞いていました。
その後のある日、A児を中心に基地ごっこが展開され、積み木で場を構成したり、遊びに必要なものを作って身に付けたりして遊んでいました。A児は、豊かなイメージや発想を発信しながら周りの幼児に言葉をかけ、周りの幼児は、A児の思いに添って動いているように見えました。周りの幼児は、自分の思いが言えているのだろうか?と思い、しばらく見ていると、A児は、自分の思いを発信するだけでなく仲間になった幼児が遊びに必要なものを苦労しながら作っているのを見ると、手を添えたり、体や腕の大きさに合わせて丁度よくなるよう補強したりして手伝い、その遊びの一員としてみんなが楽しく遊ぶための援助をさりげなく行っていました。助けてもらった幼児もとてもうれしそうにしていました。周りの幼児にとってA児は、イメージが豊かで、遊びが面白く、思いやりがあり、頼りになる存在なのでしょう。だから、A児と同じように動くことや同じものを身に付けることが楽しくて、A児のまねをして同じように動いていたのでした。B児が「大好きだからまねっこしたい。」と言っていた意味がよく分かりました。
幼児は、自分の周りにいる素敵な存在に憧れ、まねっこし、そのまねっこの中に学びを見出し、いずれは、自分の力にしていくのです。子どもたちのまねっこする力を引き出すべく憧れの存在、まねっこしたくなる存在がたくさんあるといいですね。

11月 年少ことり組

 初めての運動会では、みんなで体を動かすことが楽しいという気持ちが感じられました。運動会後は繰り返しみんなで走ることを楽しんだり、他学年のリズムを踊ったり、鈴割りなどの競技をやってみたりして、異年齢の幼児に憧れをもっていました。
 今月は散歩に行って木の実を集めたり、園庭の落ち葉を集めたりして身近な秋の自然に触れ、遊びに使って楽しめるようにします。
 また、保育室では、紙やセロハンテープ、空き箱、ハサミなど色々な素材を使って作ることが楽しくなってきています。色々なものを作ること、またできたものを使って遊ぶ楽しさを感じることができるようにしていきます。

11月 年中うさぎ組

 運動会を経験し、身体を動かすことやみんなと一緒にリズムに合わせて表現することを繰り返し楽しんできました。運動会後は年長組のしていた競技やリズムをやってみたり、年少組と一緒にリズムの曲を踊ったりすることを楽しんでいます。
 今月はルールのある遊びを学級みんなで一緒に楽しんだり、イメージしたものを様々な材料や方法で作ったりして、友達との遊びを楽しめるようにしていきます。さらに、その中で自分の思いを言葉や動きで表現する楽しさが感じられるようにしていきます。
 また、子ども会に向けて役になって動いたり、やり取りをしたりする楽しさを感じられるようにしていきます。

11月 年長ぞう組

 運動会を経験し、一人ひとりが思い切り体を動かし、力を出し切った達成感や、友達と一緒に力を合わせる楽しさを経験しました。友達と一緒に遊びたい、何かをやりたいという気持ちが強くなってきています。
 今月は、友達と考えやイメージを出し合いながら一緒に遊ぶことを楽しめるようにします。また、子ども会に向けて仲間と一緒に準備を進めていきます。お話のイメージを共有しながら、友達と一緒に必要なものを作ったり、自分なりに役の気持ちを考えて表現したりしていきます。友達と一緒に考え合ったり、友達の良さに気付いたりする経験を大切にして、学級の仲間と一緒に劇を作り上げていく達成感や満足感を味わえるようにします。
 戸外では、ドッジボールや、鬼遊びなど、自分たちでルールを守りながら、思い切り体を動かす楽しさを味わえるようにしていきます。また、秋の自然にも興味をもちながら遊びに取り入れる楽しさを感じられるようにしていきます。

10月 経験の積み重ねの大切さ 〜安全に行動するために〜 副園長 大萩 純子

 先月、本園では保護者の皆様と引きとり避難訓練をしました。大地震発生で道路には陥没や落下物があるため徒歩で園に向かうしかない災害を想定したものでした。子供園には学区域に関わらず、杉並区在住で通園できる家庭のお子様が在籍しています。下のお子さんを抱っこやおんぶをしながら長い距離の方は、30分あまりかけて、徒歩でのお迎えにご協力くださいました。そのお陰で子どもたちは、いつもと違う状況でも“先生たちと待っていれば、お迎えしてもらえるから大丈夫”ということが経験できました。
 さて、私は先日、区内の副校長副園長の研修会にて、子供園、小学校、中学校での安全管理に関わる取組みを学ばせていただきました。教職員一同で前年度までの振り返りを生かして校舎内の危機管理をしている話、避難訓練を積み重ねると共に遠足等の移動先での安全な行動も身に付けるようにしている話、中学校では生徒自身が身を守る意識をもち、自主的に行動するように導いている話・・・等を伺いました。その中でも、特に印象深かったのは、海外の日本人学校に赴任されていた副校長先生のご経験でした。「赴任校では避難訓練で全員が避難するまでに45分もかかった」とのことです。生徒数はかなり多かったとはいえ、訓練時に校舎内から避難し終えるのに、それほど時間がかかってしまうとしたら、実際の災害時には、大混乱が起きてしまうかもしれません。そして、そのお話しをされた副校長先生は「なぜ、そんなに時間がかかったと思われますか?日本とは違い、その国では避難訓練の経験が少ないからです。」とおっしゃいました。
 以上のお話から、私は改めて集団生活の中で安全に避難する経験の積み重ねの大切さを感じました。
 子供園では、学年の発達段階や個別支援の様子に応じながら、月ごとにねらいをもって避難訓練をしています。入園当初は、何か分からずに怖がる子どもや、泣きだしてしまいそうな子どもさえいます。しかし、繰り返し経験する中で、子どもたちなりに、こうしていれば大丈夫という行動の見通しと、分かってきたことから生まれる冷静さがもたらされ、戸惑わずに機敏に行動するようになってきます。そして災害時には、静かに教師のそばに集まる、落ち着いて話を聞く、地震の際には頭を守れる体勢をとり身を守る、火災の際にはマスクやハンカチで口を覆い煙を吸わないようにする、“お・か・し・も”の内容が分かり、皆と一緒に安全な場所に避難をする、といったことが、段々と身に付いてきています。
 私たちは、子どもたちにとって子供園で積み重ねてきたこれらの経験が土台となり、小学校以降の災害時において、自分自身で身を守る行動につながることを願っています。職員間の連携をとり、今後も、子どもたちの安全を守って参ります。

 避難時の “お・か・し・も”とは
 お:おさない(・・・安全に過ごすために周囲の人を押さない)
 か:かけない(・・・危険物を避ける判断をするためにも、慌ててかけださない)
 し:しゃべらない(・・・大切な情報や指示を聞き逃さないために、しゃべらない)
 も:もどらない(・・・避難が手遅れにならないように、もどらない)

10月 年少ことり組

 かけっこや、リズムに合わせて踊ることを楽しんでいます。ことり組にとって初めての大きな行事、運動会では、巧技台などを使った活動もし、学級の友達やおうちの方と一緒に体を動かして楽しみたいと考えています。そこで今月は子どもたちが、同じ学級の幼児と走ることが楽しい!、ジャンプや橋を渡るのが面白い!等、体を動かす気持ちよさを繰り返し楽しめるようにしていきます。子どもたちにとってドキドキ、ワクワクの運動会では子どもたちの様々な様子が見られると思いますが、保護者の皆様には一つ一つが大切な経験と捉えて温かく見守っていただけますようよろしくお願いいたします。運動会後には、園庭や近隣の公園で秋の自然にもたくさん触れる機会を作っていきます。木の実や落ち葉を集めたり、ごちそう作りなどに使ったりしながら、遊びの楽しさを広げていきます。

10月 年中うさぎ組

 いよいよ今月は運動会があります。海の世界の中で、お気に入りの海の生き物になった表現遊びを楽しみながらうさぎ組のみんなで踊ることや、思い切り走ること、ねらいを定めて玉を投げることなどの遊びを繰り返し経験していきます。また、年長児の取り組みを見る中で、憧れの気持ちや、「うさぎ組も頑張るぞ!」という思いももって、元気に運動遊びに取り組んでいきます。日々の遊びの中でこれらの経験を積み重ねていくことで、体を動かす心地良さをたくさん感じられるようにしていきます。
 10月後半の遠足では、初めて保育者や友達と大型バスに乗ったり、広い動物園内の秋の自然やさまざまな動物の様子を見たりすることを楽しみます。
 運動会や遠足で楽しかったことを再現したり、秋の自然に触れたりしながら、友達と一緒に遊ぶ楽しさをたっぷりと味わえるように支えていきます。

10月 年長ぞう組

子どもたちは走る・踊る・踏ん張る・引っ張るなど様々な動きや、友達と気持ちを合わせて活動をする経験をしています。繰り返し楽しんでいく中で、年中の時よりも早く、そして力強く体を動かすようになってきました。思い切り体を動かし、力を出し切る達成感や、友達と一緒に気持ちと力を合わせていく楽しさを味わえるようにしていきます。年長は運動会では運動会係もします。どのようにしたいのか仲間と相談しながら取り組みながら、運動会に向けた様々な活動で、一人ひとりが自分の力を発揮する喜びを感じ、自信が得られるようにしていきます。
秋の遠足では動物に興味をもって見たり、全員で体験したことを遊びに生かしたりする中で、友達と思いを伝え合うことを楽しめるようにしていきます。