令和4年度 園便り

3月 かけがえのない素敵な時間          園 長 川 嶋 佳 恵

  園庭では、木々の芽が大きくふくらみはじめ、春の到来の足音が確実に近付いています。早いもので、あと3週間で年長組は修了式、あと4週間で年中組と年少組は、終業式を迎えます。
  今年度も、新型コロナウイルス感染症の感染対策や、感染予防と共にある子供園での生活でしたが、感染対策を徹底しながらできる限りみんなが同じ空間で生活し、遊びの中で学びを掴み取っていく高井戸西子供園の教育・保育を実現していけるよう尽力してまいりました。そして、子どもたち一人ひとりが大きくなったことを実感できる今があります。

 年少ことり組の子どもたちは、18人の集団の中で、空き箱や空き容器を使ってそれぞれが思い思いのものを製作したり、ごっこ遊びをしたり、砂遊びをしたり等思う存分に遊び、のびのびと自分を出したり、自分なりに一生懸命考えながら遊びに取り組んだりするようになりました。友達と同じ空間が心地よくなり、おしゃべりに夢中になっている様子も多くみられるようになりました。先日行われたことり組の子ども会では、それぞれが自分らしさを発揮しながら役になり切って動いたり、口を大きく開けて歌ったり、リズムやメロディーにのって楽しそうにスズやカスタネットを鳴らしたり…一人ひとりが学級の一員として楽しさに満ち溢れ、笑顔が輝く素敵な姿に大きな成長を感じました。
 年中うさぎ組の子どもたちは、29人の集団の中で、たくさん刺激し合って、友達と関わり合って、もまれ合って経験の幅が広がりました。どんな時でもとてもパワフルで、意欲ややる気が満ち溢れたうさぎ組の子どもたち。年長にあこがれの気持ちがあり、運動会の後は何回も何回も円形リレーを楽しみ、来年の運動会が今から楽しみだと思わせてくれたり、縄跳びや雲梯など簡単にはできないことに一生懸命取り組んだり、友達と一緒に思い切り遊びを楽しむ中で、自分に余裕が出てきて、周りの困っている友達を思いやる姿も見られるようになってきました。
 そして、年長ぞう組の子どもたちは、いよいよ修了の時を迎えます。どんなことにも夢中になる好奇心いっぱいの子どもたちは、友達と一緒に、試行錯誤しながら何気ない遊びを感動や喜びに変えてしまう遊びのスペシャリストでした。このような遊びの中で、自分の目で見て、耳で聞き、手で触り、様々な遊びや生活体験を積み重ねながら、自分の世界を広げ、心豊かな子どもに育ってきました。この様な子どもたちの成長ぶりは、運動会、子ども会などの行事をはじめ、日常の園生活の中でも、手にとるように分かります。先日行われたミニミニコンサートでの歌う姿や12種類の楽器を使っての合奏をする姿は、とても立派で、保護者の皆様も感動されたことと思います。27人の個性豊かな仲間同士の関わりは、うまくいくことばかりではなかったと思います。しかし、友達と思い切り笑い合ったり、喧嘩をしたりしながら人と折り合いをつけることを知り、仲間たちのちがいを受け入れ合いながら様々な感情体験を繰り返す中で芽生えた愛情や思いやりの気持ちは、素敵な人生を支える宝物になると信じています。
  私たち子供園職員の子どもたちと関わる時間は、1年から長くても3年です。長い人生を考えると、とても短い時間に思えますが、子どもたちにとっては、一生心に残る重要な時間だと考えます。そして、その一生心に残る時間は、とても幸せで、楽しいかけがえのない大切な時間であるべきで、その子の人生を支えるものだと考えます。だから、私たちは、子どもたちにとって「子供園の生活はとても楽しかった。」「○○先生はいつも寄り添ってくれて、大好きだった。」「人生に必要なことを、子供園でたくさん学んだ。」と思えるかけがえのない素敵な時間となるよう力を尽くしてまいりました。
 今、新しい世界へ一歩踏み出そうとしているぞう組の子どもたちは、とてもたくましく見えます。ぞう組の子どもたちには、高井戸西子供園で過ごしたかけがえのない時間の中で培った自信と誇りをもち、たくさんの先生たちから学んだことを心の礎として、また、どんな時でも「自分らしさ」を大切にそして、友達の「らしさ」も大切にすることを忘れずに大きく羽ばたいてほしいと願っています。
 最後になりましたが、私たちが、コロナ禍においても高井戸西子供園の質の高い教育・保育にこだわり、子どもたちのために尽力できたことは、ひとえに保護者の皆様の深い御理解・御協力のおかげと心より感謝いたします。これからも職員一同、子どもたちの幸せと成長を願い、保護者の皆様とともに就学前教育の充実に努めてまいります。

3月 年少ことり組

劇ごっこを経験し、みんなで一緒に表現する楽しさを感じたり、友達と一緒に遊びたい気持ちが強くなってきたりしています。友達との関わりが広がり、自分の思いをたくさん表しながら同じ場で遊ぶ中で、友達と一緒にいることを楽しんでいる姿が見られます。
今月は、好きな遊びを十分に楽しみ、満足感を味わいながら、ことり組での生活を楽しんでいけるようにしていきます。お別れ会に参加して、ぞう組をお祝いする気持ちやたくさん遊んでくれたありがとうの気持ちを感じることができるようにします。また、自分たちが進級してうさぎ組になることを楽しみにしたり、新しい部屋で過ごすことに期待をもったりすることができるように過ごしていきます。

3月 年中うさぎ組

 年長組になることに期待感をもち、少しずつ「ぞう組になるんだ」と大きく成長していることに喜びを感じています。ぞう組とのお別れに向けては、当番活動を教えてくれたり、一緒に遊んでくれたりしたぞう組に感謝の気持ちをもてるようにしていきます。うさぎ組が主体となって取り組む行事は初めてなので、一人ひとりが自信をもって取り組めるように支えていきます。
 今月は好きな遊びを十分に楽しみながら、残りのうさぎ組での一日一 日の生活が充実していくようにします。一人ひとりが自分のしたい遊びを見付けて友達と一緒に遊び、やりたいことに向かって考えたり工夫したりできるようにします。
 また、友達と遊ぶ中で、感じたり考えたりしたことなどを自分なりに言葉や動きで表現したことを友達に受け止めてもらう喜びを感じられるようにしていきます。

3月 年長ぞう組

 子供園での生活も残りひと月となりました。子どもたちは、修了式を前に、子供園で楽しかったことや、頑張ったことなどを思い出しながら、友達との遊びや毎日の生活を思う存分楽しんでいます。また、当番の引継ぎをしたり、修了製作を作ったりする中で子供園生活が残り少ないことを感じています。
 修了式への取り組みでは、心を落ち着かせて良い姿勢で話を聞くこと、友達と気持ちを合わせて、自分たちが子供園で大きくなってきたことを言葉や歌にすることなどを繰り返し経験できるようにします。一人ひとりが、毎日を大切にしながら、「あそびがすき」「ともだちがすき」「じぶんがすき」ということを感じて、自信をもって小学校生活に進めるようにしていきます。

2月 なお一層何かに向かいたい意欲につながる遊びの経験  副園長 大萩 純子

 子どもたちは、冬の寒さにも負けずに園庭では、鬼ごっこや学年に応じた作り方で手作りした凧あげをする姿、年中組では一人縄跳びを繰り返して跳べるようになってきた姿、年長組では友達と同時に大縄を跳びたくて何回も気持ちを合わせて挑戦する姿や初めての竹馬に苦戦しながらもめげず取り組む姿等々が見られます。子どもたちが生き生きと遊んでいるその姿は、とても素敵です。
 そのような子どもたちには、1月以降の保育室で学年の発達段階に応じたコマで遊ぶ機会も設けています。そのコマ遊びを通した子どもたちの姿をお話しします。
 年少組は、手回しコマで遊んでいます。両手で木芯を持ち、しごくような動きをして回すコマです。子どもたちは担任の励ましの中で、自分のコマが回るようになると「回ったあ、先生、見て見てー!」と喜び、何回も何回も木芯に気持ちを込めて回しています。やがて遊びながら、両手の動きも良くなっていきますし、「もっと回したい」というかわいい挑戦心がわき、「たくさん回せた」といううれしい気持ちを味わっています。
 年中組は、引きコマです。このコマでは、片手でコマを持ち、もう一方の手では、紐を軸に巻きつけてから思い切り引き抜くといった左右の手が違う動作をして回します。そのため、不慣れなうちは紐の巻きつけがゆるむ、紐を引き抜くタイミングが合わないなどのことがありました。そのような時子どもたちは「すぐ回せないと何だか嫌だなあ」という気持ちになりがちです。けれど先生からの励ましや友達がコマを回す姿から「やってみようかな」となり、繰り返しやってみて回せると「すぐできなくても、できるようになるんだ」といった前向きな気持ちを経験しているようです。
 年長組は、投げコマです。引きコマより太い紐をコマの裏面に渦のように巻きつけてから遊びます。子どもによって利き手や左巻きか右巻きかの好みの違いがあり、それに応じて投げ方が違うので、担任は保育室に投げ方の図解も提示し、子ども自身がどのように扱えばよいかを知りながら遊べるようにしています。けれど、簡単にはできません。巻き方、投げ方が安定していないと、コマが立たず、回らないからです。ある子は、周りの子どもが回せるようになった姿を見て何回も何回もあきらめずに挑戦し続け、やっと回せるようになったそうです。繰り返し挑戦しているうちに、コツをつかみ、しっかりと軸が立ったコマは、きれいに回っていました。本人はあきらめずにできた達成感を味わっているようでした。回せた子どもは、木製のコマに色を塗ることができるので、さっそく思い思いに色を塗っていました。塗ったコマを回すと、今度は塗ったはずの色とは違った予想外のきれいな混色のコマとなり、楽しさが倍増します。そのような友達の姿から「ぼくだって、できるようになりたい」と思って挑戦する子どもの姿も見られます。そして学級の中で友達が回せるようになった姿を伝えあい、うれしさを共感しあう姿や友達と集ってコマ回しの楽しさを感じあう姿も、とても微笑ましく思います。      
 以上のように子どもたちはコマ遊びに限らず、今後も遊びの中で様々な遊びをしながら前向きな気持ちになったり、それを支える人や物との対峙を経験したりしてほしいものです。それらの経験が、子どもたちの今後の生活の中でなお一層何かに向かいたい意欲につながることを願って保育してまいります。

2月 年少ことり組

 他の幼児と同じ動きをしたり、同じものを作ったりすることに嬉しさを感じ、一緒に遊びたいという気持ちも見られるようになっています。自分のしたい遊びをする中で、他の幼児と同じ場で動いたり遊んだりすることが楽しいと感じられるように支えていきます。
 今月は、したい遊びの中で何かになりきって動いたり、自分の思いを動きで表しながら遊んだりすることを楽しめるようにします。また、学級のみんなで一緒にすることの楽しさを感じることができるように、子ども会では、学級で楽しんでいるお話の中で、みんなで動いたり歌ったりして、一緒に活動する楽しさが経験できるようにしていきます。
 憧れの年長組とのお別れが近いことや、自分たちももうすぐ進級して年中組になることを様々な機会で知らせ、修了をお祝いする気持ちや進級するという嬉しさや期待感をもてるようにしていきます。

2月 年中うさぎ組

 友達と一緒に遊ぶこと、関わることが楽しくなってきています。自分の思いや考えを友達に伝えたり、友達の気持ちに気付いたりしながら一緒に遊ぶ楽しさが感じられるように支えていきます。また、コマ回しや縄跳びなど、自分なりのめあてをもって遊べるようにしていきます。
 今月から来月にかけて、「年長組から当番の引き継ぎ」「ミニコンサート」「お別れ会」など、学級みんなで力を合わせてする活動が続きます。コンサートでは、みんなで歌を歌ったり、楽器を鳴らしたりすることを楽しみながら、声や音が揃う心地よさを感じられるようにしていきます。
 当番の引き継ぎやお別れ会を通しては、年長組への憧れの気持ちや期待感をもてるようにしていきます。また、大きくなった自分を意識できるようにし、学級の中で自分の力を発揮する嬉しさを感じながら自信につなげるように支えていきます。

2月 年長ぞう組

 今まで使ってきた楽器を使って、音色や曲想を感じながら、学級のみんなと気持ちを合わせて合奏をしたり、歌ったりする楽しさが味わえるようにします。また、自分の好きな楽器を選んで繰り返し取り組み、自信をもって演奏する中で表現することの楽しさを味わえるようにします。
 年中組へモルモット当番やおやすみしらべの引き継ぎを始めました。年下の相手のことを思いやりながら接したり、関わりの中で自分たちの成長を感じたりすることができるようにし、学級や園の友達とのつながりがより深まるようにしていきます。
 子供園生活もあとわずかです。最近では自分のめあてに向かって挑戦することを楽しめるようになってきた姿が見られます。一人ひとりが諦めないで取り組むことを楽しめるよう支えていきます。また、今まで楽しんできたことやできるようになったことなどをみんなで振り返り、心も体も大きくなってきたことを感じ合いながら、修了式に向かえるようにします。