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2021.06.27学校だより6月号「ラーニングピラミッド」

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 平成26年の文部科学大臣の中央教育課程審議会への諮問「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」から「アクティブ・ラーニング」という言葉をよく聞くようになりました。また、アメリカ国立訓練研究所によると、学習方法と平均学習定着率の関係は「ラーニング・ビラミッド」という図であらわすことができると言います。学校ではいろいろな形で授業を行っていますが、この図からみると、講義形式での平均定着率は5%、デモンストレーションの場合には30%。グループで討議すると50%と、ピラミッドの下にいくほど定着率が高いということを示しています。先生が説明している「講義」を受動的に聞くだけだと、よほど興味のある内容でない限り、忘れてしまいそうです。「自分で本を読む」ことは講義を聞くよりも能動的ではありますが、漫然と活字を追いかけていくこともありそうです。「動画や音声による学習」はよりインパクトを与えてくれます。そして「実演を見る」という取り組みですが、演示実験を見たり、工場見学に行くなどの活動が考えられます。実演の内容によっては音や臭いなどで直接訴えかけてくることもあり、動画を見るよりもインパクトはさらに大きそうです。また、見ていて何か疑問があればそこで質問することも可能です。これらの学習での平均定着率がこのような数値になるのかということを証明できるわけではありませんが、感覚的には講義を聞いているのと。実際の実演を見ることの違いはあきらかだと思います。

 次の「他者と議論する」ですが、グループ内で自由に意見交換する場合や、あらかじめ決めた順番・内容・役割に従って発言するディベートなどがあります。リアルタイムで意見交換をするためには、頭の中で筋道だてて考えを整理することと、自分の考えを人に伝えることが必要なため、より能動的な関りが求められます。また、討論の中から新たな考え方やヒントを得ることもできます。下の写真はコロナ禍でのグルーブ協議の様子です。コロナ以前は4つの机をくっつけて話し合っていましたが、このくらいの間隔であっても十分に意見を交換することができます。次は「自ら体験する」ことですが、体育、音楽、図工・美術、技術・家庭科などの実技教科では、実際に手や体を動かす中や、練習を積むことで感覚的に学ぶことも多いものです。また、現地に赴いて調査・研究を行うフィールドワークなどもあります。そして、最も下の部分が「他人に教える」になります。他の人に教えるためには自分自身の理解は不可欠ですし、質問を受けた時にも答えられなければなりません。いろいろな方法で教えていく中で、時には失敗を経験することで、より細やかに教えていくことができるようになってきます。はじめに述べたことですが、このような能動的な「他者との議論」や「実践による経験や練習」「他の人に教えることを重視すること」等がアクティブラーニングとして注目されています。高円寺学園でも学習内容に応じて様々な学習形態をとりながら進めていますが、どの教科でも、話すこと、聞くこと、考えることといった活動を繰り返しながら「考えかた」や「学び方」を身につけ、いろいろな知識を得、多様な意見を取り入れながら自分自身の考えを柔軟にアップデートさせていきます。そして、このような「学び」は中学校を卒業しても、高等学校、大学、企業でも活用できるはずです。

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