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2021.09.04学園だより9月号

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学校連携観戦から2学期を考える                  

 88日、東京2020オリンピックが終わりました。205の国と地域から、約11000人が参加し、実質19日間に史上最多の33競技339種目が行われました。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、2020年夏の開催日程を1年間延期。無観客という形で行われました。今まで子供たちとオリンピック・パラリンピック教育に取り組んできました。オリンピック、パラリンピックを学ぶため、お話を聴いたり、実際に競技を体験したり、パキスタンとも交流してきました。学校連携観戦も4年生から9年生で計画し、みんなでラグビーを観戦する予定でしたが残念です。しかし、オリンピック期間中テレビでいろいろな競技を観戦し、思わず応援してしまいます。スポーツには人の心を動かす力があることを改めて確認させてくれました。

 パラリンピック開幕前に、無観客を決定後、開催自治体で希望する児童や生徒を対象に実施される学校連携観戦についての議論が始まります。その教育的な意義について、組織委員会会長は「五輪も教育的な価値はあったが、さらにパラリンピックは身体的な障害を乗り越えて、チャレンジしてきた背景がある。さまざまな大会、パラスポーツを拝見してきた私自身、パラリンピアンのことを本当に尊敬しております。」と述べ、万全の感染症対策を講じた上で、ぜひ子供たち、生徒の皆さんには、パラアスリートの姿を見ていただきたい」と呼びかけます。東京都知事は、東京パラリンピックの観戦機会を児童や生徒に提供する「学校連携観戦プログラム」について、「子どもたちが選手の姿を見ることを、より安心安全な形でできるように準備を進める」と述べます。 

 ところが、その後開かれた都教育委員会の臨時会では、新型コロナウイルスの感染を懸念し、委員5人のうち出席した4人全員から反対の意見が出されました。知事は委員の議決を取らない報告事項だとした上で「ご意見を参考にする」と述べました。学校連携観戦は25日から95日までの間に12会場での実施を予定し、幼稚園や小中高、特別支援学校、などの希望者を対象として行われることになります。これについてウイルス感染症対策分科会の会長は、国会の閉会中審査で「(五輪開催時と比べると)今の感染状況はかなり悪くなっている。そういう中で観客を入れることがどういうことか考えていただければ、当然の結論になると思う」と慎重な姿勢を示しています。「共生社会の実現」に尽力してきたパラスポーツですが、7月上旬から全国各地で感染者が急増。ある医療従事者は「デルタ株で子供の感染が全国的に増えているし、子供が重症化している例も聞かれます。今は五輪の時期より感染者が増えており、医療も逼迫している。感染をしないという根拠もありません」と表情を曇らせます。さらに「無観客での開催なら、完全に無観客にしないと。児童や生徒はいいという根拠が分からない」と苦言を呈しています。

 賛否両論の意見がある中、学校連携観戦について学園では最初に参観の打診をいただいた特別支援学級の児童生徒に連絡し、希望者を829日に引率するという形で参加することとしました。おそらく多くの子どもたちも観戦したかったことと思います。みんなに声をかけられず申し訳ない気持ちでいっぱいですが、できるだけ安全に引率していくことを考えてのこととご理解くださいますと幸いです。

 今日から2学期が始まりましたがコロナが収まる気配は全くありません。都内で新型コロナウイルスに感染した10代以下は、7月上旬はおおむね1日あたり100人以下で推移していたのですが、新規感染者の急増に伴って増え、819日の段階で856人となりました。都によると、感染者全体に占める10代以下の割合は7月以降、十数パーセントで推移し、夏休み期間中も減少する兆しはみられていません。学習塾での感染や、中学校で生徒が感染するなど、子どもが関連したクラスター(感染者集団)の発生例も確認されています。横浜の市立小中高校は多くの学校が26日に夏休みを終える予定でしたが、31日まで臨時休業にし、912日までを短縮授業にするといいます。文部科学大臣は2学期スタートに向けて、学校の福祉的な役割などを理由に、全国一斉の臨時休業を要請する考えがないことを述べるとともに、学校で感染者が出た場合に備え「学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖というオプションもあらかじめ用意しておかなければならない」と感染状況に応じた対応を事前に確認するよう求めています。この「今までとの違い」をしっかりと認識し、2学期の活動を安全で充実したものにする努力を全職員で行ってまいります。今学期も1学期と変わらぬ各ご家庭のご理解、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。

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