令和7年度 園便り

体を動かすことを楽しみながら 副園長  大萩 純子

9月中頃まで猛暑続きで熱中症予防などのため園庭で体を動かして遊ぶ機会が例年より少なくなりました。長い時間部屋で過ごしていると子どもたちは段々と落ち着かなくなり、体を動かして発散したい様子になってきていました。そこで学級では適時、保育室やホールを活用しリズム表現や巧技台を組み立てた運動遊びを取り入れました。  また、少し気温が下がった日には、短時間ですが園庭で運動遊びもしてきました。すると子どもたちは元気に体を使った遊びをし、その後はすっきりとした表情や笑顔になっていました。体を使って様々な動きをすることでリフレッシュしたようです。その後の集中力や意欲も取り戻していました。体を動かして遊ぶこと、運動することは大事だな、と改めて思いました。

文部科学省が策定した幼児期運動指針には、“幼児期の運動は、一人一人の幼児の興味や生活経験に応じた遊びの中で、幼児自らが体を動かす楽しさや心地よさを実感することが大切であることから、幼児が自発的に体を動かして遊ぶ機会を十分保障することが重要である。さらに、幼児が楽しく体を動かして遊んでいる中で、多様な動きを身に付けていくことができるように、様々な遊びが体験できるような手立てが必要となる”と記載されています。(一部抜粋)

子供園では、生活の中で運動遊びが楽しめる工夫をしています。
年少組は、『♪バナナなの』のリズムに合わせて体を動かし、教師と一緒に踊ることを楽しんでいます。その姿をじっと見ていた幼児も、教師が楽しそうに踊る姿を繰り返し見るうちに、そっと手を動かしていました。繰り返し見たり聞いたりするうちに安心し、思わず心も体も動いているようでした。今後も幼児一人ひとりが体を動かす楽しさを感じられるようにしていきます。

年中組は、園庭に玉入れポールが用意されてあることを発見した子どもが駆け寄り、玉入れ遊びを始めていました。初めは、玉はなかなかポールの網に入らなかったのですが、あきらめずに、繰り返し投げているうちに狙いを定め、腕を大きく動かして投げる等、投げるコツをつかんでいきました。そして、玉入れかごに入ったときには、そばにいる友達と「はいったー!」「たくさん、入ったね」「もう一回したい」など声を弾ませて、楽しさを共有していました。
年長組は、教師が話題に出す前から、運動会のリレーをすることに期待感がありました。そこで、先日、杉並からだつくりキャラバンの土橋コーチから走り方を教えてもらいました。当日は、しっかりと足を踏み込んで歩幅を広げて走ること、リレーのコースでは体をカーブに沿うように走ること等、走り方のコツを、子どもたちはよく聞いていました。そして翌日からは、遊びの中でより一層力いっぱい走ったり、友達と声を掛け合い2チームに分かれて走る面白さを感じたりしています。今後は、チームの友達と気持ちを合わせてバトンをつなぎチーム対抗で競い合うことも楽しむことでしょう。

このように、子供園では、各学年の興味・関心に応じて、様々な工夫をしています。
今まで子どもたちが遊びで楽しんできた運動遊びを運動会につなげていきます。
保護者の皆様も10月の運動会をどうぞお楽しみください。

≪年少ことり組≫

天気がいい日には園庭で元気いっぱい走り、追いかけっこやかけっこをしたり、リズムに合わせて踊ったりすることを楽しんでいます。ことり組にとって初めての大きな行事である運動会は、他学年からも刺激を受けながら、体を動かすことが楽しいと感じられるようにしていきます。
今月は子どもたちが、先生や学級の幼児と「走ることが楽しい!一本橋を渡ったり、トンネルをくぐったりするのって面白い!」と、体を動かすことを繰り返し楽しめるようにしていきます。運動会当日は子どもたちの様々な様子が見られると思いますが、保護者の皆様には一つひとつが大切な経験と捉えて温かく見守っていただけますようよろしくお願いいたします。
運動会後には、サツマイモ掘りや近隣の公園への散歩遠足などもあり、秋の自然に触れる機会をつくっていきます。また、木の実や落ち葉を集めたり、ごちそうづくりに使ったりして遊びにも取り入れていきます。

年中うさぎ組

9月は、みんなで「はじき絵」で大きな海をかいたり、色とりどりの魚をかいたりして、海の世界を「かくこと」で表現しました。他にも、自分たちが海の生き物(魚)のつもりになって「動くこと」でも表現しました。今月の運動会では、そのような姿を伸び伸びと表現できるよう、遊びの中でも繰り返し海のイメージを取り入れられるようにしていきます。また、年長児の取り組みを見る中で、憧れの気持ちや、「うさぎ組も頑張るぞ!」という思いをもって、元気に運動遊びに取り組み、体を動かす心地良さをたくさん感じられるようにしていきます。
10月後半の遠足では、先生や友達と大型バスに乗ったり、様々な生き物をじっくりと見たりすることを楽しめるようにしていきます。また、運動会や遠足で楽しかったことを再現したり、秋の自然に触れたりしながら、友達と一緒に遊ぶ楽しさをたっぷりと味わえるように支えていきます。

年長ぞう組

気持ちの良い気候になり、毎日園庭で体を動かすことを楽しんでいます。いよいよ待ちにまった運動会です。子どもたちは、走る・踊る・海の生き物になりきって動くこと等を楽しみ、友達と気持ちを合わせて活動しています。いろいろな運動遊びを繰り返し楽しんでいく中で、力強く体を動かすようになってきました。自分の力を出し切り、チームの友達と一緒に、気持ちと力を合わせていき満足感や達成感を味わえるようにしていきます。年長は運動会では係の仕事もします。運動会に向けた様々な活動で、一人ひとりが自分の力を発揮する喜びを感じ、自信となるようにしていきます。保護者の皆様には、お子様の頑張る姿を温かく見守り、励ましていただけますよう、よろしくお願いいたします。
運動会後には、楽しかったことや頑張ったことを振り返りながら、再現して遊んだり、秋の自然を遊びに取り入れたりしていき、友達とのつながりを感じながら思いや考えを出し合って遊ぶことを楽しめるように支えていきます。

「運動会を通して育つ力」 園長  石床 美穂子

雨天のため10月12日(日)に延期した運動会は、子どもたちの笑顔いっぱいの運動会となりました。今年は、猛暑日の多い9月でしたが、少しずつ戸外で運動する心地よさを感じられる気候となり、走る、飛ぶ、渡る、這う、引っ張る、投げる、踊るなど、園庭やホール等を使って、様々な運動遊びをどの学年も楽しんできました。
行事は、子どもたちの生活に変化と潤いをもたらすものであり大切ですが、運動会に向けての取り組みは、子どもたちが“やりたい”という思いをもって主体的に取り組めるようしています。これまで経験してきた運動的な遊びや動きを基に日々楽しんで行えるように環境や保育者の援助を工夫してきました。
今年の運動会は、『わくわくシーパラダイス』というテーマで、海の生き物や海に浮かぶ南の島の生き物が登場しました。また、園庭には、海の生き物や波などの装飾や旗が飾られ、子どもたちは、なりきって動くことも楽しんでいました。日頃の保育で、子どもたちが楽しみながらつくったものが、みんなを応援してくれているようでした。
運動会で、子どもたちのいきいきとした姿を温かいまなざしで見ている保護者の皆様の表情もとても素敵でした。笑顔で見たり、声援を送ったり、最後にはたくさんの拍手をいただきました。子どもたちは、うれしい気持ちでいっぱいだったと感じます。保護者の方たちからいただいた運動会のアンケートの子どもたちへのメッセージもとても嬉しそうに聞いていました。本当にありがとうございました。

運動会当日はもちろん、運動会に向かう日々の中でも子どもたちは様々なことを経験し、心と身体が育っていきます。年長ぞう組は、リレーをしました。トラック一周を走りきる力、頑張りたい気持ち、チームの仲間意識などの育ちがあることから年長ぞう組のプログラムに入っています。今年は、暑さが厳しかったため9月上旬は、ホールで年中の時から経験のある折り返しリレーをしていました。中旬に園庭で走れるようになり2チームに分かれてエンドレスリレーをし、何回も何回も走りました。色違いのビブスを付けて走るとチームの一員という意識が出てきました。ICTを活用し、子どもたちの走る姿を撮影し、先生と子どもたちが振り返りをしながらラインの中には入らない、相手を触らないなどルールの必要性に気付き、学級のみんなでルールを共通にしました。より面白くなるように毎回チーム分けをし、走る順番をチームの子どもたち同士で決めるようにしました。そして、数字のついたゼッケンを用意するとますます意欲的に取り組むようになりました。バトンをつなぐ中で、「まかせて」「追いつくぞ」とすぐに走り出したり、チームの友達の走りを目で追って「がんばれ」と応援したりしチームでバトンをつないでいるという気持ちが強くなっていきました。勝つとみんなで喜び、負けるとくやしくて涙することもありました。遊びの時間も繰り返し走ったり、どうしたら勝てるかを考えたり、あきらめずに取り組み、運動会当日を迎えました。どの子もチームの一人として、自分の力を出し、走ることやバトンをつなぐことができました。大勢の声援の中、走り切った子どもたちの表情は、とても生き生きとしていました。
 このように、“やりたい”という気持ちをもって運動会前から当日まで、たくさん走り、いろいろな感情体験をしてきた子どもたちは、友達と一緒に取り組む楽しさを感じながら、様々なことを学び、力を付けていきました。

運動会後もリズムやリレーなど学年を超えて楽しんでいます。「また、運動会やりたい!」「何回もやりたい!」という子どもたちの言葉をとても嬉しく感じています。

年少ことり組

運動会では、うさぎ組やぞう組の幼児の姿に憧れを感じ、繰り返しみんなで走ることを楽しみました。また、他学年のリズムを踊ったり、競技や応援係のまねをしたりして、いろいろな運動遊びを楽しみました。
今月は散歩で集めてきた木の実や落ち葉などを使って遊んだり、園庭でいろいろな落ち葉を集めて身近な秋の自然に触れたりして秋の自然を感じられるようにしていきます。
保育室では、紙やセロハンテープ、空き箱など色々な教材を使ってつくることが楽しくなってきています。色々なものをつくること、またできたものを使って遊ぶ楽しさを感じることができるようにしていきます。

≪年中うさぎ組≫

運動会では、いろいろな競技・表現を通して体を動かす楽しさを感じました。過ごしやすい気候になったことで、運動会が終わった後も引き続き園庭で遊んだり、年長組の踊りや表現をまねしたりして、体を動かす楽しさを十分に感じています。
 今月は、ルールのある遊びや、触れ合い遊びを学級みんなで一緒に楽しみ、友達とのつながりを感じられるようにします。友達と一緒に遊ぶ中では、自分の思いを言葉や動きで表現する楽しさが感じられるようにしていきます。
また、遠足の経験から、動物・生き物のつもりになって表現したり、イメージしたものを様々な教材や方法でつくり、自分なりに工夫しながら遊ぶことを楽しめるようにしたりしていきます。

≪年長ぞう組≫

運動会を経験した後、リレーをしたり、リズムを再現したりし思い切り体を動かして遊んでいます。友達と一緒に力を合わせる楽しさや力を発揮する達成感を味わっています。友達と一緒にめあてをもって遊び実現させたいという思いが強くなってきています。
今月は子ども会に向けて仲間と一緒に準備を進めていきます。経験したことを生かし、お話のイメージを共有しながら、友達と一緒に必要なものをつくったり、自分なりに役の気持ちを考えて表現したりしていきます。友達と一緒に考え合って劇をつくり上げていく満足感や達成感を味わえるようにします。
 戸外では鬼ごっこやドッジボールなどルールを守りながら、思い切り体を動かす楽しさを味わえるようにしていきます。また、秋の自然にも興味をもちながら遊びに取り入れる楽しさを感じられるようにしていきます。