皆さま、本日はお忙しい中、松ノ木小学校の新1年生保護者説明会にお越しくださり、ありがとうございます。校長の笠原と申します。
新1年生の皆さんをお迎えするにあたり、本日は本校が大切にしている3つのことについてお話しします。
1つ目は『人権』です。
小学校は、学びの場であると同時に、お子さんにとって“社会”の入口でもあります。
たくさんの友だちと関わりながら、相手を尊重し、思いやりの心を育むことがとても大切です。
人が集まれば、必ず小さなトラブルが生まれます。そのトラブルをどう解決していくか、自分はどのように反省し、次にどんな行動を取ればいいのか。子どもたちは考え、行動し、失敗しながらも少しずつ成長していきます。その過程を経ることで、やがて自分自身の性格と上手に付き合える大人になっていきます。
「うちの子は手をかけてあげなければダメなんです。」と心配になることもあるかと思います。しかし、手をかけすぎることで、子ども自身が乗り越える経験を積む機会を失ってしまうこともあります。もちろん、困ったときは学校にぜひご相談ください。家庭では見えにくい集団の中での姿を、教員たちはよく見ています。私たちと一緒に、お子さんの成長を見守っていきましょう。
2つ目は『防災』です。
私は宮城県石巻市の出身です。2011年の東日本大震災では、多くの出来事がありました。私が生まれた頃も宮城県沖地震があり、妻の実家のある新潟県長岡市も中越地震で被害を受けました。
日本に住んでいる限り、大きな地震や災害は避けては通れません。さらに、日常生活の中にも 交通事故や不審者対応 など、子どもたちが自分で判断しなければならない場面が増えています。
本校では、いつ起こるかわからない大震災や緊急時に、冷静に対応できる力を育てることが重要だと考えています。その一環として、今年度は、震災時に本校に設置される震災救援所を 5・6年生の子どもたちが運営する訓練 を行いました。1年生から4年生と、地域・保護者の方には避難者として参加してもらいました。
この訓練を通じて、子どもたちは震災発生時にどのような方々が、どのような仕組みで、どのように行動するのかを実際に学ぶことができました。将来、日本のどこかで震災が発生したとき、ここでの経験が役立つことを願っています。
3つ目は『学力』です。
お子さんの学び方は、一人一人異なります。得意なこともあれば、苦手なこともあります。だからこそ本校では、『個別最適な学び』 を大切にしています。
本校の取組は、東京都教育委員会からも注目され、記事として都内すべての小・中・高校、特別支援学校に紹介されました。
これまでの教育は、黒板の前で先生が一斉に指導するスタイルが中心でした。しかし、本校では、授業の最初こそ教師が課題を示しますが、その後は 子どもが興味のある課題に、それぞれの方法とペースで取り組む スタイルを取り入れています。教師は、一人一人の学びを深めるために、助言を行います。
このスタイルが可能になった大きな要因は、日本全国で 1人1台のタブレット が導入されたことです。タブレットを活用することで、学習を広げたり、深めたり、記録したり、共有したりすることが容易になりました。この取り組みにより、学力の向上も見られています。
以上のように、本校では 「人権・防災・学力」 の3つを重点的に取り組んでいきます。ぜひ、ご家庭でも大切にしていただき、一緒に子どもたちの成長を支えていきましょう。保護者の皆さまにおかれましては、お子さんの頑張りを認め、励まし、一緒に成長を喜ぶ存在でいていただければと思います。
4月から、新1年生の皆さんとお会いできることを、心から楽しみにしております。

