令和7年度 園だより

9月 観察する目考える力を想像の世界へ広げて    園長 齋藤 由美

夏休みが終わり、そらグループ、おひさまグループの子どもたちみんな揃って元気な声が園に戻ってきました。子どもたちは、一回り大きくなり生き生きとした表情からもたくましさや成長を感じます。その姿から夏休み中のそれぞれのご家庭での楽しい体験が伝わってきます。
今年の夏、子供園の園庭の草花や保護者の皆様と一緒に土をつくり育ててきた野菜たちは、太陽を浴びてぐんぐんと育ちました。野菜はたくさん実り収穫をすることができました。
さて、夏休みの間、園で生活していた子どもたちからは、様々な場面で「どうして?」「なぜ?」という問いかけをたくさん聞く機会がありました。ご家庭での生活の中でもたくさんあったのではないでしょうか。子どもたちは、身の周りの自然や友達の姿をよく観察し、小さな気付きから考えを広げ遊びの中で工夫したり、友達と一緒に新しい遊びを創り出したりしています。
年長の子どもたちは、次の野菜作りのために、1学期の終わり頃からコンポストでの土づくりに挑戦しています。給食で残った食材を混ぜながら「この土はどうなっていくのだろう?」と思いを膨らませています。そして、「コンポストはどうしていい土になるの?」「うんちになるの?」「幼虫を育ててみたいな。」など、自分が今まで経験してきたことをもとに自分なりに推測し思いを言葉にしています。また、冷凍庫で色水を凍らせて遊んだのですが、「氷の色はなぜ真ん中に集まるの?」「水の中でテープを凍らせると何で上がってきてしまうの?」と言った疑問を口にしていました。こうした問いかけは、観察する目や考える力の芽生えであり学びの大切な一歩です。
さらに子どもたちはその疑問をもとに、想像の世界へも羽ばたきます。「土の中で何かの生き物たちが働いているのかもしれない。」「私、ダンゴムシのお母さんと赤ちゃんが一緒にお散歩しているんだと思う。」「氷の色が踊っているみたい。」「なんだかショーみたいにきれい。」こうした発想は、豊かな感性やイメージの広がりを育みます。
園庭では、ダンゴムシやアリ、チョウチョウやハチ、葉っぱやキノコ、香りのある草花や可愛い花々など、日々自然との出会いがあふれています。こうした自然物との出会いやかかわり、体験の一つひとつが、子どもたちの心を動かしていきます。2学期は、“不思議な森”をテーマに、子どもたちと共に自然を感じ、探究し、想像を広げる活動を楽しんでいきたいと思います。子どもたちが園での生活や遊びが楽しい!みんなで楽しくハッピーな気持ちになる!そんな活動や遊びが展開できるようにしていきます。その体験の積み重ねが10月には運動会という大きな舞台で表現され一人ひとりの成長や自信につながっていくことを願っています。
2学期も子どもたちの小さな疑問や発見、楽しみを一緒に見守り、支えていただけますようお願いいたします。保護者の皆様と手を携えながら、子どもたちの成長を共に喜び、育てていけることを心から楽しみにしています。2学期もどうぞよろしくお願いいたします。

8月 『真似することから育つ子どもたち』  副園長 小森 三奈子

もうすぐ1学期が終わります。入園・進級当初は緊張や不安の表情を見せていた子どもたちも、一人ひとりが新しい環境の中でやりたいことに向かって遊び出していく姿が見られるようになっています。
年少組は、4月入園当初は保護者から離れがたい姿も見られましたが、保育者や子供園の環境に慣れ、自分たちの保育室からテラスや園庭、年中・年長組保育室やおひさまルーム、地下ホールへと活動の場や興味・関心が広がってきています。
ある天気の良い日、年中組が園庭でダンゴムシを探して捕まえ、大小様々な大きさのダンゴムシをカップに集めると年少組に見せてくれました。翌日、年少組は年中保育室までダンゴムシを見に行っていましたが、「自分たちもダンゴムシを捕まえてみたい」と思った幼児がすぐに年中組を真似て探し始めました。年中組は「こういう所にいるんだよ。」とダンゴムシがプランターの下や植栽の中などにいることを優しく教えてくれました。一人が見つけると、周りにいた幼児も刺激を受け、ダンゴムシを捕まえていました。

本物のダンゴムシを十分に見たり触れたりした後は、ダンゴムシ人形をつくって遊べるような素材を保育者が用意しました。保育者は、子どもたちの目の前でつくり動かして遊ぶと、興味をもった幼児も真似てつくっています。一人で何匹ものダンゴムシ人形をつくり、ご飯をあげたり、可愛がったりするだけでなく、保育者が用意したダンゴムシ人形の滑り台に転がしたり原っぱで遊ばせたりと、つくったダンゴムシを媒介に興味をもった幼児が集まり、同じ場で遊ぶことを楽しんでいました。
また別の日には、水遊び前に年長組に誘ってもらい、一緒に体操や踊りを踊る機会がありました。目の前で、大きいお兄さん・お姉さんが踊ってくれる姿を見て、初めはじっと踊りを見ていた子も、楽しそうな雰囲気につられ、真似て踊っているうちに踊りを覚え、曲が流れると思わず体が動くようになってきました。
 学びと言う言葉は『まねび(真似び)』が語源とも言われていますが、子供園では遊びや生活の中で、たくさんの刺激を受けて『やりたい思い』につながっています。明日からの夏季休業中、長時間保育児は、おひさまグループの生活の中で、お兄さん・お姉さんや友達からの刺激を受けることでしょう。また、短時間保育児は、長い休みとなり家庭の中で家族の姿が刺激となって、いろいろなことに「やってみたい」と取り組むことになると思います。9月に夏の経験を通して、ぐっと大きくなった子どもたちに、会えることを楽しみにしています。

1学期、保護者の皆様にはたくさんご協力をいただきました。教職員一同、心よりお礼を申し上げます。
体調に気を付けて、親子で楽しい夏をお過ごしください。