令和7年度 園だより

3月 『おおきくなるっていうことは』  園長 齋藤 由美

先日、4・5歳の誕生会で、子どもたちに『おおきくなるっていうことは』(中川ひろたか:文・村上康成:絵)という絵本の話をしました。「おおきくなるっていうことは、じぶんのことがじぶんでできるようになること」「ともだちがふえること」「できなかったことができるようになること」 温かく心に寄り添う言葉でつづられたこの絵本は、まるで子どもたち一人ひとりの1年間を映しているかのようです。
 この1年、園生活の中では、一人ひとりにとっての「大きくなった瞬間」がたくさんありました。
3歳児は、朝お家の方と離れがたくて涙いっぱいで登園した日々から、今では「先生おはよう!」と笑顔で走っていくようになりました。身の回りのことが一つ一つ自分でできるようになり、「自分でできた!」という自信を少しずつ積み重ねてきました。先日のこどもかいでは、みんなで一緒にすることを心から楽しんでいた子どもたちでした。
4歳児は、年長組から当番の仕事を引き継ぐ喜びと、責任を感じています。「次は自分たちの番だね。」と目を輝かせ、友達と力を合わせて頑張る姿は、とても頼もしく感じます。
5歳児は、もうすぐ1年生。ランドセルの話をしたり、学校の話をしたりしながらワクワクと心を膨らませています。その一方で「できるかな。」「大丈夫かな。」と不安をのぞかせることもあります。期待と不安が入り混じる、今だけの大切な時間です。
ある日「大きくなるってどういうことだと思う?」と、年長組の子どもたちに聞いてみました。すると、「できることを人に教えてあげられる!」「上履きがきつくなる!」「ともだちといっぱい遊べる!」「音楽会でドキドキしても頑張れる!」「うーん、ちょっと考えてからでもいい?」などなど、まっすぐで、温かくて、正直な心の言葉が返ってきました。すぐに答えが出なくても自分で考えてみようとする姿も大きくなったと感じ、その一つ一つに、子どもたちの心の成長を感じ、胸がいっぱいになりました。
この時期の子どもたちは、前に進みたい気持ちと、立ち止まりたい気持ちの間で、小さな心を一生懸命に揺らしています。それは、「大きくなろう」としている証です。保護者の皆様には、ぜひ、そんな子どもたちの思いを「そうなんだね。」「ドキドキするよね。」と優しく受け止めていただけたらと思います。そっと抱きしめること、話を聞くこと、笑顔で見守ること、その一つ一つが子どもたちの大きな力になっていきます。
私たち職員も、子どもたちの心に寄り添いながら、安心して次の一歩を踏み出せるよう、精一杯支えてまいりました。振り返ると、笑ったり、泣いたり、怒ったり、悩んだりしながら過ごした日々は、どれもかけがえのない宝物です。その一つ一つが、今の子どもたちの姿につながっています。
この1年、温かく園を支えてくださった保護者の皆様に、心より感謝申し上げます。皆様と共に子どもたちの成長を見守ることができたことを職員一同誇りに思っております。
これからも、子どもたち一人ひとりが自分らしく安心して歩んでいけるように「おおきくなるって嬉しいことなんだ」と思えるように、私たちはこれからも子どもたちに寄り添い続けていきます。

2月 『諦めない力を育てる』 副園長 小森 三奈子

早いもので、今年度も残すところあと2ヶ月となりました。年長児は小学校への進学、年中・年少児は進級を控え、どの学年の子どもたちも、ぐっと大きく成長している姿が見られます。
さて、まもなく年長組が歌う予定の歌に、「ね」という曲があります。その中には、「うまくいかないときもあるけど もういちどやってみたらできた!」という歌詞があります。この歌詞のような姿は、園生活の中でよく見られます。
幼児期は、生きる力の基礎となる部分を育てる大事な時期です。子どもたちは遊びや生活の中で、様々なことを経験します。その中で、もちろん楽しいこともあれば、時にはうまくいかないことや、難しいことにも出会います。しかし、
そこですぐに諦めたりしてしまうのではなく、頑張る力(諦めない力)が大切です。そして、この諦めない力は、幼児の「やってみたい」という思いと、「自分ならできる」という自信や、何度挑戦しても大丈夫という安心感の中で育ちます。
子供園では、毎年コマ遊びをしています。コマは、それぞれの学年の幼児が「やってみたい」という思いをもち、楽しめるように、発達に応じて3種類のコマを用意しています。
年少児は、誰でも簡単に回すことのできる手回しゴマで遊んでいます。コツが分かり、自分で回せたうれしさや楽しさを感じると、大好きな保育者や周りの幼児と一緒に繰り返し遊んでいます。
年中児は、引きゴマです。紐の片方を手で押さえ、紐をコマの軸に巻き付けます。軸の上部を持って紐を勢いよく引き、そっと床に置くとコマが回ります。年少と違い、コマに紐を巻き、水平に紐を引くという動作が入ってきます。初めは紐を巻きつけることに苦戦しますが、「面白そう」という思いがあるからこそ、繰り返し取り組み、紐の巻き方を身に付けています。また、紐を引く力が弱いとコマの回転が止まってしまいますが、強く紐を引くと長く回るということが体験を通して分かると力強く紐を引きコマを回していました。
そして年長児のコマは投げゴマです。コマの紐をコマの裏側にきつく巻き付けていきます。そして、紐が巻き終わると、緩まないように片手で持ち、水平に投げます。年長児のコマは、紐を巻くことや投げることなど、いくつかうまく回すためのポイントがあり、年少・年中のコマと比べて難しいのですが、何度も挑戦することで、紐の巻き方や投げ方の感覚を掴み、回せるようになります。
先日、友達が投げゴマを回せるようになった姿を見て、ある幼児が「自分も投げゴマを回せるようになりたい!」と、練習を始めました。その姿を見て「おしい!もう少しで、回りそうだね。」「頑張れ」と励ましてくれる友達がいることで、何度失敗しても、粘り強く何回も挑戦していました。また、保育者も幼児の「悔しかった」という思いに共感したり、「難しいけど何度も取り組んでいるね」「さっきよりも紐を引くタイミングが合ってきたね」と幼児の姿に着目して声を掛けたりすることで、幼児の諦めない力や自己肯定感、失敗を恐れずに挑戦する勇気などを育んでいます。
子供園では、今後も幼児の『諦めない力を育てる』ために環境や声掛けなどを工夫し、幼児の「やりたい」と思う姿を支えていきます。
2月の園だより
令和8年1月27日
杉並区立成田西子供園園 長 齋藤 由美