校長挨拶「本物の災害に備えるために」

学校全体

みなさん、今日は3月11日です。
14年前のこの日、東日本大震災が起こりました。
6年生の皆さんでさえ、まだ生まれていない頃のことです。

先日、私はテレビで第二次世界大戦の特集を見ました。
でも、その時代のことは私も直接は知りません。
みなさんが3・11を知らないのと同じように、私も戦争のことは実体験としてはわからないのです。

けれど、私は3・11を知っています。
14年前、私は小学校3年生の担任でした。
その日、6時間目、子どもたちと校庭でサッカーをしていました。
すると、突然、大きな揺れが来ました。

プールの水がザブンザブンと激しく揺れ、校舎の窓ガラスが今にも割れそうになっていました。
学校は避難場所でしたが、地震のたびに校舎が斜めに揺れるのを見て、もう校舎には入れないと思ったほどでした。

校庭で避難しているうちに、色々な情報が入ってきました。
通学路にしている道路の壁が倒れ、危険になっていること。
私の実家がある宮城県の仙台空港では、飛行機が津波で流されてしまったこと。
少しずつ届く情報を聞いて、小さな子どもたちは泣いていました。

実際に体験しないと、本物の怖さはわかりません。
本物の地震が来なければ、本当にどんなものかわからない。
だからこそ、避難訓練では「本物だ」と思って、真剣に取り組むことが大切なのです。

松ノ木小学校の避難訓練は、私が校長になってからの2年間、とても素晴らしいものだったと思います。
今日の訓練も、全体としてとてもよかったです。
ただ、何人か、少し気持ちが入っていないかな?と思う子もいました。

これまでの訓練は二重丸でした。
でも、本物の災害が起きたときに、落ち着いて行動できるようにするためには、さらに意識を高めて「花マル」な避難訓練にしてほしいと思っています。

私たちは毎月のように訓練をしていますが、回数を重ねるうちに「慣れてしまう」ことが一番の落とし穴です。

毎回、本物だと思って、真剣にやってみましょう。
その積み重ねが、自分の命を守ることにつながります。

来年もしっかり避難訓練をしていきましょう。

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