今年度はじめての全校朝会は、あいにくの小雨模様。
そのため体育館での実施となりました。
ところがこの体育館で、今年度ならではの“はじめて”がもう一つ。
昨年度までは感染症対策のため、前半分に3学年、後ろ半分に3学年と分けて並んでいました。
でも今年度からは、全学年がステージ向きに一斉に並ぶという、新しい形に。
初めての並び。初めての学年。最初は担任の先生がそれぞれの学級を並べていましたが、
だんだんと学級が増えても、全体調整がいらないほど、自然に美しく等間隔に並んでいきました。
全校朝会が始まるとき、
「さて、誰が全体に号令をかけるのだろう?」と見ていると――
前に立った6年生2人の代表が、
堂々とこう言いました。
「みなさん、立ちましょう」
「前へならえ」
多くの学校では、このあと子供たちがざわざわ動き出します。
けれども、松ノ木小の子供たちは、誰一人動かない。
最初から、きちんと前へならえの感覚で並べていたからです。
そのまま、シーンと静まり返った体育館の中、
6年生代表の子が静かに、そして力強く朝の挨拶をし、校長にマイクが渡されました。
来週からは、ここに1年生が加わって、本当の意味での「全校朝会」が始まります。
でも、きっと1年生も、こんな立派な先輩たちの姿を見て、自分の行動を決めていくのでしょう。
とてもいい令和7年度のスタートでした。
ひとしきり、上記のことを子供たちに褒めたあと、次の講話をしました。
【本日の校長講話】
令和7年度の学校生活が始まりました。
今日は、みんなに伝えたいことが一つあります。
それは――
「先生たちは、君たちのことを信じています」ということです。
みんなは、自転車に乗れるようになったときのこと、覚えていますか?
まだこれからの人もいるかもしれませんね。
自転車に乗れるようになった人、最初はどうでしたか?
おうちの人に後ろを持ってもらったり、補助輪をつけてもらったり。
「こわいよ」「まだ手をはなさないで!」って、言ったことありませんか?
でもある日、おうちの人は、そっと手を放しました。
「大丈夫。あなたならできるよ」って。
転んで、ひざをすりむいて、泣いたかもしれない。
でも、あきらめずにまた乗ってみた。
そうして、だんだんと、自分の力でこげるようになったんですよね。
それって、すごいことです。
学校でも、同じようなことがあります。
「トイレに行ってもいいですか?」
「○○してもいいですか?」
そんなふうに、先生に聞いてくれること。
それはとても立派なことです。
でもね――
先生たちは、みんなのことを信じています。
だから、なんでも聞かなくてもいいんです。
「今、行ってもいいかな?」
「このタイミングなら、大丈夫かな?」
そうやって、自分の頭で考えて、自分の足でこいでみてほしい。
もちろん、全部がすぐにうまくいくとは限りません。
でも先生たちは、ずっと見ています。
みんなが「学びたい」と思っていること。
「友達と仲よくしたい」と思っていること。
ちゃんと知っています。
よく考えて行動したことは、先生たちは応援します。
たぶん、おうちの人も、きっと応援しています。
今年の松ノ木小学校のテーマは、
「夢中になれる学び」です。
夢中になるっていうのは、先生に言われてやることじゃありません。
「やってみたい」「もっと知りたい」という気持ちから始まります。
転んでもいい。失敗してもいい。
でも、自分でハンドルを握って、前に進んでみる。
そんな1年にしてみませんか?
先生たちは、いつも、みんなの後ろから応援しています。
転びそうなときは、そっと支えます。
でも、最後にこぐのは、君たち自身です。
君たちを信じています。だから、自分で進んでみてください。

