先週、立川市の小学校で、知らない男の人が2人、授業中の教室に入ってくるという事件がありました。そのとき、教室にいた担任の先生は、けがをしてしまいました。対応にあたった別の先生も、けがをしたと聞いています。
でも、先生たちがとっさに動き、その人たちを別の部屋に誘導し、子どもたちに危険が及ばないように守ったようです。子どもたちにけがはなかったそうです。
けががなかったのは、本当に良かったことです。
でも、その場にいた子どもたちは、おそらく、とてもこわい思いをしたと思います。
泣いていた子がほとんどだった、という話も聞きました。
体は無事でも、心には大きな不安や傷が残ったかもしれません。
みなさんも知っているように、松ノ木小学校でも「不審者対応訓練」を行っています。
ほとんどの子が、しっかりと、真剣に訓練に取り組んでいます。
でも、中には、こんなふうに思っている人、いませんか?
「こんなこと、実際には起こらないよ」
「言われたとおりにしておけばいいんでしょ」
そんな気持ちで、なんとなく動いてしまっていませんか?
今回の事件は、「まさか」が「本当に起きた」できごとでした。
だからこそ、訓練は「とりあえず動くためのもの」ではありません。
訓練という機会を使って、自分の頭で考えてほしいのです。
「こう言われたけど、こんなときはどうすればいいんだろう?」
「もし自分が教室に一人でいたら?」「もし近くに自分よりも小さい子がいたら?」
そうやって、いろいろな場合を想像し、自分で判断し、行動する力を育ててほしいのです。
大人でも、すべてのことを想定して動くことはできません。
実際の場面では、想定外のことが起こることのほうが多いのです。
もちろん、「まずは先生の話を聞く」「自分の身を守る」など、基本となる大切な行動はあります。
それを守ったうえで、いざというとき、自分の頭で考えて、動けるようになっていてほしい。
訓練とは、「言われたことをただやる時間」ではなく、
「自分と大切な人の命を守る力を、自分の中に育てる時間」だということを、どうか心にとめておいてください。

