読み聞かせのある日の朝、多くの保護者の方が本を片手に門をくぐって入られる姿を拝見し、「お仕事を休んでいらっしゃってくださったのかな。」「悩みながら選本をしてくださったんだな。」といつも心に思います。今回もご多用の中、ありがとうございました。
教室を回っていると、多くの保護者の方は電子黒板を使っています。画面下部の内蔵カメラで本を拡大して投影する関係で、児童には背中を向けて(あるいは斜めで)読まれる方も少なくありません。子どもに向かって読んでいるのではないので、音量も当然小さめになります。そこがこの読み聞かせの「学習の場」としての良さの一つと考えています。
声が小さいと、人は静かにして聴くよう「聴覚」を使います。静かに聴こう、という意識が働きます。そのことが空間全体の静寂をつくります。「聴こえませーん」という前に、まずは自分たちが静かになって一生懸命聴こうとします。このことが大事な学習です。教員にも授業中の声の音量に関して指導をしています。読み聞かせは、「しっかり聴く」ことを学ぶ貴重な体験の場です。

