『いじめ認知数』と大人が考えるべきこと③

 本校のいじめ認知数が46件で報告したことは、前々回の本欄でもお伝えしました。令和4年度分の文科省の統計では、全国のいじめ認知数(小学校のみ)は、約55万件です。児童1000人あたりの認知数だと89人となります。55万件の中には、聞き取り後すぐに解消、解決するものがかなりの割合をしめていると思われますが、長期欠席につながったり、金品をとられたり、あるいは暴行で重傷を負う等の「重大事態」923件も含まれており、しかもこれらの数字が令和3年度に比べ増加していることを特に留意する必要があります。

 また、数字には表れないケースももちろんありますし、「いじめられた経験のある児童の割合と同じくらい、いじめた経験をもつ児童がいる」という統計を出している資料も散見されます。学校だけではなく大人の世界でも見られるいじめ行為ですが、一定の知識や経験値を得ている大人に比べ、児童本人の認識や対策、受け止め方は明らかに違います。子ども同士で解決できる力を社会全体で育てることが前提ですが、同時に「よき理解者」である大人が考えるべきことも少ないと思います。55万件いじめ認知をしても、55万件解決、解消できる世の中にしていきましょう。そういう児童を育てていきましょう。

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