『いじめ認知数』と大人が考えるべきこと②

 いじめ行為の話をする時、「いじめる側が100%悪い。」「いやいや、いじめられる側にも原因があるでしょう。」という話がよくでます。いじめ経験の有無関係なく、両方の意見の人が存在すると思います。皆さんはどうお考えですか。

 ここで考えたいのが、「原因」という言葉です。ある物事(この場合はいじめ行為)を引き起こすもの、あるいはその働き、という意味が、「原因」にはあります。いじめ行為を引き起こすもの(根本的な理由)、つまり原因は、いじめようと思う意思決定をした人の心(内面)にあるのではないか、と私は考えます。冒頭の「いじめられる側にも原因~」という人の「原因」は、おそらく「きっかけ」という意味で、置き換えて考える必要があると思います。

 「きっかけ」は確かに人によっていろいろあるかもしれません。「うるさい」「見た目が気持ち悪い」「調子に乗っている」「なんかムカつく」みたいなことから、「陰口、悪口を言われたから」「嘘をつかれたから」等のように、もっともらしいことまで幅は広いです。でも、「きっかけ」を、いじめ行為をする「動機」にするのは、まさにその人自身の心の問題です。「きっかけ」があっても、それを動機とせずいじめない人の方が圧倒的に多いのですから。

 いじめ行為の「原因」は、きっかけを動機としていじめ行為を行おうとするその人の心にあります。このことをしっかりとすべての児童にも伝えていく必要があるし、周りの大人にも考えていただきたいことでもあります。

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